2次不定方程式と判別式

 

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2次式の不定方程式は、判別式を利用すると解の範囲が絞られることがあります。

 

 

(例題1)
\(x^2+4y^2-2x-4y-23=0\) を満たす整数\(x,y\)の値を求めよ。

 

 

 

(文字式)×(文字式)=整数 という因数分解型の形に変形できません。
そこで、\(x\)の2次式であることに着目します。
等式が整数解\(x\)をもつ、つまり少なくとも実数解\(x\)をもつことになるので、判別式が0以上であることから範囲を絞ります。

(解答)

与式を\(x\)について整理すると
\(x^2-2x+4y^2-4y-23=0\)

これを\(x\)の2次方程式とみると、解の公式から
\(x=1±\sqrt{1^2-(4y^2-4y-23)}\)・・・①

\(x\)は実数なので
\(1-(4y^2-4y-23)≧0\)
\(4y^2-4y-24≦0\)
\(y^2-y-6≦0\)
\((y+2)(y-3)≦0\)より
\(-2≦y≦3\)・・・②

また①は
\(=1±\sqrt{-4y^2+4y+24}\)
\(=1±2\sqrt{-(y+2)(y-3)}\)
となるので、②の範囲で\(x\)を求めると

\(y=-2\) のとき \(x=1\)
\(y=-1\) のとき \(x=1±2\sqrt{4}=5,-3\)
\(y=0\) のとき \(x=1±2\sqrt{6}\) より不適
\(y=1\) のとき \(x=1±2\sqrt{6}\) より不適
\(y=2\) のとき \(x=1±2\sqrt{4}=5,-3\)
\(y=3\) のとき \(x=1\)

以上より
\((x,y)=(1,-2),(5,-1)\)\(,(-3,-1),(5,2)\)\(,(-3,2),(1,3)\)

 

 

 

(例題2)
\(x\)についての2次方程式 \(x^2+kx+k^2+3k-9=0\)・・・(A) について
(1)(A)が異なる2つの整数解をもつとき、\(k\)は整数であることを示せ。
(2)(A)が異なる2つの整数解をもつような、実数\(k\)の値を求めよ。

 

 

 

解の公式を使って、2解\(α,β\)の和をとってみます。

(解答)
(1)
\(x\)について解くと
\(x=\displaystyle\frac{-k±\sqrt{k^2-4(k^2+3k-9)}}{2}\)・・・①

ここで、2解を\(α,β\) とおくと
\(α+β=-k\) だから
2解が整数のとき、\(k\)は整数である。

 

解と係数の関係(数Ⅱ)をつかっても、\(α+β=-k\)が導かれます。

 

 

(2)
\(x\)は実数で、2解は異なるので
\(k^2-4(k^2+3k-9)>0\)
\(3k^2+12k-36<0\)
\(k^2+4k-12<0\)
\((k-2)(k+6)<0\) より
\(-6<k<2\)・・・②

また①より
\(x=\displaystyle\frac{-k±\sqrt{-3(k-2)(k+6)}}{2}\)
だから、②の範囲で\(x\)が整数であるものを調べる。平方根内が(整数)\(^2\)となるので

\(k=-5\):  不適
\(k=-4\):  \(x=\displaystyle\frac{4±\sqrt{36}}{2}\)\(=5,-1\) となり適する。
\(k=-3,-2,-1\): 不適
\(k=0\): \(x=\displaystyle\frac{0±\sqrt{36}}{2}\)\(=3,-3\) となり適する。
\(k=1\): 不適

 

以上より、\(k=-4,0\)

 

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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