勉強法・参考書選び(高校数学)

高校数学の全体的な勉強法や参考書の選び方についてまとめてみました。
目安にして下さい。

 

・初級編
最初の段階では、数学の問題を解く上での道具を仕入れることになる。要は基本的な解法パターンの暗記をするということ。ゲームのRPGでいうレベル上げ・装備集めの段階。これが退屈・面倒になってしまう人がいると思うが、必要最低限のことを学習していないと問題を解く上での土俵に乗ることすらできないので、避けては通れない。基本的な解法パターンといってもその場の思いつきでできるようなモノはあまりないので、しっかりと身に着ける必要がある。したがってこの段階で問題が解ける解けないの原因は大きく分けて次の2パターンに分かれる。

①解法のやり方を知らない
②解法のやり方を知っているが、再現できない

①は知識をまず仕入れることから始めればよい。②についてはよくありがちなのが、分かりやすい授業や参考書で理解したつもりだが、実際にやってみると解けないという状況である。どの科目の勉強にも言えることだが、

(1)授業や参考書で学ぶ(インプット)
(2)問題集などで演習を積む(アウトプット)

の両方を行わないと身につかない。特に理系科目では理解と実践の乖離がひどくなりがちなので、(2)の作業は非常に大事。反復して訓練すれば必ずできるようになるので、できなくても落ち込まずトライすればよい。分からなくなったら(1)に戻ったりして、(1)⇔(2) を何度も行き来するのも大事。訓練次第で基礎問題は問題を見た瞬間解法が思いつくレベルにまで高めることができる。

よく〇〇の分野ではセンスが必要、センスが無いから苦手・解けないという文章を見かける。得意な分野はセンスがあり苦手な分野ではセンスが無いということなのだろうが、これも訓練次第でどうにでもなるので、気にしなくてよい。センスはただ磨けばよいだけ。

この段階での一番のおススメの参考書・問題集はチャート式やFocus Goldといった網羅系の書籍。必要な解法パターンの問題がほとんど全て載っているのでマスターすればかなりの力がつく。しかしそれだけ分量も多く、実際これらの書籍の実物は辞書のような分厚さがある。なので数学に苦手意識がある人が使うとさらに苦手になる恐れがあるので、最初はやり切れるような量の書籍を選ぶとよい。またカッチリとした文章ではなく柔らかめな文章のものを選ぶのもよく、話言葉で書かれた講義系の本(実況中継)などもよい。ただし、最終的には網羅系の書籍と同じだけの量をやる必要があることには注意。

理系科目は質が大事なのは確かにそうだが、量をおざなりしてはならない。色々な書籍に手を出しすぎるのはダメだが、少ない量で満足するのもダメ。

まずは問題を解こう。理論ももちろん大事だが、最初の段階では実践がより大事。解けるようになればモチベーションもあがるし、達成感も生まれて気持ちがいい。

 

・中級編
ある程度解法パターンを身に着けたら、問題集や参考書のレベルを上げることになる。問題によってはすぐ解法が思いつくものもあるとは思うが、このレベルになると何種類かの解法を組み合わせることが必要になったり、複数の分野が合わさったいわゆる融合問題というものも現れる。しかし解けるか解けないかは、結局のところ経験によるところが大きいので、色々な問題を解いて慣れることが大事になる。このレベルまではある程度考えて解法が思いつかない場合には答えをすぐに見るのも手段の1つ。

苦手なところがある場合には時には初級編のレベルの方法に戻ってもよい。まだ苦手な分野がある人も多いと思うので、その場合はまずはアレルギーを減らすことから始めるとよい。苦手な分野の問題がでるとウッとならないようにする。この場合のおススメの参考書は分野別に特化したもの。

また問題のレベルは徐々に上げるようにすること。いきなり難易度を跳ね上げるのもチャレンジ精神としては悪くは無いと思うが、少しずつステップアップするほうが負担が小さくてよい。

 

・上級編
さらに問題のレベルが上がると、一筋縄ではいかない問題がゴロゴロ現れる。誘導が一切無い簡素な問題もあったりして、どのような解法を選択するのかも重要になってくる。このレベルになってくると問題が解けなくてもよいのですぐに答えを見ずにあれこれ考えることが非常に大事。ただし試験では時間制限があるし、効率も重視するために1問30分ぐらいを目安に打ち切ったり、手も足も出ない場合にはヒントを見たり答えを見たりするのもよい。

見たことも無い問題などにも対処することになってくるが、結局解法は知っていることの組み合わせになる場合がほとんど。いかに自分の知っている土俵に乗っけるかが大事。知らない解法が出てきた場合にはその都度取得すればよい。

また当たり前に使っている定義の見直し、定理や公式の証明にも気を配る。こういう原理的な内容も試験でたまに問われたりするので注意。初級編などは問題を処理するだけのクイズみたいな感覚になってしまうが数学は理屈の学問。その要素がレベルが上がるにつれて強くなってくる。

 

その他
・計算ミスについて
最初から最後まで付きまとう計算ミス。計算ミスと言ってしまうと仕方ないもののように感じてしまうかもしれないが、ただの間違いである。採点によっては計算ミスだけなら部分点などももらえるかもしれないが、意外と難関大とよばれる入試でも正確な計算処理能力を見てくることが多いので侮れない。
計算ミスを無くすにはトレーニングするしかない。普段から実際に手計算をすることを省略せずに、特に積分のような計算だけの問題は答えが合うまでやる必要がある。試験前ギリギリの本当の直前期の総まとめを除いて実際に手で書いて問題を解くという作業を面倒がってはならない。計算ミスの原因は色々あるとは思うが、自分で分析してみると結構同じような原因だったりする。自分のミスの原因のクセを把握するのが大切。

・過去問
最終的にその大学のレベルに到達することになるので、過去問は入試直前にやることになる人がほとんどになる。しかし早めに取り組むことができるならできるだけ早く取り組むとよい。過去問をやる一番の目的は入試の形式とその特色に慣れること。模試なども受けて併用するとよい。
過去に出た問題が再び出ることは無いと思う人がいるかもしれないが、意外と似たような問題が出ることもある。過去問の研究も大切。
反面教師にして欲しいが、諸事情により自身は過去問を一切取り組まなかったが第一志望の大学に合格している。そういう意味では過去問は必須でないかもしれないが、絶対に取り組んだ方がよいと今は思っている。

 

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