積分と漸化式

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積分漸化式の例題です。

積分漸化式は、(1)一般項(関数)を予想して証明 (2)係数について漸化式を立てる
で解きます。

 

 

(例題1)
関数 \(f_n(x)\) (\(n=1,2,3,\cdots\)) は、
\(f_1(x)=4x^2+1\)
\(f_n(x)=\displaystyle\int_0^{1}\{3x^2tf’_{n-1}(t)+3f_{n-1}(t)\}dt\) (\(n=2,3,4,\cdots\))
で、帰納的に定義されている。この\(f_n(x)\)を求めよ。

 

 

各項は関数になっている数列です(関数列という)。
\(t\)で積分しているので\(x\)は定数扱いに注意して
\(f_n(x)=\displaystyle\int_0^{1}\{3x^2tf’_{n-1}(t)+3f_{n-1}(t)\}dt\)
\(=3x^2\displaystyle\int_0^{1}tf’_{n-1}(t)dt+3\displaystyle\int_0^{1}f_{n-1}(t)dt\)
となりますが、この時点で積分の部分は上端下端が定数だから全部定数になるので2次式(以下)で1次の項が無い整式になることが分かります。(具体的に\(f_2(x),f_3(x)\)あたりを求めてみて確かめてもよいです)
よって、\(f_n(x)=a_nx^2+b_n\) (\(a_n,b_n\)は\(x\)に対しては定数で\(n\)によって変化する)とおけるのでこれを積分漸化式に代入して、\(a_n,b_n\)について解いてきます。この積分漸化式は1個前の関数が分かれば次の関数が分かるという形になっているので、\(a_n,b_n\)の漸化式ができるはずです。
なお、予想する解法だと\(x^2\)の係数\(a_n\)は予想できますが、定数項\(b_n\)のほうは難しいです。

(解答)
\(f_n(x)=\displaystyle\int_0^{1}\{3x^2tf’_{n-1}(t)+3f_{n-1}(t)\}dt\)
\(=3x^2\displaystyle\int_0^{1}tf’_{n-1}(t)dt+3\displaystyle\int_0^{1}f_{n-1}(t)dt\)

\(\displaystyle\int_0^{1}tf’_{n-1}(t)dt,\ \displaystyle\int_0^{1}f_{n-1}(t)dt\) は定数なので

\(f_{n}(x)=a_nx^2+b_n\)
とおける。すると
\(f_{n-1}(t)=a_{n-1}t^2+b_{n-1}\)
となるから、漸化式より

\(a_nx^2+b_n\)
\(=3x^2\displaystyle\int_0^{1}(t\cdot2a_{n-1}t)dt+3\displaystyle\int_0^{1}(a_{n-1}t^2+b_{n-1})dt\)
\(=6a_{n-1}x^2\displaystyle\int_0^{1}t^2dt+3\displaystyle\int_0^{1}(a_{n-1}t^2+b_{n-1})dt\)
\(=6a_{n-1}x^2\left[\displaystyle\frac{t^3}{3}\right]_{0}^{1}+3\left[\displaystyle\frac{a_{n-1}}{3}t^3+b_{n-1}t\right]_{0}^1\)
\(=2a_{n-1}x^2+(a_{n-1}+3b_{n-1})\)

よって係数を比較して
\(a_n=2a_{n-1}\)・・・①
\(b_n=a_{n-1}+3b_{n-1}\)・・・②

\(f_1(x)=4x^2+1\) より
\(a_1=4\), \(b_1=1\)

①より
\(a_n\)\(=4\cdot2^{n-1}\)\(=2^{n+1}\)

これと②より
\(b_n=3b_{n-1}+2^n\) (指数型)
両辺\(2^n\)で割って
\(\displaystyle\frac{b_n}{2^n}=\displaystyle\frac{3}{2}\cdot\displaystyle\frac{b_{n-1}}{2^{n-1}}+1\)

\(c_n=\displaystyle\frac{b_n}{2^n}\) とおくと

\(c_1=\displaystyle\frac{b_1}{2^1}=\displaystyle\frac{1}{2}\)
\(c_n=\displaystyle\frac{3}{2}c_{n-1}+1\)

特性方程式 \(x=\displaystyle\frac{3}{2}x+1\) を解くと \(x=-2\) だから
\(c_n+2=\displaystyle\frac{3}{2}(c_{n-1}+2)\)
と変形できるので

\(c_{n}+2=(c_1+2)(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}=\displaystyle\frac{5}{2}(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}\)
\(c_n=\displaystyle\frac{5}{2}(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}-2\)

ゆえに
\(b_n\)\(=2^n\{\displaystyle\frac{5}{2}(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}-2\}\)\(=5\cdot3^{n-1}-2^{n+1}\)

したがって
\(f_n(x)=2^{n+1}x^2+(5\cdot3^{n-1}-2^{n+1})\)

 

 

 

 

(例題2)
\(c\)を \(0<c<1\) 満たす定数とする。3次関数 \(f(x)=-4x^3+3x^2\) に対し、
\(f_1(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c}f(t)dt\), \(f_2(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c}f_1(t)dt\)
とおく。以下、関数\(f_3(x),f_4(x),\cdots\)を順次
\(f_{n}(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c}f_{n-1}(t)dt\) (\(n=3,4,\cdots\))
により定める。このとき、関数\(f_{n}(x)\)を求めよ。

 

 

積分の部分は定数になるので、\(f_{n}(x)=f(x)+a_n\) とおけます。あとは積分漸化式に代入して(例題1)と同様に\(a_n\)の漸化式を立てます。

(解答)
\(f_{n}(x)=f(x)+a_n\) とおける。

\(f_{n}(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c}f_{n-1}(t)dt\) より

\(\bcancel{f(x)}+a_n=\bcancel{f(x)}+\displaystyle\int_{0}^{c}\{f(t)+a_{n-1}\}dt\)

よって
\(a_n=\displaystyle\int_{0}^{c}\{-4t^3+3t^2+a_{n-1}\}dt\)
\(a_n=\left[-t^4+t^3+a_{n-1}t\right]_{0}^{c}\)
\(a_n=ca_{n-1}-c^4+c^3\)・・・① (\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型)

(初項\(a_1\)を求めておきます)
また
\(f_1(x)=f(x)+\displaystyle\int_{0}^{c}(-4t^3+3t^2)dt\)
\(=f(x)-c^4+c^3\)
だから、\(a_1=-c^4+c^3\)

①の特性方程式
\(x=cx-c^4+c^3\) の解は \(x=c^3\) だから、①は次のように変形できる。
\(a_n-c^3=c(a_{n-1}-c^3)\)

よって
\(a_n-c^3=(a_1-c^3)c^{n-1}=-c^4\cdot c^{n-1}\)
\(a_n=c^3(1-c^{n})\)

したがって
\(f_{n}(x)=f(x)+a_n\)

\(=-4x^3+3x^2+c^3(1-c^{n})\)

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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