2次曲線の分類、回転移動

2次式で表される曲線の分類と2次曲線の回転移動について見ていきます。

 

・2次式で表される曲線の分類
\(x\)と\(y\)の2次の方程式で表される曲線は次のように分類されます。

(1)円
(2)楕円
(3)双曲線
(4)放物線
(5)直線
(6)点
(7)座標平面上には存在しない

(5)(6)(7)の例
(5)\((x+2y+1)(2x-y+2)=0\) や \((2x+3y-1)^2=0\) のように因数分解できる場合、直線(1直線、2直線)になる。

(6)\((x-1)^2+(y-2)^2=0\) は 点\((1,2)\) のみを表す。

(7)\(x^2+(y+1)^2+3=0\) は\(x,y\)が実数であるとき成り立たないので、座標平面上に存在しない。

また、標準形で表された放物線・楕円・双曲線を平行移動して得られる曲線の方程式は\(xy\)の項を含まない方程式になります。よってもし\(xy\)の項を含む2次の方程式が放物線・楕円・双曲線を表すならばそれは標準形で表された曲線を平行移動・回転移動して得られる曲線となります。

 

・2次曲線の回転移動
複素数を用いると、曲線を回転移動させることが可能です。

曲線 \(F(x,y)=0\)・・・① 上の点\(P(x,y)\)を原点まわりに\(θ\)だけ回転した点を\(Q(X,Y)\)とすると

\((x+yi)(\cosθ+i\sinθ)=X+Yi\)

より
\((x\cosθ-y\sinθ)+(x\sinθ+y\cosθ)i=X+Yi\)

両辺比較すると
\(x\cosθ-y\sinθ=X\)・・・②
\(x\sinθ+y\cosθ=Y\)・・・③

②③より\(x,y\)について解くと(\(x,y\)を変数とする連立方程式を解くと)
\(x=X\cosθ+Y\sinθ\)・・・④
\(y=-X\sinθ+Y\cosθ\)・・・⑤

④⑤を①に代入して変数を \(X \to x\)、\(Y \to y\) とすれば回転移動後の曲線の方程式が得られます。

すると\(xy\)の項を含む2次の方程式
\(ax^2+bxy+cx^2+dx+ey+f=0\)・・・⑥
がもし放物線・楕円・双曲線を表すならば、回転移動をさせて\(xy\)の項を消去し、平行移動も組み合わせることで標準形に変形することが可能になります。

計算を楽にするために、⑥を先に平行移動させて\(x,y\)の1次の項をどちらも消去すると(放物線の場合は消去できない。できるとすると最終的に\(x,y\)の2次の項のみになってしまい放物線にならないため)

\(Ax^2+Bxy+Cy^2=D\)・・・⑦

⑦に④⑤を代入すると、\(XY\)の係数は
\(A(2\cosθ\sinθ)+B(\cos^2θ-\sin^2θ)+C(-2\sinθ\cosθ)\)
\(=(A-C)\sin2θ+B\cos2θ\)・・・⑧

となり、⑧が\(0\)になるように\(θ\)を設定すれば\(XY\)の項を消去でき、⑦に④⑤を代入した式は1次の項が無いので、標準形にすることが可能になります。(\(θ\)が具体的に分からないときは、\(\sinθ,\cosθ\)の値で処理することになる)

以上が回転移動させて標準形に変形する一般的な手法になりますが、対称軸や2次曲線の中心などが簡単に分かる場合には、平行移動と回転移動を組み合わせて対称軸を座標軸に一致させるように考えてもよいです。この場合も④⑤の関係式を用います。

 

 

 

(例題)
曲線 \(xy=1\) は双曲線であることを示せ。
(\(\displaystyle\frac{x^2}{a^2}-\displaystyle\frac{y^2}{b^2}=±1\) が双曲線を表すことを利用してよい)

 

回転角\(θ\)をまず求めますが、\(xy=1\) は \(y=x\) について対称なので、これが対称軸であることが予想できるので、即座に \(θ=\displaystyle\frac{π}{4}\) (\(θ=-\displaystyle\frac{π}{4}\) でもよい) と判断もできます。

(解答)
\(xy=1\)・・・① 上の点 \(P(x,y)\) を原点まわりに\(θ\)だけ回転移動した点を \(Q(X,Y)\) とすると
\(x=X\cosθ+Y\sinθ\)・・・②
\(y=-X\sinθ+Y\cosθ\)・・・③
(導出は上記参照)

②③を①に代入して整理すると
\(\displaystyle\frac{1}{2}\sin2θ(-X^2+Y^2)+(\cos2θ) XY=1\)・・・④
\(\cos2θ=0\) を満たす \(θ\)の1つは \(θ=\displaystyle\frac{π}{4}\)
このとき④は
\(\displaystyle\frac{1}{2}(-X^2+Y^2)=1\)・・・⑤
となるので、①を原点まわりに\(\displaystyle\frac{π}{4}\) だけ回転移動させた曲線の方程式は、⑤の変数を\(x,y\)とすれば
\(\displaystyle\frac{x^2}{2}-\displaystyle\frac{y^2}{2}=-1\) (双曲線)
である。回転移動させても曲線の形状は変わらないので、\(xy=1\)は双曲線である。

2次曲線 回転

\(\displaystyle\frac{π}{4}\)回転だと、主軸が\(y\)軸の双曲線です。
\(-\displaystyle\frac{π}{4}\)回転だと、主軸が\(x\)軸の双曲線 \(\displaystyle\frac{x^2}{2}-\displaystyle\frac{y^2}{2}=1\) となります。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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