組分け(グループ分け)

 

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いくつかの物を組分け(グループ分け)する方法を数え上げる問題では、区別するものと区別しないものを明確にしておくことが重要になります。

 

(例題)
12冊の異なる本を次のように分ける方法は何通りあるか。
(1)5冊、4冊、3冊の3組に分ける。
(2)4冊ずつ3人の子どもに分ける。
(3)4冊ずつ3組に分ける。
(4)8冊、2冊、2冊の3組に分ける。

 

 

まず分けるものである本12冊は異なると書いてあるので区別できるものです。これは(1)~(4)共通です。分けるグループが区別できるかできないかについては(1)~(4)それぞれについて検討していきます。
(解答)
(1)
組A,B,Cなどと書かれていた場合は区別できる組で、単に3組と書かれていたら組は区別できないものになります。
ただ(1)については本の冊数が違うため、5冊の組をA、4冊の組をB,3冊の組をCとしても同じことなので、この3組は区別できるものになります。
まず、12冊から5冊を選ぶ方法は \({}_{12}\mathrm{C}_5\) 通り。
次に残りの7冊から4冊を選ぶ方法は \({}_{7}\mathrm{C}_4\) 通り。
残りの3冊は1通りに決まるから(\({}_{3}\mathrm{C}_3=1\) 通り)
\({}_{12}\mathrm{C}_5×{}_{7}\mathrm{C}_4=\)\(27720\)(通り)

 

(2)
子ども3人は区別できます。
3人の子どもをA,B,Cとすると、
Aに12冊の中から4冊を配り、Bに残り8冊の中から4冊を配り、Cに残り4冊の中から4冊配ればよいので
\({}_{12}\mathrm{C}_4×{}_{8}\mathrm{C}_4×{}_4\mathrm{C}_4=\)\(34650\)(通り)

 

(3)
(2)と似ていますが、今回は3組で冊数も全部4冊ずつなので組が区別できません。
どうするかというと、(2)で区別した数が求まっているのでこれを区別を無くした場合どうなるかを考えます。
本12冊を1~12と名前をつけて、{1,2,3,4},{5,6,7,8},{9,10,11,12} と3組に分けたときに(2)と(3)でどのような違いが出るか考えてみます。この4冊ずつの本を紐で縛って、子どもA,B,Cに本のかたまりを分ける方法は、A,B,Cが区別できるので\(3!\)通りあります。しかし区別できない3組に分ける場合は4冊ずつの紐で縛られたかたまり、{1,2,3,4},{5,6,7,8},{9,10,11,12}を作るだけなので、1通りです。
他の4冊ずつの分け方についても同じことなので、(3)の総数の\(3!\)倍が(2)の総数となります。よって(2)の答えを\(3!\)で割ればよいことになります。
(2)でA,B,Cの区別をなくすと同じものが\(3!\)通りずつ出てくるので
\({}_{12}\mathrm{C}_4×{}_{8}\mathrm{C}_4÷3!=\)\(5775\)(通り)

 

 

(4)
3組なので区別できない組ですが、8冊だけは違う冊数のため区別でき、残りの2冊ずつの2組は同じ冊数の組なので区別できないことになります。
(3)と同じようにまず全部の組が区別できるものとして8冊の組をA,2冊の組をB,2冊の組をCとします。12冊の本を{1,2,3,4,5,6,7,8}{9,10}{11,12}と分けたときに、B,Cが区別できるときは、A{1,2,3,4,5,6,7,8},B{9,10},C{11,12} と A{1,2,3,4,5,6,7,8},B{11,12},C{9,10} は違ったものになりますが、区別できないときは同じものとなります。よって区別できる場合の総数を\(2!\)で割ればよいです。
8冊の組をA,2冊の組をB,2冊の組をCとする。
A,B,Cに分ける方法は、\({}_{12}\mathrm{C}_8×{}_{4}\mathrm{C}_2×{}_{2}\mathrm{C}_2\) 通り。
B,Cの区別をなくすと、同じものが\(2!\)ずつ出てくるので
\({}_{12}\mathrm{C}_8×{}_{4}\mathrm{C}_2÷2!\)\(={}_{12}\mathrm{C}_4×{}_{4}\mathrm{C}_2÷2!=\)\(1485\)(通り)

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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