2次方程式の2解の条件から、方程式の係数を決定する問題について見ていきます。
(例題1)
(1)2次方程式 \(x^2+2mx+15=0\) の2つの解の差が\(2\)であるとき、定数\(m\)の値と方程式の解を求めよ。
(2)方程式 \(x^2-2x+k=0\) の1つの解が他の解の平方であるとき、定数\(k\)の値と方程式の解を求めよ。
(3)方程式 \(6x^2-kx+k-4=0\) の2つの解の比が \(3:2\)であるとき、定数\(k\)の値を求めよ。
(解答)
(1)
2解の差が\(2\)であるから、2解を\(α,α+2\)と表せる。
解と係数の関係から
\(α+(α+2)=-2m\)・・・①
\(α(α+2)=15\)・・・②
②から\(α^2+2α-15=0\) \((α+5)(α-3)=0\) より
\(α=-5,3\)
\(α=-5\) のとき ①より \(m=4\)で、このときもう一方の解は \(α+2=-3\)
\(α=3\) のとき ①より \(m=-4\)で、もう一方の解は \(α+2=5\)
以上から
\(m=4\) のとき 解 \(x=-5,-3\), \(m=-4\)のとき 解 \(x=3,5\)
(2)
2解は \(α,α^2\) と表せる。
解と係数の関係から
\(α+α^2=2\)・・・③
\(α・α^2=k\)・・・④
③から \(α^2+α-2=0\) \((α+2)(α-1)=0\) より
\(α=-2,1\)
④より \(α=-2\) のとき \(k=-8\)で、このときもう一方の解は \(α^2=4\)
\(α=1\)のとき \(k=1\)で、もう一方の解は\(α^2=1\)
答え \(k=-8\) のとき 解 \(x=-2,4\) ,\(k=1\)のとき 解 \(x=1\)
(3)
条件より2解は \(3a,2a\) (\(a≠0\))とおける。
解と係数の関係から
\(3a+2a=\displaystyle\frac{k}{6}\)・・・⑤
\(3a・2a=\displaystyle\frac{k-4}{6}\)・・・⑥
⑤より \(k=30a\)・・・⑦ ⑥に代入して
\(6a^2=\displaystyle\frac{30a-4}{6}\)
整理すると
\(18a^2-15a+2=0\)
\((6a-1)(3a-2)=0\)
\(a=\displaystyle\frac{1}{6},\displaystyle\frac{2}{3}\)
⑦より\(k=5,20\)
(例題2)
\(a<b\)とする。2次方程式 \(x^2+2ax+b=0\)・・・① の2つの解の差が\(2\)で、2次方程式 \(x^2+2bx+a=0\)・・・② の2つの解の差も\(2\)である。このとき\(a,b\)の値を求めよ。
(解答)
①の2解を\(α,α+2\), ②の2解を\(β,β+2\)とおく。
解と係数の関係から
\(α+α+2=-2a\)・・・③
\(α(α+2)=b\)・・・・④
\(β+β+2=-2b\)・・・⑤
\(β(β+2)=a\)・・・⑥
③⑤から \(α=-a-1\),\(β=-b-1\)を④⑥に代入して \(α,β\)を消去します。
③より \(α=-a-1\)
⑤より \(β=-b-1\)
それぞれ④⑥に代入して整理すると
\(a^2-b-1=0\)・・・⑦
\(b^2-a-1=0\)・・・⑧
⑦-⑧より
\((a-b)(a+b)+(a-b)=0\)
\((a-b)(a+b+1)=0\)
\(a<b\)より、\(a-b≠0\) だから
\(a+b+1=0\)
\(b=-a-1\)・・・⑨ を⑦に代入すると
\(a^2+a=0\) \(a(a+1)=0\) より \(a=0,-1\)
\(a=0\)のとき、⑨より \(b=-1\) となり \(a<b\)を満たさないため不適。
\(a=-1\)のとき ⑨より \(b=0\)となり、\(a<b\)を満たす。
以上から
\(a=-1\), \(b=0\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。