素数と因数分解

 

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素数の因数分解に関する問題について見ていきます。

 

 

(例題1)
\(n^2-20n+91\) が素数となる整数\(n\)をすべて求めよ。

 

 

まず、与えられた式が因数分解できるかどうか確かめます。
すると、\(n^2-20n+91\)\(=(n-7)(n-13)\) と因数分解できます。
これが素数となるので、素数 \(p(≧2)\) は2つの数の積の形で表すと、\(p×1\)か、\((-p)×(-1)\) の場合しかないので、ここから\(n\)の値を絞ります。
(解答)
\(n^2-20n+91\)\(=(n-7)(n-13)\)これが素数となるには
\(n-7=±1\) または \(n-13=±1\)
よって\(n\)の候補は、\(n=6,8,12,14\)

 

それぞれについて \(m=(n-7)(n-13)\) の値を求めると
\(n=6\)のとき \(m=7\)
\(n=8\)のとき \(m=-5\)
\(n=12\)のとき \(m=-5\)
\(n=14\)のとき \(m=7\)

 

よって、求める\(n\)は、\(n=6,14\)

 

 

素数は自然数です。(定義)

 

 

 

 

(例題2)
\(p,q,r\)を \(p<q<r\) である素数とする。等式 \(r=q^2-p^2\) を満たす \(p,q,r,\) の組 \((p,q,r)\) を全て求めよ。

 

 

\(q^2-p^2=(q-p)(q+p)\) と因数分解できるのはよいでしょう。
ここから値を絞っていくのですが、まず \(q-p\) と \(q+p\) の大小に着目します。すると、\(q+p\) のほうが大きいことと、\(q+p\)は素数の和なので正の数。よって、
\(q+p=r\)・・・①, \(q-p=1\)・・・②
という等式が得られます。次に②に着目すると、素数\(q\)と素数\(p\)の差が\(1\)(奇数)であることがわかります。差が奇数ということは、一方が偶数で、一方が奇数となります。(偶数ー偶数=偶数 , 奇数ー奇数=偶数)
偶数である素数は\(2\)しかないですね。よって小さいほうの\(p\)が\(2\)となります。以下①②で\(q,r\)が求まります。
一方が偶数で、一方が奇数となることを偶奇が一致しない
両方とも偶数 or 両方とも偶数 となることを偶奇が一致するといいます。
偶奇の一致、不一致は整数問題では重要な手がかりとなります。
もちろん、素数の中で唯一偶数である\(2\) (さらに素数の中で最小の数でもある)も大事なポイントです。
(解答)
\(r=q^2-p^2=\)\((q-p)(q+p)\)

 

\(0<p<q<r\) より
\(0<q-p<q+p\)

よって \(r\)は素数であるから
\(q-p=1\)・・・① \(q+p=r\)・・・②

 

①より\(q,p\)の偶奇が一致しないから、\(p<q\) より
\(p=2\) よって\(q=3\)
②より \(r=5\)

 

以上より
\((p,q,r)=(2,3,5)\)

 

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

 

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