極座標の定義と直交座標との関係性について見ていきます。
・極座標
座標平面上の点\(P\)は、原点\(O\)からの距離\(r\)と\(x\)軸の正の部分となす角\(θ\)によって定めることが可能です。つまり
\(\left(\begin{array}{c} x \\ y \\ \end{array} \right)=r\left(\begin{array}{c} \cosθ \\ \sinθ \\ \end{array} \right)\)
で表さます。そこで距離と角を並べた \((r,θ)\) という点\(P\)の表示を極座標といい、定点\(O\)を極、半直線である\(x\)軸の正の部分を始線、角\(θ\)を偏角とよびます。\(θ\)は弧度法を用います。
ある極座標 \((r,θ)\) の表す点はただ1つですが、ある点を表す極座標は\(θ\)を一般角にとると無数に存在します。そこで偏角を \(0≦θ<2π\) に制限することもあります。この制限により極以外の点の極座標は1通りに決まります。
また極(原点)の極座標は \((0,θ)\) (\(θ\)は任意) となります。
なお以上のように極と始線を原点と\(x\)軸の正の部分にとることが多いですが、別の点や半直線を極や始線にとることも可能です。
極座標で考えにくかったら下記のように直交座標に変換するのも手段の1つです。
・極座標と直交座標
極座標 \((r,θ)\) を利用する場合、直交座標との対応がしやすいように極を原点、始線を\(x\)軸の正の部分にとることが多いです。このとき直交座標\((x,y)\)を\(r,θ\)で表すと図より
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x = r\cosθ \\ y = r\sinθ \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
となります。また逆に\(r,θ\)を\(x,y\)で表すと
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} r = \sqrt{x^2+y^2}\ \\ \cosθ =\displaystyle\frac{x}{\sqrt{x^2+y^2}},\ \sinθ=\displaystyle\frac{y}{\sqrt{x^2+y^2}} \ (ただし r≠0) \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
となります。これらの等式は極座標と直交座標の変換に利用します。特に極座標についての方程式(極方程式という) \(r=f(θ)\) と直交座標で表された方程式 \(F(x,y)=0\) の変換でよく利用されます。
(注)
極方程式の場合では、\(r<0\) の場合も扱うので次のように変換します。
\(\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} r^2 = x^2+y^2\ \\ \cosθ =\displaystyle\frac{x}{r},\ \sinθ=\displaystyle\frac{y}{r} \ (ただし r≠0) \end{array} \right. \end{eqnarray}\)
(例題)
\(O\)を極とする極座標で表された2点 \(P(3\sqrt{2},\displaystyle\frac{π}{6}),\ Q(4,\displaystyle\frac{5}{12}π)\) があるとき、線分\(PQ\)の長さおよび\(△OPQ\)の面積を求めよ。
(解答)
\(\angle POQ=\displaystyle\frac{5}{12}π-\displaystyle\frac{π}{6}=\displaystyle\frac{π}{4}\) より
(余弦定理より)
\(PQ=\sqrt{4^2+(3\sqrt{2})^2-2\cdot4\cdot3\sqrt{2}\cos\displaystyle\frac{π}{4}}\)
\(=\sqrt{10}\)
\(△OPQ=\displaystyle\frac{1}{2}\cdot4\cdot3\sqrt{2}\sin\displaystyle\frac{π}{4}\)
\(=6\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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