2次方程式の作成②

引き続き2次方程式の作成に関する問題について見ていきます。

 

(例題)
2次方程式 \(x^2+5x+3=0\) の2つの解を\(α,β\)とする。
(1)\(α^2+4α+β\), \(β^2+4β+α\) を2つの解とする2次方程式で、\(x^2\)の係数が\(1\)となるものを求めよ。
(2)初めの2次方程式 \(x^2+5x+3=0\) の2つの解が \(α^2+pα+q\), \(β^2+pβ+q\) と表されるとき、定数\(p,q\)の値を求めよ。

 

 

解と係数の関係を使います。
また、\(α,β\)は\(x^2+5x+3=0\)の解なので、\(x\)に代入したときに方程式が成り立ちます。

(解答)
(1)
解と係数の関係から
\(α+β=-5\), \(αβ=3\)

また、\(α,β\)は\(x^2+5x+3=0\)の解なので
\(α^2+5α+3=0\), \(β^2+5β+3=0\) より
\(α^2=-5α-3\), \(β^2=-5β-3\)

よって、
\(α^2+4α+β=-α+β-3\)
\(β^2+4β+α=α-β-3\)  だから

和:\((α^2+4α+β)+(β^2+4β+α)\)\(=-6\)
積:\((α^2+4α+β)(β^2+4β+α)\)
\(=-(α-β+3)(α-β-3)\)
\(=-\{(α-β)^2-9\}\)
\(=-(α^2+β^2)+2αβ+9\)・・・(A)

ここで、\(α^2+β^2=(α+β)^2-2αβ=25-6=19\) より
(A)\(=-19+6+9=-4\)

よって求める2次方程式は
\(x^2+6x-4=0\)

 

(2)

条件より、\(α^2+pα+q\)・・・①, \(β^2+pβ+q\)・・・②がそれぞれ\(α,β\)です。
(ア)①が\(α\)②が\(β\)、(イ)①が\(β\)②が\(α\) の2通りの場合が考えられるので場合分けします。

(1)より \(α^2=-5α-3\), \(β^2=-5β-3\) だから

\(α^2+pα+q=-5α-3+pα+q\)\(=(p-5)α+q-3\)・・・①
\(β^2+pβ+q=-5β-3+pβ+q\)\(=(p-5)β+q-3\)・・・②

①②の一方が\(α\),もう一方が\(β\)なので

(ア)
\((p-5)α+q-3=α\)・・・③
\((p-5)β+q-3=β\)・・・④ のとき

\(α,β\)はもとの2次方程式の解なので分かっている数で、求めたいのは\(p,q\)です。③④は\(p,q\)の連立方程式なので\(p,q\)について解きます。

③-④で\(q\)を消去すると
\((p-5)(α-β)=α-β\)・・・⑤
ここで、\(x^2+5x+3=0\) の解は、\(x=\displaystyle\frac{-5±\sqrt{13}}{2}\) であり、\(α≠β\)
よって⑤の両辺を\(α-β\)で割ると
\(p-5=1\) ゆえに \(p=6\)

③に代入して
\(α+q-3=α\) ゆえに \(q=3\)

(イ)
\((p-5)α+q-3=β\)・・・⑥
\((p-5)β+q-3=α\)・・・⑦ のときも同様に

⑥-⑦より
\((p-5)(α-β)=β-α\)
\(α≠β\) だから
\(p-5=-1\) よって\(p=4\)

⑥に代入して \(-α+q-3=β\)
ゆえに、\(q\)\(=3+(α+β)=3-5=\)\(-2\)

以上から
\(p=6\) , \(q=3\)  または  \(p=4\) , \(q=-2\)

 

 

①②が\(x^2+5x+3=0\)の2解なので解と係数の関係から
\(\{(p-5)α+q-3\}+\{(p-5)β+q-3\}=-5\)
\(\{(p-5)α+q-3\}\{(p-5)β+q-3\}=3\)
から\(p,q\)を求めることもできますがやや計算が大変です。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

next→2解の条件と2次方程式 back→2次方程式の作成①

タイトルとURLをコピーしました