係数に虚数を含む2次方程式について見ていきます。
(例題1)
\(i^2=-1\)とするとき、次の2次方程式の実数解を求めよ。
\((1+i)x^2-(1-3i)x-2(1-i)=0\)
\(a,b\)が実数のとき、
\(a+bi=0\) \(\leftrightarrow\) \(a=b=0\)
よって、\(i\)を含む項と、実数の項で分けることになりますが、わかりやすいように実数解を\(x=α\)とでもおきます。
(解答)
与式より
\((x^2-x-2)+(x^2+3x+2)i=0\)
実数解を\(x=α\)とすると
\((α^2-α-2)+(α^2+3α+2)i=0\)
\(α^2-α-2\),\(α^2+3α+2\)は実数なので
\(α^2-α-2=0\)・・・①
かつ
\(α^2+3α+2=0\)・・・②
①より \((α-2)(α+1)=0\) よって \(α=-1,2\)
②より \((α+1)(α+2)=0\) よって \(α=-1,-2\)
①かつ②を満たすのは\(α=-1\)
したがって実数解は \(x=-1\)
(別解)因数分解する方法
両辺に\(1-i\)をかけると
\(2x^2-(1-i)(1-3i)x-2(1-i)^2=0\)
\(2x^2-(-2-4i)x-2(-2i)=0\)
よって
\(x^2+(1+2i)x+2i=0\)
因数分解すると
\((x+1)(x+2i)=0\)
したがって実数解は \(x=-1\)
(例題2)
\(x\)の2次方程式 \(x^2+(1+2i)x+a+12i=0\) (\(i\)は虚数単位) が実数解と虚数解をもつような実数\(a\)を求めよ。またそのとき、実数解と虚数解も求めよ。
(解答)
与式より
\((x^2+x+a)+(2x+12)i=0\)・・・①
実数解を\(x=k\)とすると
\((k^2+k+a)+(2k+12)i=0\)
\(k^2+k+a\), \(2k+12\)は実数なので
\(k^2+k+a=0\)・・・②
\(2k+12=0\)・・・③
③より\(k=-6\)なので、もし実数解をもつならば\(-6\)しかない。
②より、\(a=-30\)
このとき、①は
\((x^2+x-30)+(2x+12)i=0\)
\((x+6)(x-5)+2(x+6)i=0\)
\((x+6)(x-5+2i)=0\)
よって、2解は \(x=-6,5-2i\) であり、実数解と虚数解となる。
以上より
\(a=-30\), 解は \(x=-6,5-2i\)
例えば2次方程式 \(ix^2+2x=0\) のとき形式的に判別式を適用すると
\(D=4-4・i・0=4>0\) ですが、この方程式の解は、\(x(ix+2)=0\)より
\(x=0,-2i\)であり、虚数解をもちます。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。