等比数列をなす3数

等比数列をなす3数の関係について見ていきます。

基本は3つの数についてですが、4つ以上でも同様の議論になります。

 

・等比数列をなす3数
等差数列のときのように、等比数列をなす3数の問題の解法は次の通りです。

(1)3数を \(a,ar,ar^2\) とおく。(\(r\)は公比)
(2)3数を \(\displaystyle\frac{a}{r},a,ar\) とおく。(\(r\)は公比)
(3)3数が \(p,q,r\) の順のとき \(pr=q^2\) (\(p,q,r\)は\(0\)でない)

(どれを利用するかの目安)
(1)は単純なおきかたで、利用範囲は広いです。ただし計算が面倒になることが多いです。
(2)は3数の積が与えられていると、\(a\)を直ちに求めることが可能です。基本的には奇数個の場合に利用します。
(3)\(\displaystyle\frac{q}{p}=\displaystyle\frac{r}{q}\) (=公比) より導かれます。3数がすでに文字でおかれている場合に有効です。

(3)については、\(p,q,r≠0\) を確認してください。
例えば3数が順に \(0,0,1\) の場合には、\(pr=q^2\) が成り立ちますが、等比数列になっていません。(\(0,0,0\) や \(1,0,0\) などは等比数列になるので\(0\)が含まれる場合は別途考えて下さい)

 

 

 

(例題1)
3つの実数\(a,b,c\)が\(a,b,c\)の順序で等差数列になっていて、\(b,c,a\)の順序で等比数列になっているとする。
(1)\(a,b,c\)の和が\(18\)であるとき、\(a,b,c\)を求めよ。
(2)\(a,b,c\)の積が\(125\)であるとき、\(a,b,c\)を求めよ。

 

 

(解答)
(1)

等差数列の条件から \(a+c=2b\)、等比数列の条件から \(ab=c^2\) これと \(a+b+c=18\) から、\(a,b,c\)を求めます。\(a,b,c\)が\(0\)でない確認もしておきます。

和が\(18\)だから
\(a+b+c=18\)・・・①

\(a,b,c\)の順で等差数列なので
\(a+c=2b\)・・・②

①-②より
\(b=18-2b\)
\(b=6\)

ここで、\(6,c,a\) がこの順に等比数列で、公比\(=0\) とすると \(c=a=0\) となるが、①より不適。よって公比\(≠0\)で、\(c,a\)は\(0\)でないから
\(6a=c^2\)・・・③

②より\(a=12-c\)・・・④
これを③に代入して
\(6(12-c)=c^2\)
\(c^2+6c-72=0\)
\((c+12)(c-6)=0\)
\(c=-12,6\)

④より
\(c=-12\) のとき \(a=24\)
\(c=6\) のとき \(a=6\)

したがって
\((a,b,c)=(24,6,-12),(6,6,6)\)

 

(2)
積が\(125\)だから
\(abc=125\)・・・⑤
また\(a,b,c\)の順で等差数列だから
\(a+c=2b\)・・・②

⑤より\(a,b,c\)はいずれも\(0\)でなく、\(b,c,a\)の順で等比数列だから
\(ab=c^2\)・・・⑥

⑥を⑤に代入して
\(c^3=125\)
\((c-5)(c^2+5c+25)=0\)
\(c\)は実数だから \(c=5\)

②より
\(a+5=2b\)
\(a=2b-5\)・・・⑦
これを⑥に代入して
\((2b-5)\cdot b=25\)
\(2b^2-5b-25=0\)
\((2b+5)(b-5)=0\)
よって
\(b=-\displaystyle\frac{5}{2},5\)

⑦より
\(b=-\displaystyle\frac{5}{2}\) のとき \(a=-10\)
\(b=5\) のとき \(a=5\)

したがって
\((a,b,c)=(-10,-\displaystyle\frac{5}{2},5),(5,5,5)\)

 

 

 

(例題2)
\(p,q\)を実数とし、\(p<q\)とする。さらに、3つの数\(4,p,q\)をある順に並べると等比数列になり、ある順に並べると等差数列となるとする。このとき、\(p,q\)の組\((p,q)\)をすべて求めよ。

 

 

真ん中の項と両端の項の関係式を使うなら、等差数列について真ん中の項の選び方が3通り、等比数列について真ん中の項の選び方が3通りなので、全部で9通りになります。
これだと面倒なので、等差数列の3数を \(a-d,a,a+d\) とおいて等比数列の3通りを考えていきます。

(解答)
等差数列をなす3数を
\(a-d,a,a+d\)
とおくと、\(p<q\) より \(d≠0\)
また、\(p<q\) より\(p,q\)のどちらも\(0\)になることはなくて、一方が\(0\)のときは3数が等比数列になることがないから、\(p≠0\), \(q≠0\)

①\(a-d,a,a+d\) (\(a+d,a,a-d\)) の順で等比数列となるとき
\((a+d)(a-d)=a^2\)
\(d^2=0\)
\(d=0\)
よって不適。

②\(a,a-d,a+d\) (\(a+d,a-d,a\)) の順で等比数列になるとき
\(a(a+d)=(a-d)^2\)
\(d^2-3ad=0\)
\(d(d-3a)=0\)
\(d≠0\) より \(d=3a\)
よって3数は
\(a,-2a,4a\) となる。

③\(a,a+d,a-d\) (\(a-d,a+d,a\)) の順で等比数列になるとき
\(a(a-d)=(a+d)^2\)
\(d^2+3ad=0\)
\(d(d+3a)=0\)
\(d≠0\) より \(d=-3a\)
よって3数は
\(a,-2a,4a\) となる。

①~③より
3数は \(a,-2a,4a\) でありそのうちの1つが\(4\)だから

(ア)\(a=4\)のとき
3数は \(4,-8,16\)
\(p<q\) より \(p=-8\), \(q=16\)

(イ)\(-2a=4\) のとき
3数は \(-2,4,-8\)
\(p<q\) より \(p=-8\), \(q=-2\)

(ウ)\(4a=4\) のとき
3数は \(1,-2,4\)
\(p<q\) より \(p=-2\), \(q=1\)

したがって
\((p,q)=(-8,16),(-8,-2),(-2,1)\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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