倍数の個数

 

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(2-1,2-2)の2つの集合、3つの集合の要素の個数の知識を駆使して、倍数の個数の問題を解いていきます。

 

 

(問題1)
100以上200以下の自然数で、次のような数はいくつあるか。
(1)2または3で割り切れる数
(2)2で割り切れるが、3では割り切れない数

 

 

2の倍数、3の倍数の個数を考えていきますが、1つ注意が必要です。
2の倍数の個数は、100(2×50) から 200(2×100) まで考えるから、100-50=50個としたら間違いです。例えば最初の3つの数を考えてみると、 100(2×50) 102(2×51) 104(2×52) なので、その個数は 3=(52-50)+1 です。 よって100から200までの2の倍数の個数は 100ー50+1=51個 となります。

(解答)
(1)
2,3で割り切れる数の集合をそれぞれ\(A,B\)とする。

\(A=\{2×50,2×51,・・・,2×100\}\) だから
\(n(A)=100-50+1=51\)

\(B=\{3×34,3×35,・・・,3×66\}\) だから
\(n(B)=66-34+1=33\)

\(A \cap B=\{6×17,6×18,・・・6×33\}\) より
\(n(A \cap B)=33-17+1=17\)

求める個数は、\(n(A \cup B)\)個だから
\(n(A \cup B)\)\(=n(A)+n(B)-n(A \cap B)\)\(=51+33-17=\)\(67(個)\)

 

(2)
求める個数は、\(n(A \cap \overline B)\)個
図より
\(n(A \cap \overline B)\)\(=n(A)-n(A \cap B)\)\(=51-17=\)\(34(個)\)

倍数の個数 例題1

 

 

(問題2)
1000以下の自然数について、次の数の個数を求めよ。
(1)4でも6でも9でも割り切れる数
(2)4では割り切れるが、6でも9でも割り切れない数

 

 

(解答)
(1)

4でも6でも9でも割り切れる数は、この3つの数の最小公倍数36の倍数です。
4,6,9,で割り切れる数の集合を\(A,B,C\)とする。
4でも6でも9でも割り切れる数の集合は、\(A \cap B \cap C\)であり、それは36で割り切れる数の集合である。よって
\(A \cap B \cap C\)\(=\{36×1,36×2,・・・,36×27\}\)
\(n(A \cap B \cap C)=\)\(27(個)\)

 

(2)

4の倍数の個数250個から、「4の倍数かつ6の倍数(12の倍数)の個数83個と4の倍数かつ9の倍数(36の倍数)の個数27個の合計110個」を引いたもの、250ー110は答えではありません。なぜなら、12の倍数と36の倍数には共通部分(36の倍数)があるので、これを2回分引いていることになり、1回余分に引いた分を調整するために共通部分(36の倍数)の個数を足してあげないといけません。
こういう間違いを無くすためにはやはりベン図を考えた方がよいでしょう。
求めるものは、\(n(A \cap \overline B \cap \overline C)\)で図の青色の部分です。\(n(A)\)から「\(n(A \cap B)\)+\(n(A \cap C)\)」を引くと、\(n(A \cap B \cap C)\)を2回引いていることになるので、1回余分に引いています。よって\(n(A \cap B \cap C)\)を1回足して調整します。

 

3集合 倍数1

\(A=\{4×1,4×2,・・・,4×250\}\) より
\(n(A)=250\)

\(A \cap B\)は4でも6でも割り切れる数の集合なので
\(A \cap B=\)\(\{12×1,12×2,・・・,12×83\}\) より
\(n(A \cap B)=83\)

\(A \cap C\)は4でも9でも割り切れる数の集合なので
\(A \cap C=\)\(\{36×1,36×2,・・・,36×27\}\) より
\(n(A \cap C)=27\)

求める個数は\(n(A \cap \overline B \cap \overline C)\)個なので、図より
\(n(A \cap \overline B \cap \overline C)\)\(=n(A)-n(A \cap B)-n(A \cap C)+n(A \cap B \cap C)\)
\(=250-83-27+27=\)\(167(個)\)

 

別解として、パズルのように解く方法もあります。
図のように各領域の集合の要素の個数を\(a,b,c\)と設定すると、
\(n(A \cap B)=a+b\) で、\(n(A \cap B)\)は上の方法と同じように83、\(b\)は\(n(A \cap B \cap C)\)だから(1)より\(b=27\)、よって  \(a=83-27=56\)
\(n(A \cap C)=b+c\) で、\(n(A \cap C)\)は上の方法と同様に27だから、\(c=27-27=0\)
よって、(求める個数)\(=n(A)-(a+b+c)\)\(=250-(56+27+0)\)\(=167\)
3つの倍数 要素 別解

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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