数列の極限と複素数

複素数を利用したある点の位置の極限に関する例題です。

 

(例題)
平面上ではじめに座標の原点にあった動点\(P\)が、\(x\)軸の正方向に\(1\)だけ進む。次に進行方向に向かって左へ\(\displaystyle\frac{π}{6}\)だけ向きを変えて、\(\displaystyle\frac{1}{2}\) だけ進む。次に進行方向を左へさらに\(\displaystyle\frac{π}{6}\)変えて、\(\displaystyle\frac{1}{4}\)だけ進む。以下同じように、進行方向を左へ\(\displaystyle\frac{π}{6}\)ずつ変え、進む距離を前回の半分にしていくとき、動点\(P\)の極限の位置を求めよ。

 

回転とベクトルの性質をあわせもつ複素数を利用するとスッキリ解くことができます。
複素数の数列の極限(和の極限)になりますが、通常の数列の極限と大まかには同じです。

(解答)

複素数 極限

原点を\(P_0(z_0)\)、向きを変える点を \(P_1(z_1),P_2(z_2),\cdots,P_n(z_n)\) とおく。
題意より \(\overrightarrow{P_{n-1}P_{n}}\) を\(\displaystyle\frac{π}{6}\) 回転し、\(\displaystyle\frac{1}{2}\) 倍すると、\(\overrightarrow{P_{n}P_{n+1}}\) なる。

そこで
\(α=\displaystyle\frac{1}{2}(\cos\displaystyle\frac{π}{6}+i\sin\displaystyle\frac{π}{6})\)
とおいて
\(\overrightarrow{OP_{n}}=\overrightarrow{OP_1}+\overrightarrow{P_1P_2}+\overrightarrow{P_2P_3}+\cdots+\overrightarrow{P_{n-1}P_n}\)
を複素数で表すと
\(z_n=1+α+α^2+\cdots+α^{n-1}\)

\(=\displaystyle\frac{1-α^n}{1-α}\)

あとは \(n \to \infty\) とするだけですが、
\(α^n=\displaystyle\frac{1}{2^n}(\cos\displaystyle\frac{nπ}{6}+i\sin\displaystyle\frac{nπ}{6})\)
より、三角関数の部分は大きさ1のままぐるぐる回転するだけなので、\(\displaystyle\frac{1}{2^n} \to 0\) より、\(α^n \to 0\) となります。

ここで
\(α^n=\displaystyle\frac{1}{2^n}(\cos\displaystyle\frac{nπ}{6}+i\sin\displaystyle\frac{nπ}{6})\)
だから
\(|α^n|=\displaystyle\frac{1}{2^n}\)
\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}|α^n|=0\) となるので
\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}α^n=0\)

よって
\(\displaystyle\lim_{n \to \infty}z_n=\displaystyle\frac{1}{1-α}\)

\(=\displaystyle\frac{1}{1-\displaystyle\frac{1}{2}(\displaystyle\frac{\sqrt{3}}{2}+\displaystyle\frac{1}{2}i)}\)

(分母分子4倍)

\(=\displaystyle\frac{4}{(4-\sqrt{3})-i}\)

(分母の実数化)

\(=\displaystyle\frac{4(4-\sqrt{3}+i)}{(4-\sqrt{3})^2+1}\)

\(=\displaystyle\frac{(4-\sqrt{3})+i}{5-2\sqrt{3}}\)

(有理化)

\(=\displaystyle\frac{\{(4-\sqrt{3})+i\}(5+2\sqrt{3})}{25-12}\)

\(=\displaystyle\frac{14+3\sqrt{3}}{13}+\displaystyle\frac{5+2\sqrt{3}}{13}i\)

したがって点\(P\)の極限の位置は
座標 \((\displaystyle\frac{14+3\sqrt{3}}{13},\displaystyle\frac{5+2\sqrt{3}}{13})\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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