因数分解⑤ 複2次式

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\(x^2\)の2次式で表される式を、\(x\) の複2次式と呼びます。

(例)\(2x^4+3x^2+1=2(x^2)^2+3(x^2)+1\)

 

複2次式の因数分解は2パターンあります。1つ目は因数分解②で紹介した置き換えの方法、2つ目は平方の差を利用する方法です。平方の差の利用はやや強引な方法なので意識していないと気付きにくいです。

 

(問題)次の式を因数分解せよ。

(1)\(x^4+x^2-2\)
(2)\(x^4+x^2+1\)

(1)(2)は見た目は似ていますが、解法は全然違います。
(※↓追記参照)

 

(1)は \(x^2=X\) と置き換えて2次式におとします。

\(x^4+x^2-2\)
\(=X^2+X-2\)
\(=(X+2)(X-1)\)
\(=(x^2+2)(x^2-1)\)
\(=(x^2+2)(x+1)(x-1)\)

 

(2)も同様に\(x^2=X\)と置き換える方法を採用すると、
\(X^2+X+1\)となりますが、有理数係数の範囲ではこれ以上因数分解できません。そこでどうするかというと、置き換えはあきらめて平方の差、\((整式)^2-(整式)^2\)という形に変形することを考えます。あとは、 \(a^2-b^2\) の因数分解と同様に解けばよいです。問題によっては平方の差が2通りできる場合がありますので、続けて因数分解ができる適切なほうを探してください。

\(x^4+x^2+1\)
\(=(x^4+x^2+1)+x^2-x^2\)←同じ\(x^2\)を足して引く
\(=(x^4+2x^2+1)-x^2\)
\(=(x^2+1)^2-(x)^2\)←平方の差の形
\(=(x^2+1+x)(x^2+1-x)\)
\(=(x^2+x+1)(x^2-x+1)\)

 

 

(追記)
(1)も平方の差の方針で解くことができます。
\(x^4+x^2-2\)
\(=(x^2+\displaystyle\frac{1}{2})^2-(\displaystyle\frac{3}{2})^2\)

\(=(x^2+2)(x^2-1)\)
\(=(x^2+1)(x+1)(x-1)\)

※(1)のように複2次式が \((x^2+p)(x^2+q)\)  (\(p,q\)は有理数)と因数分解できる場合も、
\((x^2+p)(x^2+q)\)\(=(x^2+α+β)(x^2+α-β)\)とおくと、
(ただし \(p=α+β,\)  \(q=α-β\))

\(α=\displaystyle\frac{p+q}{2}、\) \(β=\displaystyle\frac{p-q}{2}\) となり、\(α,β\) も有理数で

\((x^2+α+β)(x^2+α-β)=(x^2+α)^2-β^2\) と平方の差の形にすることができます。

 

 

 

以上です。お疲れ様でした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

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