曲線と直線の距離

曲線上の点と直線の距離に関する問題について見ていきます。

 

(例題)
2点 \(A(0,-1)\),\(B(2,1)\) がある。点\(P\)が放物線 \(y=x^2\) 上を動くとき、\(△ABP\)の面積の最小値と、そのときの点\(P\)の座標を求めよ。

 

 

\(AB\)を底辺とすると、\(△ABP\)の高さ\(h\)は直線\(AB\)と点\(P\)の距離です。点\(P\)の\(x\)座標を\(t\)とおくと\(P(t,t^2)\)であり、\(h\)を\(t\)で表すことができ、\(△ABP\)の面積も\(t\)の式となり、この式から最小値等を求めます。なお\(AB\)は一定値なので、\(△ABP\)の面積が最小となるときは、高さ\(h\)が最小となるときです。

(解答)

曲線と直線の距離①

\(AB\)を底辺として考える。

\(AB=\sqrt{2^2+2^2}=2\sqrt{2}\)

また直線\(AB\)の方程式は
\(y+1=1(x-0)\) より \(x-y-1=0\)

\(P(t,t^2)\)とおくと、\(△ABP\)の高さ\(h\)は直線\(AB\)と点\(P\)の距離で
\(h=\displaystyle\frac{|t-t^2-1|}{\sqrt{1^2+1^2}}\)\(=\displaystyle\frac{|-t^2+t-1|}{\sqrt{2}}\)

よって
\(△ABP\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}・2\sqrt{2}・\displaystyle\frac{|-t^2+t-1|}{\sqrt{2}}\)
\(=|-t^2+t-1|\)
\(=|-(t-\displaystyle\frac{1}{2})^2-\displaystyle\frac{3}{4}|\) (平方完成した)
\(=(t-\displaystyle\frac{1}{2})^2+\displaystyle\frac{3}{4}\)

\(-(t-\displaystyle\frac{1}{2})^2-\displaystyle\frac{3}{4}\) は\(t\)によらず負の値なので、絶対を外すときには全体の符号を入れ替えます。

ゆえに \(△ABP\)は \(t=\displaystyle\frac{1}{2}\) のとき、最小値 \(\displaystyle\frac{3}{4}\) をとり、このとき \(P(\displaystyle\frac{1}{2},\displaystyle\frac{1}{4})\)

 

 

※直線\(AB\)に平行な直線を考えても解くことができます。

\(AB\)に平行な直線\(l\)上の任意の点と直線\(AB\)の距離は等しいので、\(l\)を\(y=x^2\)に近づけていくと、\(y=x^2\)の点で直線\(AB\)に最も近い点は、\(l\)が \(y=x^2\)上と一点で交わるとき(接するとき)の交点となることがわかります。
このとき、底辺を\(AB\)としたとき\(△ABP\)の高さ\(h\)が最小となるので、面積も最小となります。1点で交わるときの条件は判別式を使って求めることができます。

(別解)

曲線と直線の距離 接線

直線\(AB\)に平行な直線を考えると、この直線が \(y=x^2\)・・・①と1点で交わる(接する)ときに、\(AB\)を底辺としたときの高さ\(h\)が最小となるので、\(△ABP\)の面積が最小となる。

直線\(AB\)の方程式は \(y=x-1\) であり、平行な直線を\(y=x-k\)・・・②とおく

②を①に代入して
\(x-k=x^2\)
\(x^2-x+k=0\)・・・③
①と②が1点で交わるとき③は重解をもつので、
\(D=1-4k=0\) より \(k=\displaystyle\frac{1}{4}\)

このとき \(P\)の\(x\)座標は③の解(重解)なので、\(x=\displaystyle\frac{1}{2}\)
よって \(P(\displaystyle\frac{1}{2},\displaystyle\frac{1}{4})\)

また高さ\(h\)は、\(P\)と 直線\(AB\) \(x-y-1=0\) の距離なので
\(h=\displaystyle\frac{|\displaystyle\frac{1}{2}-\displaystyle\frac{1}{4}-1|}{\sqrt{1^2+1^2}}\)\(=\displaystyle\frac{3}{4\sqrt{2}}\)

したがって
\(△ABP=\displaystyle\frac{1}{2}AB・h\)\(=\displaystyle\frac{1}{2}・\sqrt{2^2+2^2}・\displaystyle\frac{3}{4\sqrt{2}}\)\(=\)\(\displaystyle\frac{3}{4}\)

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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