媒介変数表示された曲線の方程式を求める例題です。
(1)文字消去できるならば消去して\(x,y\)の方程式にする
(2)文字消去不可の場合は、そのまま微分などを利用する
が基本です。今回は(1)のケースで曲線が2次曲線になる場合を扱います。
(例題1)
\(t\)を実数とする。
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = t+\displaystyle\frac{1}{t} \\ y = t^2+\displaystyle\frac{1}{t^2} \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
で表される曲線の\(x,y\)についての方程式を求めよ。
例えば \(x=t^2\)、\(y=t^4\) の場合は、\(y=x^2\) となりますが、\(x=t^2≧0\) より定義域が \(x≧0\) となり制限がつきます。
(実数条件に気を付ける。この例だと、\(t\)が実数となるためには \(x≧0\) となる。また場合によっては微分などを利用する)
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = t+\displaystyle\frac{1}{t} ・・・①\\ y = t^2+\displaystyle\frac{1}{t^2}・・・② \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
①より
\(x^2=t^2+2+\displaystyle\frac{1}{t^2}\)
\(x^2-2=t^2+\displaystyle\frac{1}{t^2}\)
これを②に代入すると
\(y=x^2-2\)
また①より
\(xt=t^2+1\)
\(t^2-xt+1=0\) (\(t=0\) とはならない)
\(t\)が実数となるためには判別式より
\(x^2-4≧0\)
よって
\(x≦-2,\ x≧2\)
答 \(y=x^2-2\) (\(x≦-2,\ x≧2\))
(参考)
\(x=t+\displaystyle\frac{1}{t}\)・・・①
より\(x\)の範囲を求めるには、微分を利用してもよい。①を\(t\)で微分して
\(\displaystyle\frac{dx}{dt}=1-\displaystyle\frac{1}{t^2}\)\(=\displaystyle\frac{t^2-1}{t^2}\)
\(t=0\) 付近と 極値をとる \(t=±1\) に注意して増減を考えると
\(x≦-2,\ x≧2\) であることが分かる。
または相加相乗平均を用いてもよい。その場合は\(t\)の正負で場合分けする。\(t\)が負のときは\(-\)をつけることで正の値にして
\(x=-(-t-\displaystyle\frac{1}{t})≦-2\sqrt{(-t)\cdot(-\displaystyle\frac{1}{t})}=-2\)
よって
\(x≦-2\) となる。
(例題2)
\(0<s<4\) とする。
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = s+\displaystyle\frac{1}{s}+1 \\ y = \displaystyle\frac{1}{2}(s-\displaystyle\frac{1}{s})+2 \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
で表される曲線の\(x,y\)についての方程式を求めよ。
範囲は微分か(解答ではもう少し簡易的にやります)、2次方程式の解で処理します。
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = s+\displaystyle\frac{1}{s}+1・・・① \\ y = \displaystyle\frac{1}{2}(s-\displaystyle\frac{1}{s})+2・・・② \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
①②より
\(x-1=s+\displaystyle\frac{1}{s}\)・・・③
\(2(y-2)=s-\displaystyle\frac{1}{s}\)・・・④
③④を2乗して
\((x-1)^2=s^2+\displaystyle\frac{1}{s^2}+2\)・・・⑤
\(4(y-2)^2=s^2+\displaystyle\frac{1}{s^2}-2\)・・・⑥
(⑤-⑥)÷4 より
\(\displaystyle\frac{(x-1)^2}{4}-(y-2)^2=1\) (双曲線)
ここで
\(y = \displaystyle\frac{1}{2}(s-\displaystyle\frac{1}{s})+2\)・・・② (\(0<s<4\))
と、\(s-\displaystyle\frac{1}{s}\) の単調増加性により、\(y\)は単調増加。\(s: 0 \to 4\) とすると \(-\infty \to \displaystyle\frac{31}{8}\) と変化する。
また
\(x = s+\displaystyle\frac{1}{s}+1\) ・・・① (\(0<s<4\))
より、\(x>0\)。(これで左側の部分は除去される)
したがって\((x,y)\)は
\(\displaystyle\frac{(x-1)^2}{4}-(y-2)^2=1\)
の \(x>0\) かつ \(y<\displaystyle\frac{31}{8}\) の部分を動く。
(参考)
2次方程式の解の配置でも考えることができますが、少々面倒になります。
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = s+\displaystyle\frac{1}{s}+1・・・① \\ y = \displaystyle\frac{1}{2}(s-\displaystyle\frac{1}{s})+2・・・② \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
(\(0<s<4\))
①より
\(s^2+(1-x)s+1=0\)
\(0<s<4\) に解をもつとき
(i)異なる2つの実数解をもつ (ii)重解をもつ (iii)ただ1つの解をもつ
の場合がある。\(f(s)=s^2+(1-x)s+1\) とおいて
(i)軸、判別式、端点について検討して
\(3<x<\displaystyle\frac{21}{4}\)
(ii) (i)で\(D=0\)の場合になるから
\(x=3\)
(iii) \(f(0)=1>0\) より、\(f(4)<0\) と \(f(4)=0\) を検討して
\(x≧\displaystyle\frac{21}{4}\)
②より\(y\)は単調増加で異なる\(s\)で\(y\)が違うから、(i)では\(s\)が2つあるので\(y\)も2つ、(ii)(iii)では\(s\)が1つなので\(y\)も1つ。\(s=4\) のとき \((x,y)=(\displaystyle\frac{21}{4},\displaystyle\frac{31}{8})\) でありこの点はとらないので、\(x,y\)の連続性を考慮すると上図のような双曲線の一部であると判断できます。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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