二項定理と等式・不等式

 

二項定理を利用して、等式・不等式の証明問題について見ていきます。

まずは等式の証明から。ポイントは \((1+x)^n\)を考えることです。

 

(例題1)次の等式を証明せよ。
(1)\({}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1+{}_n\mathrm{C}_2+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_n=2^n\)
(2)\({}_n\mathrm{C}_0-2{}_n\mathrm{C}_1+2^2{}_n\mathrm{C}_2-・・・\)\(+(-2)^n{}_n\mathrm{C}_n\)\(=(-1)^n\)
(3)\({}_n\mathrm{C}_1+2{}_n\mathrm{C}_2+3{}_n\mathrm{C}_3+・・・\)\(+n{}_n\mathrm{C}_n=n・2^{n-1}\)

 

 

\((1+x)^n\)の展開式を考えると、\(\mathrm{C}\)の和の式が得られます。
あとは\(x\)に適当な数値を代入して等式を証明します。
(3)についてはまず左辺を変形する工夫が必要です。

(解答)
(1)
\((1+x)^n\)
\(={}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_nx^n\)・・・①

\(x=1\)を代入して
\(2^n={}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1+{}_n\mathrm{C}_2+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_n\) (証明終)

 

(2)
(1)の①に\(x=-2\)を代入して
\((-1)^n\)
\(={}_n\mathrm{C}_0-2{}_n\mathrm{C}_1+2^2{}_n\mathrm{C}_2-・・・\)\(+(-2)^n{}_n\mathrm{C}_n\) (証明終)

 

(3)

左辺の第\(k\)項は、\(k{}_n\mathrm{C}_k\) です。
公式
\(k{}_n\mathrm{C}_k=n{}_{n-1}\mathrm{C}_{k-1}\)
を利用します。

\(k{}_n\mathrm{C}_k=n{}_{n-1}\mathrm{C}_{k-1}\) より

(左辺)
\(=n{}_{n-1}\mathrm{C}_{0}+n{}_{n-1}\mathrm{C}_{1}+n{}_{n-1}\mathrm{C}_{2}+・・・\)\(+n{}_{n-1}\mathrm{C}_{n-1}\)
\(=n({}_{n-1}\mathrm{C}_{0}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{2}+・・・\)\(+{}_{n-1}\mathrm{C}_{n-1})\)

 

今回は\(\mathrm{C}\)の左下が\(n-1\)なので、指数が\(n-1\)の展開式\((1+x)^{n-1}\) を考えます。

ここで
\((1+x)^{n-1}\)
\(={}_{n-1}\mathrm{C}_{0}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{1}x+{}_{n-1}\mathrm{C}_{2}x^2+・・・\)\(+{}_{n-1}\mathrm{C}_{n-1}x^{n-1}\)

より\(x=1\)を代入して

\(2^{n-1}\)
\(={}_{n-1}\mathrm{C}_{0}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{1}+{}_{n-1}\mathrm{C}_{2}+・・・\)\(+{}_{n-1}\mathrm{C}_{n-1}\)

したがって
(左辺)\(=n・2^{n-1}\) (証明終)

 

※(3)については数Ⅲの微分を用いても証明できます。

\((1+x)^n\)
\(={}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2\)\(+{}_n\mathrm{C}_3x^3+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_nx^n\)

より両辺を\(x\)で微分して

\(n(1+x)^{n-1}\)
\(={}_n\mathrm{C}_1+2{}_n\mathrm{C}_2x\)\(+3{}_n\mathrm{C}_3x^2+・・・\)\(+n{}_n\mathrm{C}_nx^{n-1}\)

\(x=1\)を代入すれば、証明したい式が得られる。

 

 

(例題2)次の不等式を証明せよ。ただし\(x\)は正の数、\(n\)は\(2\)より大きい整数とする。

\((1+x)^n>1+nx+\displaystyle\frac{n(n-1)}{2}x^2\)

 

(解答)
左辺を二項定理を用いて展開すると
\((1+x)^n\)
\(={}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2\)\(+{}_n\mathrm{C}_3x^3+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_nx^n\)・・・(A)

 

ここで、(A)の右辺の項はすべて正の数なので、右辺の一部を除いたものは除く前のものより小さくなります。

(A)の右辺の項はすべて正の数なので

\((1+x)^n\)
\(={}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2\)\(+{}_n\mathrm{C}_3x^3+・・・\)\(+{}_n\mathrm{C}_nx^n\)
\(>{}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2\)

\({}_n\mathrm{C}_0+{}_n\mathrm{C}_1x+{}_n\mathrm{C}_2x^2\)\(=1+nx\)\(+\displaystyle\frac{n(n-1)}{2}x^2\)
だから

\((1+x)^n>1+nx+\displaystyle\frac{n(n-1)}{2}x^2\) (証明終)

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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