整式の除法と恒等式

整式の除法(割り算)に関する恒等式の問題を見ていきます。

 

(例題)
\(x\)の整式 \(x^4+ax^2+3x-2\) を \(x^2-2x+2\) で割ると、余りが\(9x-12\) になるように定数\(a\)の値を定め、そのときの商を求めよ。

 

 

商は2次式なので、割られる式の\(x^4\)の係数が1であることから、商を\(x^2+px+q\) とおいて、等式(恒等式)\(A=BQ+R\) から係数比較して求めてみます。
なお\(BQ\)を少し頭の中で展開すればわかりますが、割られる式の\(x^3\)の項がないことから、\(p=2\)といきなりおいても構いません。

(解答)
商を\(x^2+px+q\) とおけるので
\(x^4+ax^2+3x-2\)\(=(x^2-2x+2)(x^2+px+q)\)\(+9x-12\)・・・(1)

右辺を展開して整理すると
(右辺)\(=\)\(x^4+(p-2)x^3\)\(+(q-2p+2)x^2+\)\((2p-2q+9)x\)\(+2q-12\)

(1)は\(x\)の恒等式だから係数比較して
\(p-2=0\)・・・①
\(q-2p+2=a\)・・・②
\(2p-2q+9=3\)・・・③
\(2q-12=-2\)・・・④

①④より \(p=2\), \(q=5\) であり、これらは③を満たす。
また②より \(a=3\)

商は \(x^2+2x+5\) となる。

 

 

※筆算を使って実際に割ってみて解いてみると

恒等式 除法

\(x^4+ax^2+3x-2\)
\(=(x^2-2x+2)(x^2+2x+a+2)\)\(+(2a+3)x\)\(-(2a+6)\)

余りが \(9x-12\)なので
\(2a+3=9\)
\(-(2a+6)=-12\)
よって\(a=3\)

商は \(x^2+2x+5\)

 

整式の除法に関する問題は、因数定理や恒等式などを使いたくなりますが、実際に割ってみるという解法もバカにならないこともあります。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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