今回から1次不定方程式について学んでいきます。
まずは簡単な例から始めます。
\(2x=5y\)・・・① を満たす整数解\((x,y)\)を求めよ。
\((x,y)=(0,0),(5,2)\)\(,(-10,-4)・・・\)
①の右辺が\(5\)の倍数だから、左辺も\(5\)の倍数であり、\(2\)と\(5\)が互いに素であるから
\(x=5k\)・・・② と表すことができます。
\(5y=10k\) より
\(y=2k\) となるので
についても、解は無数にありますが、整数解という条件を加えると、解をもつ場合やもたない場合があります。以下検討してみます。
\(am+bn=1\) を満たす整数\(m,n\)が存在する。
\(a(cm)+b(cn)=c\)
\(ax+by=c\) は、整数解 \(x=cm\), \(y=cn\) をもつことになります。
\(ax+by=c\) を満たす整数\(x,y\)が存在する。
では実際に方程式をどう解くかというと
(1)\(ax+by=c\)・・・(ア) を満たす整数解\(x=p\),\(y=q\)を見つける。(特殊解の発見)
(2)\(ap+bq=c\)・・・(イ) が成り立つので、(ア)ー(イ)より定数\(c\)を消去する
(3)あとは、\(2x=5y\) を解くときと同じ要領で解く。
という方法になります。
実際にやってみます。
(例題1)
方程式 \(3x+5y=2\) の整数解をすべて求めよ。
(解答)
\(x=-1\), \(y=1\) は方程式の解であるので
\(3x+5y=2\)・・・①
\(3(-1)+5・1=2\)・・・②
①-②より
\(3(x+1)+5(y-1)=0\)
よって \(3(x+1)=-5(y-1)\)・・・③
③の右辺は\(5\)の倍数だから、左辺も\(5\)の倍数。\(3,5\)は互いに素だから
\(x+1=5k\)・・・④ (\(k\)は整数)
④を③に代入して
\(-5(y-1)=15k\) より
\(y-1=-3k\)・・・⑤
したがって④⑤から
\(x=5k-1\), \(y=-3k+1\) (\(k\)は整数)
\(a,b\)の最大公約数を\(g\)とします。
\(a=a’g\), \(b=b’g\) (\(a’,b’\)は互いに素)と表せるので
方程式 \(ax+by=c\) は
\(a’gx+b’gy=c\)
\(g(a’x+b’y)=c\)・・・(※) となる。
ここで
(i)\(g\)が\(c\)の約数でない場合(\(c\)が\(g\)の倍数でない場合)
左辺は\(g\)の倍数、右辺は\(g\)の倍数でないので、方程式を満たす整数解は存在しません。
(ii)\(g\)が\(c\)の約数である場合(\(c\)が\(g\)の倍数である場合)
\(c=c’g\) と表せるので (※)は
\(g(a’x+b’y)=c’g\)
\(a’x+b’y=c’\) となり、係数が互いに素である場合に帰着できます。
(例題2)
方程式\(6x+3y=7\) を満たす整数解は存在しないことを示せ。
(解答)
方程式を満たす整数解 \(x=m\), \(y=n\)が存在すると仮定する。
\(3(2m+n)=7\) であり、
左辺は\(3\)の倍数、右辺は\(3\)の倍数でないため矛盾。
よって整数解は存在しない。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。