じゃんけんと確率

 

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じゃんけんと確率について見ていきます。

 

 

(例題1)2人のじゃんけん
A,B 2人でじゃんけんを1回したとき、Aが勝つ、Aが負ける、あいこになる確率を求めよ。

 

全部の場合は、3×3 通りなので、書き出しても解けますが、人数が多くなったときの応用のために計算などで求めてみます。

(解答)
起こりうるすべての手の出し方は、\(3^2\) 通り。

このうちAが勝つときは、Aの手の出し方が、グー、チョキ、パーの3通り。
Bの手の出し方は、Aの出し方が決まれば1通りに決まる。
よってAが勝つ確率は、\(\displaystyle\frac{3}{3^2}=\)\(\displaystyle\frac{1}{3}\)

Aが負けるときは、Aの手の出し方が、グー、チョキ、パーの3通り。
Bの手の出し方は、Aの出し方が決まれば1通りに決まる。
よってAが負ける確率は、\(\displaystyle\frac{3}{3^2}=\)\(\displaystyle\frac{1}{3}\)

あいこになるときは、A,Bの手が同じになるときで、グー、チョキ、パーの3通り。
よってあいこになる確率は、\(\displaystyle\frac{3}{3^2}=\)\(\displaystyle\frac{1}{3}\)

 

\(3^2\) 通り全部書き出すと、(Aの手,Bの手)として
(Aが勝つ):(グ,チ),(チ,パ),(パ,グ)
(Aが負ける):(グ,パ),(チ,グ),(パ,チ)
(あいこになる):(グ,グ),(チ,チ),(パ,パ)

 

 

 

 

(例題2)3人のじゃんけん
3人でじゃんけんを1回するときただ1人の勝者が決まる確率を求めよ。

 

 

3人をA,B,Cとすると、Aのみが勝つ、Bのみが勝つ、Cのみが勝つ場合があります。まずAが勝つ場合を考えます。
(解答)
起こりうるすべての手の出し方は\(3^3\) 通り。
3人をA,B,Cとすると、
Aが勝つとき、Aの手の出し方はグー、チョキ、パーの3通り。
B,Cの手の出し方は同じで、Aの手によって1通りにきまる。
B,Cが勝つときも同様なので、求める確率は
\(\displaystyle\frac{3×3}{3^3}=\)\(\displaystyle\frac{1}{3}\)

 

 

(例題3)4人のじゃんけん
4人で1回じゃんけんを行うとき、次の確率を求めよ。
(1)1人だけが勝つ
(2)あいこになる

 

 

(解答)
(1)
(1)は例題2とほとんど一緒です。
起こりうるすべての手の出し方は\(3^4\) 通り。
4人のうち勝者を1人選ぶ方法は、\({}_4\mathrm{C}_1\) 通り。
勝者の手の出し方は、グー、チョキ、パーの3通りで、他の3人の手は勝者の手の出し方によって1通りに決まる。
よって、求める確率は
\(\displaystyle\frac{4×3}{3^4}=\)\(\displaystyle\frac{4}{27}\)

 

 

(2)
まず、直接あいこの確率を求めてみます。
3人以上のじゃんけんでは、全員が同じ手を出す場合以外に、全部の手が出る場合もあることに注意してください。
あいこになる場合は、次の場合が考えられる。
(ア)4人とも同じ手を出す場合
(イ)全部の手が出る場合

 

(ア)
4人の手の出し方は、グー、チョキ、パーの3通り。

(イ)
4人の手の出し方は、同じ手を出す人が2人のみいる場合で、4人の手の出し方は
{グ,グ,チ,パ},{グ,チ,チ,パ},{グ,チ,パ,パ}
の3通り。このうちの例えば{グ,グ,チ,パ}の場合を考えると
グーの手を出す人の選び方は \({}_4\mathrm{C}_2=6\) 通り。
チョキの手を出す人の選び方は \({}_2\mathrm{C}_1=2\) 通り。
パーの手を出す人の選び方は \({}_1\mathrm{C}_1=1\) 通り。
他の2通りの場合でも同様である。

 

以上から求める確率は
\(\displaystyle\frac{3+3×(6×2×1)}{3^4}=\)\(\displaystyle\frac{13}{27}\)

 

 

 

(別解)

補集合の考え方を利用します。
あいこになる(勝者が1人も決まらない)場合の数は、
①1人だけ勝つ ②2人だけ勝つ ③3人だけ勝つ
を考えると、全体の場合の数から①~③の場合の数を除いたものになります。
①は(1)で求めたので、②③を求めます。
(1)と同様に考えて、2人だけ勝つ、3人だけ勝つ場合の数はそれぞれ
\({}_4\mathrm{C}_2×3=18\), \({}_4\mathrm{C}_3×3=12\) 通り。
あいこになる場合の数は、すべての場合の数から1人だけ、2人だけ、3人だけ勝つ場合の数を除いたものになるから、求める確率は
\(\displaystyle\frac{3^4-(12+18+12)}{3^4}=\)\(\displaystyle\frac{13}{27}\)

 

 

ほとんど余事象の確率を求めているのと同じです。→(2-2)余事象の確率

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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