群数列①

群数列について見ていきます。

 

・群数列
数列

\(1,1,3,1,3,5,1,3,5,7,1,3,5,7,9,1,\cdots\)

は次のように区切りを入れることで規則性を見つけることができます。

\(1|1,3|1,3,5|1,3,5,7|1,3,5,7,9|1,\cdots\)

このように数列をいくつかの組に分けたときこの組をといい、群によって分けられた数列を群数列といいます。区切りで分けられた群について左から順に、第\(1\)群、第\(2\)群、・・・とよび、もとの数列の項の順番と、各群の項の順番について整理すると次の通りになります。

群数列

よってこの数列は群で分けることによって、各群では等差数列になっていることや、第\(k\)群の項数が\(k\)であることなどが分かり、特徴づけることができます。

 

 

 

(例題1)
分数を次のように並べた数列を考える。
\(\displaystyle\frac{1}{2},\displaystyle\frac{2}{3},\displaystyle\frac{1}{3},\displaystyle\frac{3}{4},\displaystyle\frac{2}{4},\displaystyle\frac{1}{4},\displaystyle\frac{4}{5},\displaystyle\frac{3}{5},\displaystyle\frac{2}{5},\displaystyle\frac{1}{5},\displaystyle\frac{5}{6},\cdots\)

(1)\(\displaystyle\frac{18}{25}\)は初めから数えて何項目にあるか。
(2)初めから数えて第\(666\)項目にある分数は何か。
(3)初項から第\(666\)項目までの和を求めよ。

 

 

まずは群に分けます。分け方は分母が同じであるところに着目して
\(\displaystyle\frac{1}{2}|\displaystyle\frac{2}{3},\displaystyle\frac{1}{3}|\displaystyle\frac{3}{4},\displaystyle\frac{2}{4},\displaystyle\frac{1}{4}|\displaystyle\frac{4}{5},\displaystyle\frac{3}{5},\displaystyle\frac{2}{5},\displaystyle\frac{1}{5}|\displaystyle\frac{5}{6},\cdots\)
すると、
(i)第\(k\)群の分母は1つ大きい\(k+1\)
(ii)第\(k\)群の分子は、\(k\)スタートで、\(1\)ずつ減っていく
(iii)第\(k\)群の項数は\(k\)
という特徴になっています。
(具体的に例えば第3群のときなどで考えて一般化するとよいです)

(解答)

\(\displaystyle\frac{18}{25}\)は第\(24\)群に所属して、第\(24\)群の初項は\(\displaystyle\frac{24}{25}\) なので、\(24-18+1=7\) より \(\displaystyle\frac{18}{25}\)は「第\(24\)群の第\(7\)項」です(24,23,22,21 の項数は4ですが、これは 24-21+1=4 で求まる)。これがもとの数列の何番目になるかは、「\(23\)群の最後までの項数\(+7\)」を考えれば分かります。

(1)
\(\displaystyle\frac{1}{2}|\displaystyle\frac{2}{3},\displaystyle\frac{1}{3}|\displaystyle\frac{3}{4},\displaystyle\frac{2}{4},\displaystyle\frac{1}{4}|\displaystyle\frac{4}{5},\displaystyle\frac{3}{5},\displaystyle\frac{2}{5},\displaystyle\frac{1}{5}|\displaystyle\frac{5}{6},\cdots\)

と群で分けると、\(\displaystyle\frac{18}{25}\)は第\(24\)群にあり、第\(24\)群の初項は\(\displaystyle\frac{24}{25}\) であることから、\(\displaystyle\frac{18}{25}\)は、第\(24\)群の第\(7\)項(\(24-18+1\))である。

第\(k\)群の項数は\(k\)だから、第\(23\)群の最後の項はもとの数列で初めから数えて
\(1+2+3+\cdots+23=\displaystyle\frac{1}{2}\cdot23\cdot24\)
\(=276\) 項目である。

群数列① 例題1-1

したがって \(276+7=283\) より、\(283\)項目

 

(2)

まず第\(666\)項目がどの群にあるかを調べます。

第\(k\)群の最後の項は、もとの数列で初めから数えて
\(1+2+\cdots+k=\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)\) 項目。

よって、\(\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)≧666\) より

\(k\)群にある条件を
\(\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)≧666>\displaystyle\frac{1}{2}(k-1)k\)
として両側で挟んでもよいです。今回は上側だけ抑えて、最小値を考える方針でいきます。

\(k(k+1)≧1332\)・・・①

この問題だと①はキレイな値で解くことができますが、一般的には2次不等式だから根号を含む形になります。したがって①に具体的に数値(自然数)を代入していく方法をとるのがよいです。左辺はほとんど2乗の形なので、\(30^2=900\), \(40^2=1600\) より、\(30~40\) あたりの数値が候補になります。

\(36\cdot37=1332\) だから、①を満たす最小の\(k\)は \(k=36\) であり、このとき①の不等式で等号が成り立つので、第\(666\)項目は第\(36\)群の最後の項である。

したがって第\(666\)項目は\(\displaystyle\frac{1}{37}\)

 

(3)

第\(36\)群の最後までの和になります。まずは個別の\(k\)群での和がどうなるかを求めます。

(第\(k\)群について)
\(\cdots|\displaystyle\frac{k}{k+1},\displaystyle\frac{k-1}{k+1},\cdots,\displaystyle\frac{1}{k+1}|\cdots\)

第\(k\)群のすべての項の和は
\(\displaystyle\frac{1}{k+1}\{k+(k-1)+\cdots+2+1\}\)
\(=\displaystyle\frac{1}{k+1}\cdot\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}k\)

(2)より第\(36\)群の最後の項までの和を求めればよく、その和は
\(\displaystyle\sum_{k=1}^{36}\displaystyle\frac{1}{2}k\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}\cdot\displaystyle\frac{1}{2}\cdot36\cdot37\)
\(=333\)

 

 

 

(例題2)
数列
\(1,1,3,1,3,5,1,3,5,7,1,3,5,7,9,1,\cdots\)
について

(1)\((k+1)\)回目に現れる\(1\)は第何項か。
(2)\(m\)回目に現れる\(17\)は第何項か。
(3)初項から\((k+1)\)回目の\(1\)までの項の和を求めよ。
(4)初項から第\(n\)項までの和を\(S_n\)とするとき、\(S_n>1300\) となる最小の\(n\)を求めよ。

 

 

(例題1)でもそうでしたが、規則性を利用するために群数列を考えます。ただ群数列だけだと区切りのあるキリのいいところの情報までしか掴めないので、細かい所は最後に調節していきます。大枠を群数列で捉える感覚です。
\(1|1,3|1,3,5|1,3,5,7|1,3,5,7,9|1,\cdots\)
と群に分けます。すると次の規則性があることが分かります。
(i)第\(t\)群は自然数の奇数を順に並べたもの (等差数列)
(ii)第\(t\)群の項数は\(t\)
(具体的に第\(3\)群などで考えて、一般化するとよい)

(解答)
(1)

どの群も最初の項は\(1\)です。よって\((k+1)\)回目の\(1\)は、\((k+1)\)群の初項です。ゆえに、「\(k\)群の最後の項までの項数\(+1\)」を求めることになります。

\(1|1,3|1,\cdots\cdots|1,\cdots,(k群の最後)|1(←k+1回目),\cdots\)

\((k+1)\)回目の\(1\)は、\((k+1)\)群の初項だから

\((1+2+3+\cdots+k)+1\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}k(k+1)+1\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}k^2+\displaystyle\frac{1}{2}k+1\) より

第 \(\displaystyle\frac{1}{2}k^2+\displaystyle\frac{1}{2}k+1\) 項

 

(2)

最初の群のほうでは\(17\)が表れないので、まずどの群で\(17\)が現れるかを調べます。そこが\(1\)回目の\(17\)です。(あまり解答には影響はないが\(1\)回目の\(17\)は群の最後の項になる)

\(2t-1=17\) から
\(t=9\)
よって、第\(9\)群に初めて\(17\)が現れる。

\(m\)回目の\(17\)がどの群にあるかですが、\(9+m-1\)群です。(例えば\(3\)回目は\(11\)群ですが、これは \(9+3-1\) で求まるからです)。そして\(17\)が群の何項目にあるかですが、それはさっき求めた\(t=9\)より、\(9\)項目です。

群数列① 例題2-2

\(m\)回目に現れる\(17\)は、第 \(9+m-1=m+8\) 群の第\(9\)項なので

「\(m+7\)群の最後の項までの項数\(+9\)」です。

\(\{1+2+\cdots+(m+7)\}+9\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}(m+7)(m+8)+9\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}m^2+\displaystyle\frac{15}{2}m+37\)

よって
第 \(\displaystyle\frac{1}{2}m^2+\displaystyle\frac{15}{2}m+37\) 項

 

(3)

(1)でも考えましたが、\((k+1)\)回目の\(1\)は \((k+1)\)群の初項です。
よって、「(\(k\)群の最後の項までの和)\(+1\)」です。\(k\)群の最後の項までの和については、まず群1つの和を計算して(文字を変えて\(t\)群として計算)、最後にシグマをとります。

(\(t\)群について)
\(\cdots|1,3,5,\cdots,2t-1|\cdots\)

\(t\)群の項の和は
\(1+3+5+\cdots+(2t-1)\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}t\{1+(2t-1)\}\)
\(=t^2\)

\(1|1,3|1,\cdots\cdots|1,\cdots,(k群の最後)|1(←k+1回目),\cdots\)

\((k+1)\)回目の\(1\)は \((k+1)\)群の初項だから、そこまでの和は 「第\(1~k\)群のすべての項の和\(+1\)」より

\(\displaystyle\sum_{t=1}^{k}t^2+1\)
\(=\displaystyle\frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)+1\)

\(=\displaystyle\frac{1}{3}k^3+\displaystyle\frac{1}{2}k^2+\displaystyle\frac{1}{6}k+1\)

 

(4)

\(k\)群の最後の項までの和は(3)より
\(\displaystyle\frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)\)
だから、この式から和が\(1300\)を超えるのは何群になるか調べます。3次不等式を直接解くのではなく、具体的に数値を色々代入していきます。

(3)より最初から第\(k\)群の最後の項までの和は、\(\displaystyle\frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)\) だから

\(1300<\displaystyle\frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)\) を満たす最小の\(k\)を求めると

\(\displaystyle\frac{1}{6}\cdot15\cdot16\cdot31=1240\)
\(\displaystyle\frac{1}{6}\cdot16\cdot17\cdot33=1496\)

より \(k=15\) が最小値で、第\(15\)群の最後の項までの和が\(1240\)

残り \(1300-1240=60\) の分を \(16\) 群で補っていきます。

また、第\(16\)群の初項から第\(i\)項までの和は
\(1+3+\cdots+(2i-1)=i^2\) で  ((3)の\(t\)群の和を参照)

\(7^2=49\), \(8^2=64\) だから
全体の初項から第\(16\)群の第\(7\)項までの和は\(1289\)
全体の初項から第\(16\)群の第\(8\)項までの和は\(1304\)

したがって、\(S_n\)が初めて\(1300\)より大きくなるのは 第\(16\)群の第\(8\)項まで和をとったときだから、そのときの\(n\)は

\(n=(1+2+\cdots+15)+8\)
\(=\displaystyle\frac{1}{2}\cdot15\cdot16+8\)
\(=128\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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