ガウス記号の例題①

 

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ガウス記号に関する問題について見ていきます。

 

 

(例題1)
実数\(x\)に対して\(x\)以下の最大の整数を\([x]\)で表す。
(1)\([\displaystyle\frac{1}{3}x+1]=-2\) を満たす\(x\)の範囲を求めよ。
(2)\([\displaystyle\frac{1}{6}x]=[\displaystyle\frac{1}{2}x+1]\) を満たす\(x\)の範囲を求めよ。

 

 

(解答)
(1)

\([y]≦y<[y]+1\) です。
ガウス記号をとると\(-2\)なので、ガウス記号の中身が、\(-1.□□\)などの値をとるということ意識すると分かりやすいです。

\(-2≦\displaystyle\frac{1}{3}x+1<-1\) より
\(-3≦\displaystyle\frac{1}{3}x<-2\)
よって
\(-9≦x<-6\)

 

(2)

両辺ともに整数なので、\(k\)とおいて(1)と同様に不等式を解いてみます。

\([\displaystyle\frac{1}{6}x]=[\displaystyle\frac{1}{2}x+1]=k\) (\(k\)は整数) とおける。

\([\displaystyle\frac{1}{6}x]=k\)より
\(k≦\displaystyle\frac{1}{6}x<k+1\)
よって
\(6k≦x<6k+6\)・・・①

また、\([\displaystyle\frac{1}{2}x+1]=k\) より
\(k≦\displaystyle\frac{1}{2}x+1<k+1\) だから

\(2k-2≦x<2k\)・・・②

①と②の共通解があれば、方程式の解があることになるので、①②が共通解をもつ条件を調べる。

 

①②が共通解をもつ条件は、次のように数直線上で考えると分かりやすいです。
ガウス記号 方程式 数直線

 

①②が共通の範囲をもつときは
\(6k<2k\) かつ \(2k-2<6k+6\)
これを解くと、\(-2<k<0\)
\(k\)は整数なので、\(k=-1\)

\(k=-1\)を①②に代入して
\(-6≦x<0\)・・・③, \(-4≦x<-2\)・・・④
よって求める\(x\)の範囲は③④の共通範囲で
\(-4≦x<-2\)

 

 

 

(例題2)
実数\(x\)に対して\(k≦x<k+1\) を満たす整数\(k\)を\([x]\)で表す。
(1)\(n^2-n-\displaystyle\frac{5}{4}<0\) を満たす整数\(n\)をすべて求めよ。
(2)\([x]^2-[x]-\displaystyle\frac{5}{4}<0\) を満たす実数\(x\)の範囲を求めよ。
(3)\(x\)は(2)で求めた範囲にあるものとする。\(x^2-[x]-\displaystyle\frac{5}{4}=0\) を満たす\(x\)をすべて求めよ。

 

 

 

(解答)
(1)

ただの2次不等式です。解いて範囲内にある整数を拾い上げます。

\(n^2-n-\displaystyle\frac{5}{4}=0\)を解くと
\(n=\displaystyle\frac{1±\sqrt{6}}{2}\)

よって、不等式を満たす\(n\)は
\(\displaystyle\frac{1-\sqrt{6}}{2}<n<\displaystyle\frac{1+\sqrt{6}}{2}\)・・・①

 

\(\sqrt{6}=\sqrt{2}×\sqrt{3}≒1.4×1.7≒2.4\) より
\(\displaystyle\frac{1-\sqrt{6}}{2}≒-0.7\)
\(\displaystyle\frac{1+\sqrt{6}}{2}≒1.7\) です。
解答では不等式で丁寧に評価しています。

 

\(2<\sqrt{6}<3\) より
\(-1<\displaystyle\frac{1-\sqrt{6}}{2}<-\displaystyle\frac{1}{2}\)
\(\displaystyle\frac{3}{2}<\displaystyle\frac{1+\sqrt{6}}{2}<2\)

だから、①を満たす整数\(n\)は
\(n=0,1\)

 

(2)

\([x]\)は整数です。\([x]=n\)とすると、(1)と同じ不等式になります。
あとは\(x\)の範囲を求めましょう。

\([x]=n\) (\(n\)は整数) とすると、(1)と同じ不等式になる。

よって\([x]=0,1\)

(ア)\([x]=0\) のとき
\(0≦x<1\)
(イ)\([x]=1\) のとき
\(1≦x<2\)

以上より \(0≦x<2\)

 

 

(3)

\(0≦x<2\) の範囲で\([x]\)の値が変わる境目で場合分けします。
(2)の(ア)(イ)と同じ場合分けになります。

(i)\(0≦x<1\) のとき
\([x]=0\) なので与式は
\(x^2-\displaystyle\frac{5}{4}=0\)
これを解くと、\(x=±\displaystyle\frac{\sqrt{5}}{2}\)
\(0≦x<1\) の範囲内にないため不適。

(ii)\(1≦x<2\) のとき
\([x]=1\) なので与式は
\(x^2-1-\displaystyle\frac{5}{4}=0\)
これを解くと、\(x=±\displaystyle\frac{3}{2}\)
\(1≦x<2\) の範囲内にあるのは、\(x=\displaystyle\frac{3}{2}\)

 

以上より、\(x=\displaystyle\frac{3}{2}\)

 

 

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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