媒介変数表示と微分

媒介変数表示された関数の導関数について見ていきます。

 

・媒介変数表示と導関数
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x=3t^2+1 \\ y=3t^3-t \end{array} \right. \end{eqnarray}\)・・・①

のように、\(x,y\)が媒介変数\(t\)によって表されている場合の導関数\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) について考えます。

①では \(t\) を1つ決めれば、\(x,y\) が1つ決まるので、\(x,y\)はそれぞれ\(t\)の関数になっています。しかし、例えば\(x\)を \(x=4\) と決めると、それに対応する\(t\)は \(t=±1\) の2通りの場合があり、1:1対応の関係にはなっていません。しかし、\(t\)を制限して \(t≧0\) と範囲を絞ることで、\(t=1\) の1通りに対応させることできます。つまり \(x=3t^2+1\) の逆関数が存在し、\(t=(xの式)\) の形にできることになります。

実際 \(x=3t^2+1\) (\(t≧0\)) のとき

\(t^2=\displaystyle\frac{x-1}{3}\) であり
\(t=\sqrt{\displaystyle\frac{x-1}{3}}\)

と求めることが可能です。さらにこれを \(y=3t^3-t\) に代入することで\(t\)を消去することができて、式は複雑になりますが

\(y=3\left(\sqrt{\displaystyle\frac{x-1}{3}}\right)^3-\sqrt{\displaystyle\frac{x-1}{3}}\)

と、\(y\)が\(x\)の関数であることを確認できます。(さらに\(x\)で微分もできる)

ただしこの例では\(t\)を消去できましたが、消去が困難な場合もたくさんあり、そこで威力を発揮するのが、媒介変数のまま導関数を表す方法です。

今までの話を一般化すると、\(x,y\)が\(t\)の関数で表されている、つまり
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x=f(t) \\ y=g(t) \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
と表されているとき、\(t\)の範囲を制限することで、\(t\)を\(x\)の関数として表すことができるとします。このとき、\(t=φ(x)\) とすると、\(y=g(t)\) に代入することで、\(y=g(φ(x))\) となり、\(y\)は\(x\)の関数であることが分かります。

そして、\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) を合成関数の微分逆関数の微分を利用して求めると、\(f(t),g(t)\) がいずれも(\(t\)で)微分可能であるとき

\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{dy}{dt}\cdot\displaystyle\frac{dt}{dx}=\displaystyle\frac{dy}{dt}\cdot\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{dx}{dt}}\)

となるので、

\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{dy}{dt}}{\displaystyle\frac{dx}{dt}}=\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\)・・・② (\(f'(t)=0\) となる \(t\)は除く)

となります。(\(x,y\)をそれぞれ\(t\)で微分して、分数にするだけでよい)

さらに、第2次導関数 \(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}\) についても②と合成関数・逆関数の微分を利用することで、(\(f(t),g(t)\) がいずれも(\(t\)で)2回微分可能であるとき)

\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}=\displaystyle\frac{d}{dx}\left(\displaystyle\frac{dy}{dx}\right)=\displaystyle\frac{d}{dx}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\)

(\(t\)の微分で仲介して)

\(=\displaystyle\frac{d}{dt}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\cdot\displaystyle\frac{dt}{dx}\)

\(=\displaystyle\frac{d}{dt}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\cdot\displaystyle\frac{1}{f'(t)}\)

と求めることができます。さらに商の微分を利用するともう少し式変形ができますが、これについては例題で扱いたいと思います。第2次導関数については暗記するのではなく、導けるようにしたほうがよいです。

 

 

 

 

(例題1)
\(x\)の関数\(y\)が媒介変数\(θ\)を用いて
\(x=1-\cosθ\)、 \(y=θ-\sinθ\)
と表されている。\(\sinθ≠0\) のとき

(1)\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) と \(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}\) をそれぞれ\(θ\)で表せ。

(2)\(\tan\displaystyle\frac{θ}{2}=2\) のとき、\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) と \(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}\) の値をそれぞれ求めよ。

 

(解答)
(1)

\(θ\)消去は困難です。媒介変数のまま微分します。
\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) を形式的に\(dt\)で分母分子で割って
\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{dy}{dt}}{\displaystyle\frac{dx}{dt}}\)
になると覚えると忘れにくいと思います。

\(x=1-\cosθ\)、 \(y=θ-\sinθ\) より

\(\displaystyle\frac{dx}{dθ}=\sinθ\)、 \(\displaystyle\frac{dy}{dθ}=1-\cosθ\)

よって、
\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{1-\cosθ}{\sinθ}\)

また、
\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}\)\(=\displaystyle\frac{d}{dx}\left(\displaystyle\frac{dy}{dx}\right)=\displaystyle\frac{d}{dθ}\left(\displaystyle\frac{dy}{dx}\right)\cdot\displaystyle\frac{dθ}{dx}\)

\(=\displaystyle\frac{d}{dθ}\left(\displaystyle\frac{1-\cosθ}{\sinθ}\right)\cdot\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{dx}{dθ}}\)

\(=\displaystyle\frac{\sinθ\sinθ-(1-\cosθ)\cosθ}{\sin^2θ}\cdot\displaystyle\frac{1}{\sinθ}\)

\(=\displaystyle\frac{\sin^2θ+\cos^2θ-\cosθ}{\sin^2θ}\cdot\displaystyle\frac{1}{\sinθ}\)

\(=\displaystyle\frac{1-\cosθ}{\sin^3θ}\)

 

(2)

\(\tan\displaystyle\frac{θ}{2}=2\) より、\(\sinθ,\cosθ\) のどちらの値も分かります。最終的に2乗の形になってルートをとらないように、うまく変形します。(例えば、\(\cosθ\)を求めたあと、\(\sin^2θ=1-\cos^2θ\) を使わないなど)

\(1+\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}=\displaystyle\frac{1}{\cos^2\displaystyle\frac{θ}{2}}\) より

\(\cos^2\displaystyle\frac{θ}{2}=\displaystyle\frac{1}{1+\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}}\)

よって
\(\color{blue}{\cosθ}=2\cos^2\displaystyle\frac{θ}{2}-1=\displaystyle\frac{2}{1+\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}}-1\)

\(=\displaystyle\frac{1-\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}}{1+\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}}=-\displaystyle\frac{3}{5}\) (\(\tan\displaystyle\frac{θ}{2}=2\) より)

また
\(\color{blue}{\sinθ}=2\sin\displaystyle\frac{θ}{2}\cos\displaystyle\frac{θ}{2}=2\cdot\displaystyle\frac{\sin\displaystyle\frac{θ}{2}}{\cos\displaystyle\frac{θ}{2}}\cdot\cos^2\displaystyle\frac{θ}{2}\)

\(=2\tan\displaystyle\frac{θ}{2}\cdot\displaystyle\frac{1}{1+\tan^2\displaystyle\frac{θ}{2}}=\displaystyle\frac{4}{5}\)

よって(1)より
\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{1-\cosθ}{\sinθ}\) だから

\(\displaystyle\frac{dy}{dx}\)\(=\displaystyle\frac{1+\displaystyle\frac{3}{5}}{\displaystyle\frac{4}{5}}=\)\(2\)

また
\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}=\displaystyle\frac{1-\cosθ}{\sin^3θ}\) だから

\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}\)\(=\displaystyle\frac{1+\displaystyle\frac{3}{5}}{(\displaystyle\frac{4}{5})^3}=\)\(\displaystyle\frac{25}{8}\)

 

 

 

(例題2)
\(x\)の関数\(y\)が媒介変数\(t\)により、\(x=f(t)\)、\(y=g(t)\) で表されている。\(f(t),g(t)\)がそれぞれ2回微分可能なとき、
\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}=\displaystyle\frac{f'(t)g^{\prime\prime}(t)-f^{\prime\prime}(t)g'(t)}{\{f'(t)\}^3}\) (ただし、\(f'(t)≠0\))

であることを示せ。

 

(解答)
\(\displaystyle\frac{dy}{dx}=\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\) より

\(\displaystyle\frac{d^2y}{dx^2}=\displaystyle\frac{d}{dx}\left(\displaystyle\frac{dy}{dx}\right)=\displaystyle\frac{d}{dx}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\)

\(=\displaystyle\frac{d}{dt}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\cdot\displaystyle\frac{dt}{dx}\)

\(=\displaystyle\frac{d}{dt}\left(\displaystyle\frac{g'(t)}{f'(t)}\right)\cdot\displaystyle\frac{1}{\displaystyle\frac{dx}{dt}}\)

\(=\displaystyle\frac{g^{\prime\prime}(t)f'(t)-g'(t)f^{\prime\prime}(t)}{\{f'(t)\}^2}\cdot\displaystyle\frac{1}{f'(t)}\)

\(=\displaystyle\frac{f'(t)g^{\prime\prime}(t)-f^{\prime\prime}(t)g'(t)}{\{f'(t)\}^3}\)

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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