x^α の積分

不定積分の基礎です。

※不定積分の定義や、基本的な性質については詳しくは →不定積分の基礎 を参照してください

簡単にまとめると、微分の演算が(不定)積分で、定数項は微分すると\(0\)になるので、\(f(x)\) の原始関数(不定積分)の1つを\(F(x)\)とすると、\(F(x)+C\) (\(C\)は定数) も\(f(x)\)の原始関数となります。(原始関数が無数にあることになる)

不定積分の性質についてはまとめると次の式になります。(\(k,l\)は定数とする)
\(\displaystyle\int\{kf(x)+lg(x)\}dx=k\displaystyle\int f(x)dx+l\displaystyle\int g(x)dx\)
これは、項別に積分してよく、定数は積分を計算したあとに後から掛けてもよいことを表しています。

さてそれではまずは簡単な\(x^{α}\)の積分について検討していきます。

 

・\(x^{α}\) の積分
微分の逆演算が積分なので、\(x^{α}\)の積分を求めるために\(x^{α+1}\)の微分を考えると

\((x^{α+1})’=(α+1)x^{α}\)

となるので、\(α+1≠0\) つまり
\(α≠-1\) のとき
\(x^{α}=\displaystyle\frac{1}{α+1}(x^{α+1})’\)
です。これを両辺\(x\)で積分すると、\(C\)を積分定数として
\(\displaystyle\int x^{α}dx=\displaystyle\frac{1}{α+1}x^{α+1}+C\)
となります。

\(α=-1\) のときは
\(x^{-1}=\displaystyle\frac{1}{x}\) の積分を考えればよいですが、これは
\((\log |x|)’=\displaystyle\frac{1}{x}\)
より、対数関数になることが分かります。つまり
\(\displaystyle\int \displaystyle\frac{1}{x}dx=\log |x|+C\)
です。(\(x\)が負の場合もあるときは、絶対値をつけます)

(\(x^{α}\)の不定積分)
\(C\)を積分定数とすると
\(α≠-1\) のとき
\(\displaystyle\int x^{α}dx=\displaystyle\frac{1}{α+1}x^{α+1}+C\)
\(α=-1\) のとき
\(\displaystyle\int \displaystyle\frac{1}{x}dx=\log |x|+C\)

当たり前ですが、積分結果である右辺を微分すると左辺の被積分関数になります。
不安なときは検算してみるのもよいと思います。

 

 

(例題)
\(x>0\) として、不定積分
\(\displaystyle\int\displaystyle\frac{x^2\sqrt{x}+x+\sqrt{x}+2}{x^2}dx\)
を求めよ。

 

項を分けて計算します。積分定数\(C\)は忘れずに。
\(x^{α}\) の積分は、次数を1つ増やして、増やした次数の逆数を掛ければOKです。

(解答)
\(\displaystyle\int\displaystyle\frac{x^2\sqrt{x}+x+\sqrt{x}+2}{x^2}dx\)

\(=\displaystyle\int(x^{\frac{1}{2}}+\displaystyle\frac{1}{x}+x^{-\frac{3}{2}}+2x^{-2})dx\)

\(=\displaystyle\frac{2}{3}x^{\frac{3}{2}}+\log x-2x^{-\frac{1}{2}}-2x^{-1}+C\)

\(=\displaystyle\frac{2}{3}x\sqrt{x}+\log x-\displaystyle\frac{2}{\sqrt{x}}-\displaystyle\frac{2}{x}+C\) (\(C\)は積分定数)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
next→指数関数・三角関数の積分(基礎)

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