方程式の解と等差数列

等差数列になる方程式の解の例題について見ていきます。

 

(例題)
\(a\)を実数とする。方程式
\(x^4+(8-2a)x^2+a=0\)
は相異なる\(4\)個の実数解をもち、これらの解を小さい順に並べたとき、等差数列となる。\(a\)の値を求めよ。

 

 

4次方程式ですが、複2次式(\(x^2\)の2次式)になっていることに着目します。つまり\(x^2=t\)とおけば、\(t^2+(8-2a)t+a=0\)・・・② となり\(t\)の2次方程式です。\(x^2=t>0\) (\(0\)だと異なる4実解にならない)より、②が異なる2つの正の実数解をもてばよく、その解を\(α,β\)とすれば、もとの方程式の4解は\(\sqrt{α},\sqrt{β},-\sqrt{α},-\sqrt{β}\) です。

(解答)
\(x^4+(8-2a)x^2+a=0\)・・・①

\(x^2=t\) とおけば
\(t^2+(8-2a)t+a=0\)・・・②

①が異なる4つの実数解をもつためには、\(x^2=t\) より②が異なる正の実数解をもたなければならないので、②の左辺を\(f(t)\)とおけば

\(\displaystyle\frac{D}{4}>0\), \(f(0)>0\), \(a-4>0\)

\((4-a)^2-a>0\), \(a>0\), \(a>4\)

1番目の不等式については
\(a^2-9a+16>0\)
\(a<\displaystyle\frac{9-\sqrt{17}}{2}(≒2.5)\), \(a>\displaystyle\frac{9+\sqrt{17}}{2}\)

よって
\(a>\displaystyle\frac{9+\sqrt{17}}{2}\)(\(≒6.5\))

また②の正の実数解を\(α,β\)  (\(α<β\)) とすると
\(α+β=2a-8\)・・・③ \(αβ=a\)・・・④

\(x^2=α,β\) より、もとの方程式①の4つの実数解を小さい順に並べると
\(-\sqrt{β},-\sqrt{α},\sqrt{α},\sqrt{β}\)

これが等差数列になっているので
\(-\sqrt{α}+\sqrt{β}=2\sqrt{α}=\sqrt{β}-\sqrt{α}\) (=(公差))

左辺と右辺は同じなので、左辺=中辺 より
\(-\sqrt{α}+\sqrt{β}=2\sqrt{α}\)
\(3\sqrt{α}=\sqrt{β}\)
\(9α=β\)・・・⑤

あとは③④⑤より\(a\)を決定するだけです。

⑤を③④に代入して
\(α+9α=2a-8\)
\(α\cdot9α=a\)

\(5α=a-4\)・・・⑥
\(9α^2=a\)・・・⑦

⑥を⑦に代入して
\(9(\displaystyle\frac{1}{5}a-\displaystyle\frac{4}{5})^2=a\)
\(9(a-4)^2=25a\)
\(9a^2-97a+9\cdot16=0\)
\((9a-16)(a-9)=0\)
\(a=\displaystyle\frac{16}{9},9\)

このうち、\(a>\displaystyle\frac{9+\sqrt{17}}{2}\) を満たすのは
\(a=9\)

 

(参考)
4解を \(k-3d,k-d,k+d,k+3d\) とおいて、因数定理により恒等式を立てて係数比較する方法もあります。こちらのほうは理屈上は複2次式でない場合(例えば\(x^3\)の項があるなど)でも対応できるので、使える範囲は広いかもしれません。

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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