対等条件と確率

 

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条件が対等であること(対称性がある)に着目して、確率を求めることができる場合があります。

 

 

(例題1)

赤球6個と青球6個の中から6個を選ぶ。赤球が青球より多く選ばれる確率を求めよ。

 

 

(赤の個数,青の個数)=(6,0),(5,1),(4,2) と場合分けして、排反であることからこれらの確率の和を計算しても、もちろん答えがでます。
今回は、赤球と青球の条件が対等であることに着目して、全事象を
①赤の個数>青の個数 である事象
②赤の個数<青の個数 である事象
③赤の個数=青の個数 である事象
に分けて考えると、①~③は排反で、①と②の事象の要素の数が同じことから全体の確率1から③の確率を除いて2で割ると、求めたい確率①がでます。
そもそも①②の確率が違うとなると、どちらかの球が選ばれやすいことになるため、球の個数が同じなのにそれはおかしいことになります。
(解答)
起こりうるすべての場合は、\({}_{12}\mathrm{C}_6=924\) 通り。
このうち赤球と青球の個数が同じ場合は、どちらも3個選ばれるときで
\({}_{6}\mathrm{C}_3×{}_{6}\mathrm{C}_3=400\) 通り。
赤球より青球が多い場合と、青球より赤球が多い場合は同じだけあるので、それぞれの場合は全体から赤球と青球が等しい場合を除いた数の半分だけある。
よって、求める確率は
\((1-\displaystyle\frac{400}{924})×\displaystyle\frac{1}{2}\)
\(=\)\(\displaystyle\frac{131}{462}\)

 

 

(例題2)
\(0,1,2,3,4\) から異なる3個の数字を用いて3桁の整数\(abc\)をつくる。このとき \(b>c\) である確率を求めよ。

 

 

 

(解答)

この問題も条件が対等であることを利用してみます。
異なる3つの数字を用いるので、\(b≠c\) だから、
①\(b>c\) ②\(b<c\)
の場合しかありません。ここで条件に合うある数を \(apq\) (\(p>q\))とすると、これに対応して \(aqp\)という数も必ず作ることができるので、①と②の場合が同じだけあることになります。
異なる3つの数字を用いるので、\(b≠c\) だから、
①\(b>c\) ②\(b<c\) の場合があり、①②を満たす整数は同数だけある。
よって、求める確率は \(\displaystyle\frac{1}{2}\)

 

 

直接求めると、\(a\)は\(0\)以外の数なので、
(ア)\(c=0\) (イ)\(c≠0\) で場合分けしてみると

(ア)のときは、\(b\)は4通り、\(a\)は3通りで、\(4×3=12\) 通り
(イ)のときは、\(b,c\)は1~4から異なる2つを選ぶ組合せを考えて、小さいほうを\(c\)にすればよく、\(a\)は\(0\)と\(b,c\)で使った2個の数字以外の2通りだから、\({}_4\mathrm{C}_2×2=12\) 通り

作ることができる全部の数字の個数は、\(4×4×3=48\) 個だから
\(\displaystyle\frac{12+12}{48}=\displaystyle\frac{1}{2}\)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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