弦の中点の軌跡

2次曲線と直線の2交点の中点の軌跡を求める例題です。

 

(例題)
双曲線 \(\displaystyle\frac{x^2}{9}-\displaystyle\frac{y^2}{4}=1\) を\(H\)とし、\(H\)の \(x>0\) の部分を\(H_1\)、\(H\)の \(x<0\) の部分を\(H_2\)とする。また、\(l\)を点 \(P(2,0)\) を通る傾き\(m\)の直線とする。このとき、次の問いに答えよ。

(1)直線\(l\)が\(H\)と共有点を2個もつような\(m\)の範囲を求めよ。
(2)直線\(l\)が\(H_1\)と\(H_2\)の両方と共有点をもつような\(m\)の範囲を求めよ。
(3)直線\(l\)と\(H_1\)の共有点を\(P_1\)とし、\(l\)と\(H_2\)の共有点を\(P_2\)とする。このとき、線分\(P_1P_2\)の中点\(M\)は、ある2次曲線\(C\)の上を動く。\(C\)の方程式を求めよ。

 

(解答)
(1)

\(y=m(x-2)\) と連立させて、2次方程式の異なる2つの実数解をもつ条件に帰着させればよいです。

直線\(l\)の方程式は
\(y=m(x-2)\)・・・①
①を
\(\displaystyle\frac{x^2}{9}-\displaystyle\frac{y^2}{4}=1\)・・・②
に代入して
\(\displaystyle\frac{x^2}{9}-\displaystyle\frac{m^2(x-2)^2}{4}=1\)
整理すると
\((4-9m^2)x^2+36m^2x-36(m^2+1)=0\)・・・③

\(x\)の方程式③が異なる2つの実数解をもてばよい。
\(m=±\displaystyle\frac{2}{3}\) のときは③は2次方程式にならないので不適。
よって、\(m≠±\displaystyle\frac{2}{3}\) のとき
\(\displaystyle\frac{D}{4}=(18m^2)^2+36(4-9m^2)(m^2+1)\)
\(=36(-5m^2+4)\)
よって共有点を2つもつ条件は
\(-5m^2+4>0\) より \(m≠±\displaystyle\frac{2}{3}\) も合わせると

\(-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}<m<-\displaystyle\frac{2}{3}\)
\(-\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{3}\)
\(\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)

 

(2)

今度は双曲線の両側で交わる条件ですが、(1)の2次方程式で異符号の実数解をもつ条件を考えるだけです。もちろん(1)で求めた範囲の一部になります。

(1)の2次方程式
\((4-9m^2)x^2+36m^2x-36(m^2+1)=0\)・・・③
が異符号の実数解をもつ条件を求めればよい。\(m≠±\displaystyle\frac{2}{3}\) のとき解と係数の関係より、
\(\displaystyle\frac{-36(m^2+1)}{4-9m^2}<0\)
分子は負の値だから
\(4-9m^2>0\)
よって求める\(m\)の範囲は
\(-\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{3}\)

(参考)
双曲線の漸近線の傾きが \(±\displaystyle\frac{2}{3}\) であることに注意すると、グラフで考えると交点の個数の移り変わりが分かる。\(m=±\displaystyle\frac{2}{3}\) のときは交点1つ、\(m=±\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\) のときは接することになる。

2次曲線 弦1

 

(3)

軌跡の方程式を求めるだけなので十分性(除外する部分の確認)までは調べる必要はないかもしれませんが、せっかくなので丁寧にやってみます。
中点の\(x\)座標\(X\)は、(1)で求めた2次方程式の2解を\(α,β\)とすると、 \(X=\displaystyle\frac{α+β}{2}\) で表されるので、解と係数の関係を用いれば\(m\)で表すことが可能です。\(y\)座標\(Y\)については、\(m\)が消去しやすいように \(Y=m(X-2)\) にしておきます。

\((4-9m^2)x^2+36m^2x-36(m^2+1)=0\)・・・③

\(l\)が\(H_1,H_2\)で交わるとき(2)より
\(-\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{3}\)・・・④

③の異なる2つ実数解を\(α,β\)、2交点の中点の座標を\((X,Y)\)とおくと
\(X\)\(=\displaystyle\frac{α+β}{2}\)\(=-\displaystyle\frac{18m^2}{4-9m^2}\)・・・⑤
\(Y=m(X-2)\)・・・⑥

よって④⑤⑥を満たすような\(m\)が存在するような、\(X,Y\)の条件を求めればよい。
(⑥より\(m\)を消去するために、\(X-2≠0\) を調べます)
⑤で \(X=2\) とすると
\(2(4-9m^2)=-18m^2\)
\(8=0\) となるので、\(X≠2\)

ゆえに⑥より
\(m=\displaystyle\frac{Y}{X-2}\)
これを④⑤に代入すると

\(-\displaystyle\frac{2}{3}<\displaystyle\frac{Y}{X-2}<\displaystyle\frac{2}{3}\)
\(X\left\{4-9(\displaystyle\frac{Y}{X-2})^2\right\}=-18(\displaystyle\frac{Y}{X-2})^2\)・・・⑦

⑦を整理すると
\(4X(X-2)^2-9Y^2(X-2)=0\)
\(4X(X-2)-9Y^2=0\)
\(4(X-1)^2-9Y^2=4\)
\((X-1)^2-\displaystyle\frac{Y^2}{(\displaystyle\frac{2}{3})^2}=1\)
だから

(ア)\(X>2\) のとき
\(-\displaystyle\frac{2}{3}(X-2)<Y<\displaystyle\frac{2}{3}(X-2)\)
\((X-1)^2-\displaystyle\frac{Y^2}{(\displaystyle\frac{2}{3})^2}=1\)

(イ)\(X<2\) のとき
\(\displaystyle\frac{2}{3}(X-2)<Y<-\displaystyle\frac{2}{3}(X-2)\)・・・⑧
\((X-1)^2-\displaystyle\frac{Y^2}{(\displaystyle\frac{2}{3})^2}=1\)・・・⑨

2次曲線 弦2

双曲線⑨の漸近線が \(Y=±\displaystyle\frac{2}{3}(X-1)\) であることに注意すると
図示すると(ア)を満たす\((X,Y)\)は存在せず、また(イ)については⑨であるとき⑧は満たされるので
求める曲線の方程式は
\((x-1)^2-\displaystyle\frac{y^2}{(\displaystyle\frac{2}{3})^2}=1\)  \((x<2)\)

 

(参考)
双曲線⑨のどの部分を動くかは微分を利用しても調べることができます。
\(X=-\displaystyle\frac{18m^2}{4-9m^2}\)・・・⑤
\(Y=m(X-2)\)・・・⑥
より、⑤を⑥に代入すると、中点の軌跡は次の\(m\)による媒介変数表示で表すことができます。

\(X=-\displaystyle\frac{18m^2}{4-9m^2}\)、\(Y=-\displaystyle\frac{8m}{4-9m^2}\)
(\(-\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{3}\))

あとは\(m\)で微分して曲線の概形を調べれば双曲線⑨のどの部分を動くかが分かります。

または、\(m\)を \(-\displaystyle\frac{2}{3}<m<\displaystyle\frac{2}{3}\) で変化させたときの2交点の動きを座標平面上で考えても、双曲線⑨の左側だけを動くことの見当はつきます。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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