極方程式②(2次曲線)

2次曲線の極方程式について見ていきます。

 

・2次曲線の極方程式
2次曲線(円を除く)の極方程式は、離心率\(e\)を用いて導くことができます。(→(4-1)離心率 参照)

\(a,e\)を正の定数とし、点\(A(a,0)\) (極座標)  とおいて、\(A\)を通り始線\(OX\)に垂直な直線を\(l\)とし、点\(P\)から\(l\)に下ろした垂線を\(PH\)とするとき、\(e=\displaystyle\frac{OP}{PH}\) となるような点\(P\)の軌跡の極方程式を求めてみます。
このとき \(PO:PH=e:1\) が成り立つので、点\(P\)の軌跡は焦点\(O\)、準線\(l\)、離心率を\(e\)とする2次曲線です。\(0<e<1\) では楕円、\(e=1\) では放物線、\(e>1\) では双曲線を描きます。

極方程式 2次 1

まず、楕円・放物線・双曲線の左部分については上図より
(放物線では \(e=1\) つまり \(OP=PH\)。準線の左側はこの放物線を境界として \(OP<PH\) の領域と \(OP>PH\)の領域がある。よって楕円・放物線・双曲線の左部分が描かれる)

\(OP=r\)、\(PH=a-r\cosθ\)
だから \(e=\displaystyle\frac{OP}{PH}\) より
\(e(a-r\cosθ)=r\)
\(r\) について整理すると
\(r(1+e\cosθ)=ea\)
\(ea≠0\) だから、\(1+e\cosθ≠0\) となるので、極方程式は次のようになります。
\(r=\displaystyle\frac{ea}{1+e\cosθ}\)・・・①

極方程式 2次 2

次に準線\(l\)の右側については、\(OP>PH\) が成り立つことと、このときには2次曲線が双曲線になることから、双曲線の右部分については上図より
\(OP=r\)、\(PH=r\cosθ-a\)
だから \(e=\displaystyle\frac{OP}{PH}\) より
\(e(r\cosθ-a)=r\)
\(r\) について整理すると
\(r(1-e\cosθ)=-ea\)
\(ea≠0\) だから、\(1-e\cosθ≠0\) となるので、極方程式は次のようになります。
\(r=\displaystyle\frac{-ea}{1-e\cosθ}\)・・・②

ここで②を
\(-r=\displaystyle\frac{ea}{1+e\cos(θ+π)}\)・・・③
とみると、
\(r=\displaystyle\frac{ea}{1+e\cosθ}\)・・・①
で、\(r \to -r\)、\(θ \to θ+π\) とすれば③が得られ、\((-r,θ+π)\) は \((r,θ)\) と同じ点を表すので、\(r<0\) を導入することで③(つまり②)を①にまとめることが可能です。
したがって結局求める極方程式は①となります。

仮に \((3,\displaystyle\frac{π}{4})\) が③を満たす(③上にある)とすると、それは①で \((-3,\displaystyle\frac{5}{4}π)\) とすればよく、\((-3,\displaystyle\frac{5}{4}π)=(3,\displaystyle\frac{π}{4})\) だから①で統一可能ということです。

なお①は \(0<e≦1\) (楕円・放物線) の場合では
\(1+e\cosθ>0\) (放物線で\(0\)になる場合は除いた)
となるので、\(r>0\) となります。

 

(参考)
準線を極\(O\)の左側にとるとき、点 \(A(a,π)\) とした場合、極方程式は同様の議論により
\(r=\displaystyle\frac{ea}{1-e\cosθ}\)
となります。また準線が始線に平行な場合では
\(r=\displaystyle\frac{ea}{1±e\sinθ}\)
となります。

 

 

(例題)
極方程式 \(r=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{2+\sqrt{6}\cosθ}\) の表す曲線を、直交座標に関する方程式で表し、どのような曲線となるか調べよ。ただし、極を原点、始線を\(x\)軸の正の部分とする。

 

(解答)
\(r=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{2+\sqrt{6}\cosθ}\) より

\(2r+\sqrt{6}x=\sqrt{6}\)
\(2r=\sqrt{6}(1-x)\)・・・①
両辺2乗して・・・(注)
\(4r^2=6(1-x)^2\)・・・②
\(2(x^2+y^2)=3(1-x)^2\)
整理すると
\(x^2-6x-2y^2=-3\)
\((x-3)^2-2y^2=6\)
\(\displaystyle\frac{(x-3)^2}{6}-\displaystyle\frac{y^2}{3}=1\) (双曲線)

(注)
\(r>0\) に限定すると①より \(x<1\) となるので、双曲線の左部分だけを表すことになります。
また変換を \(r=\sqrt{x^2+y^2}\) としても \(r>0\) となるので左部分だけになります。

なお、十分性について確認すると
②より
\(2r=\sqrt{6}(1-x)\) または \(2r=-\sqrt{6}(1-x)\)
1つ目はもとの方程式になるので、2つ目を検討すると
\(-(2-\sqrt{6}\cosθ)r=\sqrt{6}\)
\(-r=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{2-\sqrt{6}\cosθ}\)
\(-r=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{2+\sqrt{6}\cos(θ+π)}\)・・・③

上で考えたように、\((r,θ)\) と \((-r,θ+π)\) が同じ点を表すことから③は
\(r=\displaystyle\frac{\sqrt{6}}{2+\sqrt{6}\cosθ}\)
と同じ方程式になります。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
next→極方程式と対称性・回転移動 back→極方程式①(円・直線)

タイトルとURLをコピーしました