2次・3次方程式と解のn乗

2次方程式の解\(α,β\)、3次方程式の解\(α,β,γ\)における、\(α^n+β^n\), \(α^n+β^n+γ^n\) の値を求める問題について見ていきます。

 

(例題1)
2次方程式 \(x^2-x+8=0\) の2つの解を\(α,β\)とするとき、次の式の値を求めよ。
(1)\(α^4+β^4\)
(2)\(α^7+β^7\)
(3)\(α^4-15β\)

 

(解答)
(1)

解と係数の関係から、\(α+β\), \(αβ\) の値を出しておきます。
\(α^4+β^4\)を作り出すために、
\((α^2+β^2)^2=α^4+β^4+2α^2β^2\)
という等式を考えます。

解と係数の関係から
\(α+β=1\), \(αβ=8\)

\((α^2+β^2)^2=α^4+β^4+2α^2β^2\) より
\(α^4+β^4=(α^2+β^2)^2-2(αβ)^2\)

ここで
\(α^2+β^2=(α+β)^2-2αβ\)\(=1-8・2=-15\) だから

\(α^4+β^4=(-15)^2-2・8^2\)\(=225-128\)\(=\)\(97\)

 

(2)

\(α^7+β^7\)をつくるために、\((α^3+β^3)(α^4+β^4)\) を考えると
\((α^3+β^3)(α^4+β^4)\)\(=α^7+β^7\)\(+α^3β^3(α+β)\)
となるので、あとは\(α^3+β^3\) を求めればよいことになります。

\(α^7+β^7\)
\(=(α^3+β^3)(α^4+β^4)\)\(-α^3β^3(α+β)\) が成り立ち

\(α^3+β^3\)
\(=(α+β)^3-3αβ(α+β)\)
\(=1^3-3・8・1\)
\(=-23\) だから (1)とあわせて

\(α^7+β^7\)
\(=-23・97-8^3・1\)
\(=-2231-512\)
\(=\)\(-2743\)

 

(3)

(1)(2)は対称式だったので対称式で表すことができましたが、(3)は対称式ではありません。そこで、\(α^4-15β\)を簡単な式するために、\(α^4\)の次数を下げることを考えます。\(α\)は方程式の解なので、当然 \(α^2-α+8=0\) が成り立つことから、\(α^2=α-8\)。これは2乗の式を1乗の式に変換する等式なので、これを用いることでどんどん\(α\)の次数を下げることができます。

\(α\)は方程式の解なので
\(α^2-α+8=0\) より
\(α^2=α-8\)

よって
\(α^4\)
\(=α^2・α^2\)
\(=(α-8)(α-8)\)
\(=α^2-16α+64\)
\(=(α-8)-16α+64\)
\(=-15α+56\)

したがって
\(α^4-15β\)
\(=-15(α+β)+56\)
\(=-15・1+56\)
\(=\)\(41\)

 

 

※(1)(2)について漸化式を使った別解を紹介します。
\(x^2-x+8=0\) の2解が\(α,β\)なので
\(α^2-α+8=0\), \(β^2-β+8=0\) より

\(α^2=α-8\)・・・①
\(β^2=β-8\)・・・②

①×\(α^n\)、②×\(β^n\) (\(n\)は自然数)より
\(α^{n+2}=α^{n+1}-8α^n\)・・・③
\(β^{n+2}=β^{n+1}-8β^n\)・・・④

③+④より
\(α^{n+2}+β^{n+2}=(α^{n+1}+β^{n+1})\)\(-8(α^n+β^n)\)・・・⑤

また解と係数の関係から
\(α+β=1\)
①+②より
\(α^2+β^2\)\(=α+β-16\)\(=-15\)

⑤は\(α^{n+2}+β^{n+2}\)を、次数の1つ低い\(α^{n+1}+β^{n+1}\)と次数の2つ低い\(α^n+β^n\)で表した式となっています。これを用いると⑤に
\(n=1\)を代入して \(α^3+β^3\)が求まり
\(n=2\)を代入して \(α^4+β^4\)が求まり
\(n=3\)を代入して・・・
と順番に機械的に値を求めることができます。
\(α^n+β^n=s_n\) とおくと⑤は

\(s_{n+2}=s_{n+1}-8s_n\) (\(s_1=1\), \(s_2=-15\))

\(s_3=s_2-8s_1=-15-8=-23\)
\(s_4=s_3-8s_2=-23-8・(-15)=\)\(97\)\((=α^4+β^4)\)
\(s_5=s_4-8s_3=97-8・(-23)=281\)
\(s_6=s_5-8s_4=281-8・97=-495\)
\(s_7=s_6-8s_5=-495-8・281=\)\(-2743\)\((=α^7+β^7)\)

 

 

(例題2)
3次方程式 \(x^3-3x+5=0\) の3つの解を \(α,β,γ\) とするとき次の式の値を求めよ。
(1)\(α^3+β^3+γ^3\)
(2)\(α^5+β^5+γ^5\)

 

 

(解答)
(1)

\(α,β,γ\)は解なので、\(x^3-3x+5=0\) に\(α,β,γ\)を代入した式は成り立ちます。

\(x^3-3x+5=0\) の3解が \(α,β,γ\) だから
\(α^3-3α+5=0\), \(β^3-3β+5=0\), \(γ^3-3γ+5=0\) より

\(α^3=3α-5\)・・・①
\(β^3=3β-5\)・・・②
\(γ^3=3γ-5\)・・・③

①+②+③より
\(α^3+β^3+γ^3\)
\(=3(α+β+γ)-15\)
\(=\)\(-15\) (解と係数の関係から \(α+β+γ=0\)より)

 

(2)

①より\(α^3\)を\(α\)の式で表せるので、\(α^5\)の次数を下げると
\(α^5=α^2・α^3=α^2(3α-5)\)\(=3α^3-5α^2\)
\(β,γ\)も②③より同様だから
\(α^5+β^5+γ^5\)
\(=3(α^3+β^3+γ^3)-5(α^2+β^2+γ^2)\)
となるので、あとは\(α^2+β^2+γ^2\)を求めるだけです。

①より
\(α^5=α^2・α^3=α^2(3α-5)\)\(=3α^3-5α^2\)
②③より\(β,γ\)についても同様に
\(β^5=3β^3-5β^2\)
\(γ^5=3γ^3-5γ^2\)

よって
\(α^5+β^5+γ^5\)
\(=3(α^3+β^3+γ^3)-5(α^2+β^2+γ^2)\)

ここで
\(α^2+β^2+γ^2\)
\(=(α+β+γ)^2-2(αβ+βγ+γα)\) であり

解と係数の関係から
\(α+β+γ=0\), \(αβ+βγ+γα=-3\) だから
\(α^2+β^2+γ^2\)\(=6\)

したがって
\(α^5+β^5+γ^5\)
\(=3・(-15)-5・6\)
\(=\)\(-75\)

 

※漸化式を使った解法だと
\(α^3=3α-5\)・・・①
\(β^3=3β-5\)・・・②
\(γ^3=3γ-5\)・・・③

①×\(α^n\) ②×\(β^n\) ③×\(γ^n\) (\(n\)は\(0\)以上の整数) より

\(α^{n+3}=3α^{n+1}-5α^n\)・・・④
\(β^{n+3}=3β^{n+1}-5β^n\)・・・⑤
\(γ^{n+3}=3γ^{n+1}-5γ^n\)・・・⑥

④+⑤+⑥より
\(α^{n+3}+β^{n+3}+γ^{n+3}\)\(=3(α^{n+1}+β^{n+1}+γ^{n+1})\)\(-5(α^n+β^n+γ^n)\)・・・⑦

また解と係数の関係から
\(α+β+γ=0\),  \(αβ+βγ+γα=-3\) より
\(α^2+β^2+γ^2\)\(=(α+β+γ)-2(αβ+βγ+γα)\)\(=6\)

⑦に\(n=0\)を代入して
\(α^3+β^3+γ^3\)\(=3(α+β+γ)-5(1+1+1)\)\(=-15\)

\(α^n+β^n+γ^n=s_n\) とおくと⑦は
\(s_{n+3}=3s_{n+1}-5s_n\) (\(s_1=0\), \(s_2=6\),\(s_3=-15\))

\(n=1\)のとき \(s_4=3s_2-5s_1=3・6-5・0=18\)
\(n=2\)のとき \(s_5=3s_3-5s_2=3・(-15)-5・6=\)\(-75\)

したがって
\(s_5=α^5+β^5+γ^5=\)\(-75\)

 

 

漸化式のほうも次数を下げている解法なので、どちらの解法もやってることはほとんど同じです。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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