区間分割と定積分

区間によって関数の式が異なる場合の定積分の計算方法です。

 

・区間によって関数の式が異なる場合の定積分
\(\displaystyle\int_{-2}^{3}|x|dx\) のように、被積分関数 \(f(x)\) が

\(\begin{eqnarray} |x| = \begin{cases} -x & ( -2 ≦x≦0 ) \\ x & (0 ≦x ≦3 ) \end{cases} \end{eqnarray}\)

と区間によって式が異なる場合には、定積分を境目で分割して求めます。この例では、\(x=0\) が境目なので

\(\displaystyle\int_{-2}^{3}|x|dx=\displaystyle\int_{-2}^{0}|x|dx+\displaystyle\int_{0}^{3}|x|dx\)

\(=\displaystyle\int_{-2}^{0}(-x)dx+\displaystyle\int_{0}^{3}xdx\)

となります。これは定積分が面積(符号つき面積)を表すことと対応させると分かりやすいと思います。

絶対値 積分1

納得いかない場合には、定義として覚えてしまってよいと思います。

 

 

(例題)
次の定積分を求めよ。
\(\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{2}}|\sin x-\cos x|dx\)

 

(解答)
(合成して、区間分割します)
\(\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{2}}|\sin x-\cos x|dx\)
\(=\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{2}}\left|\sqrt{2}\sin(x-\displaystyle\frac{π}{4})\right|dx\)

\(=\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{4}}\left|\sqrt{2}\sin(x-\displaystyle\frac{π}{4})\right|dx+\displaystyle\int_{\frac{π}{4}}^{\frac{π}{2}}\left|\sqrt{2}\sin(x-\displaystyle\frac{π}{4})\right|dx\)

\(=-\sqrt{2}\displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{4}}\sin(x-\displaystyle\frac{π}{4})dx+\sqrt{2}\displaystyle\int_{\frac{π}{4}}^{\frac{π}{2}}\sin(x-\displaystyle\frac{π}{4})dx\)

\(=\sqrt{2}\left[\cos(x-\displaystyle\frac{π}{4})\right]_{0}^{\frac{π}{4}}+\sqrt{2}\left[-\cos(x-\displaystyle\frac{π}{4})\right]_{\frac{π}{4}}^{\frac{π}{2}}\)

\(=\sqrt{2}(1-\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}})-\sqrt{2}(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{2}}-1)\)

\(=2\sqrt{2}-2\)

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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