複素数平面と領域②(x+iy型)

\(x+yi\) とおく複素数平面の領域の例題です。

 

(例題)
\(0\)でない複素数\(z\)に対し
\(w=z^2-\displaystyle\frac{1}{z^2}\)
とおく。このとき、\(w\)の実部が正になるような\(z\)の範囲を複素数平面上に図示せよ。

 

\(\displaystyle\frac{1}{2}(w+\bar{w})\) が\(w\)の実部ですが、こうしてもどのみち最終的に\(z=x+yi\) とおくことになりそうなので、最初から \(z=x+yi\) とおいて進めていきます。

(解答)
\(z=x+yi\)  (\((x,y)≠(0,0)\)) とおく。

\(w=z^2-\displaystyle\frac{1}{z^2}\)

\(=(x+yi)^2-\displaystyle\frac{1}{(x+yi)^2}\)

\(=(x+yi)^2-\displaystyle\frac{(x-yi)^2}{(x+yi)^2(x-yi)^2}\)

\(=(x+yi)^2-\displaystyle\frac{(x-yi)^2}{(x^2+y^2)^2}\)

よって\(w\)の実部\(Re(w)\)は
\(Re(w)=(x^2-y^2)-\displaystyle\frac{x^2-y^2}{(x^2+y^2)^2}\)

\(=(x^2-y^2)\left\{1-\displaystyle\frac{1}{(x^2+y^2)^2}\right\}\)

\(=(x^2-y^2)\cdot\displaystyle\frac{(x^2+y^2)^2-1}{x^2+y^2}\)

\(=\displaystyle\frac{(x^2-y^2)(x^2+y^2+1)(x^2+y^2-1)}{x^2+y^2}\)

(\(x^2+y^2>0,\ x^2+y^2+1>0\) より2つの積のみ着目すればよい)

\(Re(w)>0\) より
\((x^2-y^2)(x^2+y^2-1)>0\)
つまり
\((x-y)(x+y)(x^2+y^2-1)>0\)

3つの積になっていますが、左二つは直線で、一番右は円なのでこれらで場合分けします。

(ア)\(x^2+y^2-1>0\) のとき (円の外側のとき)
\((x-y)(x+y)>0\)
つまり
\(x-y>0\) かつ \(x+y>0\)・・・①
または
\(x-y<0\) かつ \(x+y<0\)・・・②

(イ)\(x^2+y^2-1<0\) のとき (円の内側のとき)
\((x-y)(x+y)<0\)
つまり
\(x-y<0\) かつ \(x+y>0\)・・・③
または
\(x-y>0\) かつ \(x+y<0\)・・・④

\(z\)の範囲は、(ア)(イ)を図示することにより次の通りになる。( \((x,y)=(0,0)\) を満たす)

複素数領域② 例題1

 

境界線を1個だけ越えると符号が変わるので、領域は1つとばしの模様になります。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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