極方程式と曲線の概形①(螺旋・正葉曲線)

極方程式のまま曲線の概形を描く方法について見ていきます。

→(6-5)極方程式と対称性・回転移動 も参考にして下さい。

 

・極方程式と曲線の概形
極方程式  \(r=f(θ)\) や \(F(r,θ)=0\) で表された曲線の概形を描くには

(i)直交座標に直す
(ii)媒介変数表示 \(x=f(θ)\cosθ\)、\(y=f(θ)\sinθ\) にする

も有効な手段ですが、今回は極座標のまま描く方法について検討します。
例として
\(r=θ\)・・・①
の表す曲線について考えます。

まずは簡単のため \(θ≧0\) とすると、例えば \(r=2\) が表す曲線は円ですが、これと極方程式①との違いは、①は\(θ\)が変化すると\(r\)も変化することで、\(θ\)が増加すると\(r\)も増加していきます。よって \(θ=0\) をスタートとして、\(θ\)が増加すると極の周りを左回りにグルグルと動くのは円と同様ですが、\(r\)が増加していくのでグラフとしては螺旋を描くことになります。
あらかたの概形がつかめたら、あとは直交座標の場合と同じようにいくつかの求めやすい点をプロットすればグラフを描くことが可能になります(下図。極を原点、始線を\(x\)軸の正の部分にとった)。

極方程式 曲線①-1

次に \(θ≦0\) の場合にはどうなるかというと、\(r≦0\) になるので\(π\)だけ(\(180°\)だけ)移動する必要はありますが、他は \(θ≧0\) の場合と同様なのでやはり螺旋になります(下図)。

極方程式 曲線①-2

なお \((r=)\ f(θ)=θ\) とおくと、\(f(θ)=-f(-θ)\) を満たすので、\(r=θ\) の表すグラフは極を通り始線に垂直な直線について対称です。\(θ≧0\) と \(θ≦0\) を合わせたグラフは次のようになり確認できます。

極方程式 曲線①-3

また、\(r=aθ\) (\(a≠0\)) で表された曲線をアルキメデスの螺旋とよびます。

 

 

・正葉曲線
極方程式で表された曲線を描くには、作業を減らすために対称性に着目するのも大切です。また、\(θ\) の範囲が指定されていない場合は \(-\infty<θ<\infty\) で考える必要がありますがそれは無理なので、周期性に着目して範囲の一部分を抜き出してあとは同じことの繰り返しとして処理する必要もでてきます。

この周期性は、\(r\)の周期性と\(θ\)の周期性の両方を意味しています。

\(r\)の周期性では、例えば \(θ+π\) としたときに\(r\)が変化しない場合は、角は違えど同じ形状を描くとしてグラフを考えることができます。
\(θ\)の周期性では、\((r,θ)\) と \((r,θ+2kπ)\) (\(k\)は整数) や \((-r,θ±π)\) などが同じ点を表すことから、角としては繰り返しをしているという判断をすることができます。

したがってこれら\(r,θ\)の両方の周期性が認められる場合、例えば \(r=f(θ)\) において
\(f(θ)=f(θ+2π)\)・・・①
が成り立つときには\(r,θ\)の両方が繰り返しになるので、\(2π\)分の範囲だけ考えればよいことになります。(①は \(f(θ-2π)=f(θ)\) となるので \(-\)方向についても繰り返しになる)

以上のことを踏まえて、\(n\)を有理数として正葉曲線
\(r=a\sin nθ\) (\(r=a\cos nθ\))
の概形を調べてみます。

\(a=1\) として、まずは\(n\)が偶数の場合
\(r=\sin2θ\)
についてです。まずは対称性を調べると
\(f(θ)=\sin2θ\) とおくと、\(f(π-θ)=\sin(2π-2θ)=-\sin2θ\) などにより
\(f(θ)=-f(π-θ)\)、\(f(θ)=-f(-θ)\)、\(f(θ)=f(π+θ)\)
が成り立つので、曲線は「始線・極を通る始線に垂直な直線・極」について対称。
よって、取り敢えず \(0≦θ≦\displaystyle\frac{π}{2}\) だけ概形を調べると、この範囲では \(r≧0\) なので直交座標でいう第1象限の部分と原点に曲線が存在し、これを対称になるように折り返すと次のような曲線が得られます。

極方程式 曲線①-4

続いて周期性ですが、\(r=\sin2θ\) より \(r\)の周期性は\(π\)となっていますが、角がまだこれだと元に戻らないので、\(2π\)で周期性を調べてみると
\(f(θ)=f(θ+2π)\)
が成り立つので、\(0≦θ≦2π\) の範囲だけを考えればよいことになります。上図を参照しながら \(θ=0\) をスタートとして \(θ=2π\) までで曲線のどの部分を描くかを調べると、\(\displaystyle\frac{π}{2}≦θ≦π\)、\(\displaystyle\frac{3π}{2}≦θ≦2π\) では\(r≦0\) になることに注意すると、下図のような順序で曲線が描かれることが分かります。よって曲線はこれで完成です。

極方程式 曲線①-5

 

次に\(n\)が奇数の場合ですが、\(r=\sinθ\) (\(n=1\)) はただの円になるので
\(r=\sin3θ\)
を扱いたいと思います。\(g(θ)=\sin3θ\) とおくと
対称性は、\(g(θ)=g(π-θ)\) (または \(g(θ)=-g(-θ)\) ) より「極を通り始線に垂直な直線」について対称。

周期性は、\(r\)の周期性は \(r=\sin3θ\) より\(\displaystyle\frac{2}{3}π\)ですが、これだと角が戻らないので、とりあえず\(π\)で周期を調べてみると
\(g(θ)=-g(θ+π)\)
であり、\((r,θ)\) と \((-r,θ+π)\) が同じ点を表すことからこれで元に戻るので、\(0≦θ≦π\) で調べればよいことになります。
\(\displaystyle\frac{π}{3}≦θ≦\displaystyle\frac{2}{3}π\) では \(r≦0\) になることと、また、\(\displaystyle\frac{π}{3}\) 周期で \(g(θ+\displaystyle\frac{π}{3})=-g(θ)\) と符号が変わるだけなので形状としては同じになることに注意すると、グラフの概形は次のようになります。

極方程式 曲線①-6

\(θ=\displaystyle\frac{π}{3},\displaystyle\frac{2π}{3}\) で極に戻るので、これらの直線を越えないように描くとより良いでしょう。

なお知識として正葉曲線
\(r=a\sin nθ\) (\(r=a\cos nθ\))
葉の数は\(n\)を自然数とすると
奇数のとき \(n\)枚、偶数のとき \(2n\)枚
であることは知っておくとよいでしょう。

 

対称性については手間が増えるだけなので、気づかない または グラフを描いている途中で気づいてもOKです。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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