直交2接線の交点の軌跡

楕円の外部から引いた2本の直交する接線の交点の軌跡の例題です。

 

(例題)
楕円 \(\displaystyle\frac{x^2}{4}+y^2=1\) の外部の点\(P(X,Y)\)からひいた2本の接線が直交するような点\(P\)の軌跡を求めよ。

 

2次曲線の接線の方程式の立て方には
①接点を\((x_1,y_1)\)とおいて立てる
②\(y=mx+n\) とする
のパターンがありますが、今回は直交することにより傾きの積が\(-1\)であることを利用するので主役が\(m\)である②の方を使います。
ただし②では\(x\)軸に垂直な接線は表せないので、場合分けをします。

(解答)

直交2接線 1

\(\displaystyle\frac{x^2}{4}+y^2=1\)・・・①

(ア)\(X=±2\) のとき
接線は \(x=±2\) であり、これらに直交する接線は \(y=±1\)
よって4点 \((2,1),(2,-1),(-2,1),(-2,-1)\) は軌跡の一部になる。

(イ)\(X≠±2\) のとき
接線の方程式は傾きを\(m\)とすると
\(y=m(x-X)+Y\)・・・②
②を①に代入して
\(\displaystyle\frac{x^2}{4}+\{m(x-X)+Y\}^2=1\)
\(\displaystyle\frac{x^2}{4}+\{mx+(-mX+Y)\}^2=1\)
\(x\)について整理すると
\((4m^2+1)x^2+8m(-mX+Y)x+4(-mX+Y)^2-4=0\)
これが重解を持つから
\(\displaystyle\frac{D}{4}=0\)
\(16m^2(-mX+Y)^2-(4m^2+1)\cdot4\{(-mX+Y)^2-1\}=0\)
\(4m^2-(-mX+Y)^2+1=0\)
\(m\)について整理すると
\((4-X^2)m^2+2XYm+(1-Y^2)=0\)・・・③

\(X≠±2\) だから③の2つの解を\(m_1,m_2\)とすると解と係数の関係から
\(\displaystyle\frac{1-Y^2}{4-X^2}=m_1m_2\)
\(P\)からひいた2接線は直交するので、\(m_1m_2=-1\) より
\(\displaystyle\frac{1-Y^2}{4-X^2}=-1\)・・・④
(\(m_1m_2<0\) より\(m_1,m_2\)は異なる実数となる)

④より\(P\)の軌跡は
\(X^2+Y^2=5\)・・・⑤ (\(X≠±2\))

(ア)で求めた4点は⑤上にあり、⑤は楕円の外側にあるから求める軌跡は
円 \(x^2+y^2=5\)

 

一般に楕円の外部からひいた直交する2接線の交点の軌跡は解答のように円になります。
この円は準円とよばれます。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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