極限で表された関数

極限で表された関数について見ていきます。
無限級数や数列・関数の極限の知識を使っていきます。

 

(例題1)
\(f(x)=\displaystyle\sum_{n=0}^{\infty}\displaystyle\frac{x^2}{(1+x^2)^n}\) について、\(y=f(x)\) は \(x=0\) で連続か。

 

初項\(x^2\)、公比\(\displaystyle\frac{1}{1+x^2}\) の無限等比級数です。
検討すれば分かりますが、任意の\(x\)で収束します。

(解答)
初項\(x^2\)、公比\(\displaystyle\frac{1}{1+x^2}\) の無限等比級数だから

(i)\(x=0\) のとき
無限級数は収束し
\(f(x)=0\)

(ii)\(x≠0\) のとき
\(0<\displaystyle\frac{1}{1+x^2}<1\) より無限級数は収束し
\(f(x)=\displaystyle\frac{x^2}{1-\displaystyle\frac{1}{x^2+1}}=\displaystyle\frac{x^2(1+x^2)}{(x^2+1)-1}\)

\(=1+x^2\)

よって
\(\displaystyle\lim_{x \to 0}=(1+x^2)=1\) であり、\(f(0)\  (=0)\) と等しくないので
\(x=0\) で連続でない

 

 

 

(例題2)
(1)\(f(x)=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{x^{2n}-x^{2n-1}+ax^2+bx}{x^{2n}+1}\)  を求めよ。

(2)上で定めた関数\(f(x)\)がすべての\(x\)について連続であるように、\(a,b\)の値を定めよ。

 

(解答)
(1)

\(x^{2n}(x^{2n-1})\) は等比数列の一般項なので、\(-1<x<1\)、\(x=±1\)、\(x>1,x<-1\) で場合分けします。(\(x=1\)のときは収束するが、\(-1<x<1\)のときと極限値が違う。同様に\(x=-1\)も別に考える)

\(f(x)=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{x^{2n}-x^{2n-1}+ax^2+bx}{x^{2n}+1}\)

①\(x<-1\)、\(x>1\) のとき
(\(x^{2n}\)が強い項なのでこれで割る)
\(f(x)=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{1-\displaystyle\frac{1}{x}+\displaystyle\frac{a}{x^{2n-2}}+\displaystyle\frac{b}{x^{2n-1}}}{1+\displaystyle\frac{1}{x^{2n}}}\)
\(=1-\displaystyle\frac{1}{x}\)

②\(x=-1\) のとき
\(f(x)=\color{red}{f(-1)}=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{(-1)^{2n}-(-1)^{2n-1}+a(-1)^2+b(-1)}{(-1)^{2n}+1}\)

\(=\displaystyle\frac{1+1+a-b}{1+1}\)\(=\displaystyle\frac{2+a-b}{2}\)

③\(x=1\) のとき
\(f(x)=\color{red}{f(1)}=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{1-1+a+b}{1+1}\)
\(=\displaystyle\frac{a+b}{2}\)

④\(-1<x<1\) のとき
\(f(x)=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\displaystyle\frac{0-0+ax^2+bx}{0+1}\)
\(=ax^2+bx\)

 

(2)

\(x=±1\) 以外では連続なので、この2点の連続を検討します。

(1)より \(x<-1\)、\(-1<x<1\)、\(x>1\) のときは\(f(x)\)は連続。

よって\(x=±1\)での連続を考えればよい。
\(\displaystyle\lim_{x \to -1-0}f(x)=\displaystyle\lim_{x \to -1+0}f(x)=f(-1)\)
\(\displaystyle\lim_{x \to 1-0}f(x)=\displaystyle\lim_{x \to 1+0}f(x)=f(1)\)

より
\(\displaystyle\lim_{x \to -1-0}(1-\displaystyle\frac{1}{x})=\displaystyle\lim_{x \to -1+0}(ax^2+bx)=\displaystyle\frac{2+a-b}{2}\)
\(\displaystyle\lim_{x \to 1-0}(ax^2+bx)=\displaystyle\lim_{x \to 1+0}(1-\displaystyle\frac{1}{x})=\displaystyle\frac{a+b}{2}\)

ゆえに
\(2=a-b=\displaystyle\frac{2+a-b}{2}\)・・・(ア)
かつ
\(a+b=0=\displaystyle\frac{a+b}{2}\)・・・(イ)

(ア)を分解すると、\(2=a-b\)、\(a-b=\displaystyle\frac{2+a-b}{2}\) の2式になりますが、変形すると同じ式です。(イ)も同様です。

(ア)より
\(a-b=2\)・・・(ウ)
(イ)より
\(a+b=0\)・・・(エ)

(ウ)(エ)より
\(a=1\)、\(b=-1\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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