3つの集合

 

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今まで2つの集合について考えてきましたが、今回は3つの集合について考えていきます。

 

 

・3つの集合の共通部分と和集合
2つの集合の場合と同じように、3つの集合\(A,B,C\)のどれにも属する要素全体の集合を、\(A,B,C\)の共通部分といい、\(A \cap B \cap C\) と表します。また、\(A,B,C\)の少なくとも1つに属する要素全体の集合を、\(A,B,C\)の和集合といい、\(A \cup B \cup C\)と表します。ベン図で表すと次のとおりです。

3集合 ベン図

\(A \cup B \cup C\)は\(A,B,C\)のどれか1つに属していればよいということです。

 

 

(例題)
\(20\)以下の自然数全体を全体集合とし、奇数、\(3\)の倍数、\(5\)の倍数の集合を、それぞれ\(A,B,C\)とする。このとき次の集合を求めよ。

(1)\((A \cap C) \cup (B \cap C)\)
(2)\((A \cup C) \cap (B \cup C)\)
(3)\(\overline{A \cup B \cup C}\)

 

 

要素を列挙するだけで考えてもよいですが、ベン図も合わせて書くとより理解が深まるでしょう。

(解答)
\(A=\{1,3,5,7,9\)\(,11,13,15,17,19\}\)
\(B=\{3,6,9,12,15,18\}\)
\(C=\{5,10,15,20\}\)
であり、
\(A \cap B=\{3,9,15\}\), \(A \cap C=\{5,15\}\), \(B \cap C=\{15\}\), \(A \cap B \cap C=\{15\}\) だから、ベン図は次のとおり。

3集合 例題

(1)
\(A \cap C=\{5,15\}\), \(B \cap C=\{15\}\), だから
\((A \cap C) \cup (B \cap C)=\)\(\{5,15\}\)

(2)
\(A \cup C=\)\(\{1,3,5,7,9,10\)\(,13,15,17,19,20\}\)
\(B \cup C=\)\(\{3,5,6,9,10\)\(,12,15,18,20\}\) だから
\((A \cup C) \cap (B \cup C)=\)\(\{3,5,9,10,15,20\}\)

(3)
ベン図より
\(\overline{A \cup B \cup C}=\)\(\{2,4,8,14,16\}\)

 

 

・交換法則と結合法則と分配法則
3つの集合\(A,B,C\)についてベン図を考えると以下の法則が成り立つことがわかります。

①交換法則
\(A \cap B=B \cap A\), \(A \cup B=B \cup A\)
②結合法則
\((A \cap B) \cap C\)\(=A \cap (B \cap C)\)\(=A \cap B \cap C\)
\((A \cup B) \cup C\)\(=A \cup (B \cup C)\)\(=A \cup B \cup C\)
③分配法則
\((A \cup B) \cap C\)\(=(A \cap C) \cup (B \cap C)\)
\((A \cap B) \cup C\)\(=(A \cup C) \cap (B \cup C)\)
①と②は集合を考える順番を変えてもいいという法則なのであまり深く考えなくて大丈夫です。③は整式の展開 \((a+b)×c=ac+bc\) と同様に考えて覚えましょう。上の例題の(1),(2)を分配法則(右辺から左辺の変形)を用いて、左辺の集合を考えて解くこともできます。

 

 

・ド・モルガンの法則の拡張
3つの集合について次の式が成り立ちます。(ド・モルガンの法則の拡張)
\(\overline{A \cap B \cap C}\)\(=\overline A \cup \overline B \cup \overline C\)
\(\overline{A \cup B \cup C}\)\(=\overline A \cap \overline B \cap \overline C\)

 

(証明)
(\(A \cap B\)) と \(C\)、2つの集合の場合を考えると、ド・モルガンの法則により、
\(\overline{A \cap B \cap C}\)\(=\overline{(A \cap B) \cap C}\)\(=\overline{(A \cap B)} \cup \overline C\)\(=(\overline A \cup \overline B) \cup \overline C\)\(=\overline A \cup \overline B \cup \overline C\)
2つ目の式は \(\cap\) と\(\cup\) を入れ替えれば得られる。

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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