三角形において、三角比の等式から三角形の形状を求める問題について考えていきます。等式の証明と同じように等式を辺のみに統一します。
(問題)三角形\(ABC\)において、次の等式が成り立つとき、この三角形はどのような形か。
\(a\cos A=b\cos B\)
(解答)
余弦定理により
\(\cos A=\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}\), \(\cos B=\displaystyle\frac{c^2+a^2-b^2}{2ca}\)
これらを与式に代入して
\(a×\displaystyle\frac{b^2+c^2-a^2}{2bc}=b×\displaystyle\frac{c^2+a^2-b^2}{2ca}\)
両辺に\(2abc\)をかけて
\(a^2(b^2+c^2-a^2)=b^2(c^2+a^2-b^2)\)
左辺によせて\(c\)について整理すると
\(b^4-a^4+c^2(a^2-b^2)=0\)
\((b^2+a^2)(b^2-a^2)-c^2(b^2-a^2)=0\)
\((b^2+a^2-c^2)(b^2-a^2)=0\)
\((b^2+a^2-c^2)(b+a)(b-a)=0\)
\(b+a>0\)だから \(b^2+a^2-c^2=0\) または \(b-a=0\)
すなわち、\(c^2=a^2+b^2\) または \(b=a\)
したがって、\(a=b\)の二等辺三角形 または \(C=90°\)の直角三角形
等しい辺はどれか、直角の角はどの角なのかを明記しましょう。
それと、途中の因数分解ですが次数が最も低い\(c\)について整理するのは定石です。
それと、途中の因数分解ですが次数が最も低い\(c\)について整理するのは定石です。