平方根の基本計算

→高校数学TOP

・平方根
2乗すると \(a\) になる数を\(a\)の平方根といいます。\(a>0\) のとき \(a\) の平方根は2つあり、正の数の方を \(\sqrt{a}\)、負の方を\(-\sqrt{a}\) と表します。\(a=0\) のときは、\(a\)の平方根は\(0\)のみで、\(\sqrt{0}=0\)となります。\(a<0\)では、\(a\)の平方根は実数の範囲では存在しません。

・平方根の性質

(1)  \(a≧0\) のとき \((±\sqrt{a})^2=a\)  \(\sqrt{a}≧0\)

(2)  \(\sqrt{a^2}=|a|\)

(1)は定義から明らかです。
大事なのは(2)です。定数の時はあまり気にならないかもしれませんが、(文字を含む式)\(^2\)の平方根を外すときは必ず絶対値をつけてください。
(2) \(a\) と \(-a\) はどちらも \(a^2\) の平方根ですが、\(a^2\)の正の平方根は、
\(a>0\)のときは \(a\)、 \(a<0\) のときは \(-a\)
よって、\(a=0\) のときも含めて、\(\sqrt{a^2}=|a|\)
※\(\sqrt{a^2}\)は正の数なので、\(a\)が正負の場合を考えると絶対値をつけることになります。
(詳しくは →文字を含む平方根 を参照)

 

続いて平方根を含む式の計算についての公式です。

\(a>0,b>0\)のとき

(1) \(\sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}\)

(2) \(\displaystyle\frac{\sqrt{a}}{\sqrt{b}}=\displaystyle\sqrt{\frac{a}{b}}\)

ルート同士の掛け算・割り算は、中身を計算すればよいということです。
(証明)
(1) \((\sqrt{a}\sqrt{b})^2=ab\)

\(\sqrt{a}>0,\sqrt{b}>0\) より \(\sqrt{a}\sqrt{b}>0\)

よって \(\sqrt{a}\sqrt{b}\) は \(ab\)の正の平方根となるため、

\(\sqrt{a}\sqrt{b}=\sqrt{ab}\)

(2)も同様に示せます。

 

・分母の有理化
分数式で分母に根号を含む式が含まれる場合、分母が有理数になるように変形することを分母の有理化といいます。複雑な式をキレイにして見やすくするためです。

 \(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{m}±\sqrt{n}}\)

\(=\displaystyle\frac{\sqrt{m}∓\sqrt{n}}{(\sqrt{m}±\sqrt{n})(\sqrt{m}∓\sqrt{n})}\)

\(=\displaystyle\frac{\sqrt{m}∓\sqrt{n}}{m-n}\) (複号同順)

分母に複数の平方根がある場合は、1つずつ有理化しましょう。
(例)
\(\displaystyle\frac{\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5}}{\sqrt{2}-\sqrt{3}-\sqrt{5}}\)
\(=\displaystyle\frac{(\sqrt{2}+\sqrt{3}+\sqrt{5})(\sqrt{2}-\sqrt{3}+\sqrt{5})}{\{\color{red}{(\sqrt{2}-\sqrt{3})}-\color{blue}{\sqrt{5}}\}\{\color{red}{(\sqrt{2}-\sqrt{3})}+\color{blue}{\sqrt{5}}\}}\)
(\(\sqrt{m}=\sqrt{2}-\sqrt{3}\) , \(\color{blue}{\sqrt{n}=\sqrt{5}}\) として\(\sqrt{5}\)をまず有理化しています)
\(=\displaystyle\frac{(\sqrt{2}+\sqrt{5})^2-(\sqrt{3})^2}{(\sqrt{2}-\sqrt{3})^2-(\sqrt{5})^2}\)
\(=\displaystyle\frac{4+2\sqrt{10}}{-2\sqrt{6}}=・・・\)

 

・平方根の近似値
最後に平方根の具体的な値をいくつか紹介します。
\(\sqrt{2}=1.41421356・・・\)     (一夜一夜に人見ごろ)
\(\sqrt{3}=1.7320508・・・\)       (人なみにおごれや)
\(\sqrt{5}=2.2360679・・・・\)    (富士山麓オーム鳴く)
\(\sqrt{7}=2.64575・・・\)          (菜に虫いない)
上から3桁は覚えましょう。
また、平方根がどの整数の間にあるのかも重要です。
例)
\(\sqrt{1}<\sqrt{2}<\sqrt{4}\) から
\(1 <\sqrt{2}< 2\)  など

 

※\(\sqrt{6}\)は \(\sqrt{2}×\sqrt{3}\)、\(\sqrt{8}\) は\(2\sqrt{2}\)、 \(\sqrt{10}\)は\(\sqrt{2}×\sqrt{5}\)から求めましょう。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

→高校数学TOP  back→実数の絶対値 →文字を含む平方根

タイトルとURLをコピーしました