最小公倍数、最大公約数と未知数の決定

 

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最小公倍数や最大公約数から未知の数を決定する問題について見ていきます。

 

 

(例題1)
2つの自然数\(a,b\)の最大公約数は\(36\)であり、最小公倍数は\(432\)である。このような\(a,b\)をすべて求めよ。

 

 

(解答)
最大公約数が\(36\)であることから
\(a=36m\), \(b=36n\) ・・・① (\(m,n\)は互いに素な自然数)
とおける。

互いに素とは、最大公約数が\(1\)であることです。
また、最小公倍数が\(432\)なので
\(432=36mn\)
よって、
\(mn=12\)・・・②

 

②を満たす互いに素な自然数\(m,n\)は
\((m,n)=(1,12),(12,1),(3,4),(4,3)\)

 

これらを①に代入すると、

\(36×12=432\), \(36×3=108\), \(36×4=144\)
であるから
\((a,b)=(36,432),(432,36)\)\(,(108,144),(144,108)\)

 

 

(例題2)
次の(A)(B)(C)を満たす3つの自然数の組\((a,b,c)\)をすべて求めよ。ただし、\(a<b<c\)とする。
(A)\(a,b,c\)の最大公約数は\(6\)
(B)\(b\)と\(c\)の最大公約数は\(24\)、最小公倍数は\(144\)
(C)\(a\)と\(b\)の最小公倍数は\(240\)

 

 

情報量の多い、(B)から手を付けてみます。先ほどの(例題1)と同じように解きます。
(解答)
(B)より\(b,c\)の最大公約数が\(24\)なので

\(b=24b’\), \(c=24c’\) ・・・①(\(b,c\)は互いに素な自然数)とおける。

また、\(b<c\)より、\(b'<c’\)・・・②
さらに、最小公倍数が\(144\)だから
\(144=24b’c’\) よって
\(b’c’=6\)・・・③
②③を満たす互いに素な自然数\(b’,c’\)は
\((b’,c’)=(1,6),(2,3)\)

よって①より
\((b,c)=(24,144),(48,72)\)

 

\(b,c\)のパターンは2通り出ました。
あとは(C)から\(a\)を求めてみます。この時(A)より\(a\)が約数\(2,3\)を持つことを利用すると楽です。

 

次に(C)で \(240=2^4×3×5\) であり
(A)より\(a\)は約数\(2,3\)を持つことから

 

(ア)\(b=24\)のとき
\(b=2^3×3\) だから、(C)より最小公倍数が\(240\)になるのは、\(a=2^4×3×5\) のときであり、\(a>b\)となり不適
(イ)\(b=48\)のとき
\(b=2^4×3\) だから、(C)より最小公倍数が\(240\)で、\(a<b\) を満たすのは、\(a=2×3×5\) の場合だけである。

 

以上より、\(a=30,b=48,c=72\) であるが、これらの最大公約数は\(6\)であり、(A)を満たす。

 

(A)の条件は\(a\)が約数\(2,3\)をもつことしか使っていないので、ちゃんと3つの数の最大公約数が\(6\)になることを確認します。
よって、\((a,b,c)=\)\((30,48,72)\)

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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