高次方程式②

因数分解がしやすいものなどを除いて、一般に高次方程式を解くことは難しいので、誘導付きで出題されることがあります。

 

(例題1)
3次方程式 \(27x^3-135x^2+144x-44=0\)・・・①について以下の問に答えよ。
(1)上式の\(x\)を\(t=x-□\)で変換すると、3次方程式は \(t^3-□t-□=0\) と変形される。
(2)もとの方程式①の解は \(x_1=□\),\(x_2=□\),\(x_3=□\)となる。ただし\(x_1≦x_2≦x_3\) とする。

 

 

(解答)
(1)

求める\(t\)の3次方程式の「\(t^2\)の項がない」ことに着目します。

\(t=x-k\) とすると \(x=t+k\) ①より
\(27(t+k)^3-135(t+k)^2+144(t+k)-44=0\)・・・②

②の\(t^2\)の係数は \(27・3k-135\) であるから
\(27・3k-135=0\)
\(k=\displaystyle\frac{5}{3}\)

このとき②より
\(t^3\)の係数:\(27\)
\(t\)の係数:\(27・3k^2-135・2k+144\)\(=225-450+144\)\(=-81\)
定数項:\(27k^3-135k^2+144k-44\)\(=125-375+240-44\)\(=-54\)

よって求める\(t\)の方程式は
\(27t^3-81t-54=0\)
\(t^3-3t-2=0\)

 

(2)

(1)で求めた \(t^3-3t-2=0\)は簡単に解けます。
あとは \(x=t+k=t+\displaystyle\frac{5}{3}\) から、\(x\)に戻すだけです。

(1)より
\(t^3-3t-2=0\) \(t=-1\)は解となるので、左辺は\(t+1\)を因数にもつ。
\((t+1)(t^2-t-2)=0\)
\((t+1)(t-2)(t+1)=0\)
\((t+1)^2(t-2)=0\)

よって \(t=-1\) (重解) \(,2\) であり、\(x=t+\displaystyle\frac{5}{3}\) より
もとの方程式①の解は
\(x=\displaystyle\frac{2}{3}\)(重解)\(,\displaystyle\frac{11}{3}\)

したがって
\(x_1=x_2=\displaystyle\frac{2}{3}\), \(x_3=\displaystyle\frac{11}{3}\)

 

 

(例題2)
(1)\(x^4+4x^3+5x^2+2x-6\)\(=(x^2+px)^2+q(x^2+px)+r\)
が\(x\)についての恒等式になるような、\(p,q,r\)の値を求めよ。
(2)\(x^4+4x^3+5x^2+2x-6\)\(=0\) の解をすべて求めよ。

 

 

(解答)
(1)

展開して係数比較します。

\(x^4+4x^3+5x^2+2x-6\)
\(=x^4+2px^3+(p^2+q)x^2+pqx+r\)

係数を比較すると
\(4=2p\)・・・① \(5=p^2+q\)・・・②
\(2=pq\)・・・③ \(-6=r\)・・・④

①より\(p=2\), ②より\(q=1\) またこれらは③を満たす
④より\(r=-6\)

答 \(p=2\), \(q=1\), \(r=-6\)

 

(2)
方程式 \(x^4+4x^3+5x^2+2x-6=0\) について
(1)より
\((x^2+2x)^2+(x^2+2x)-6=0\)

ここで、\(x^2+2x=X\) とおくと
\(X^2+X-6=0\)
\((X+3)(X-2)=0\)
\((x^2+2x+3)(x^2+2x-2)=0\)

\(x^2+2x+3=0\), \(x^2+2x-2=0\) を解いて
\(x=-1±\sqrt{2}i\),\(-1±\sqrt{3}\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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