対称式と基本対称式②

→高校数学TOP

 

文字数3つの対称式についても2文字と同様に、以下の性質があります。

\(x,y,z\)の対称式は、基本対称式で表される。
基本対称式は3文字の場合、次の3つです。
① \(x+y+z\) ② \(xy+yz+zx\) ③ \(xyz\)

 

(例題)
\(x+y+z=0,\)  \(xy+yz+zx=-5,\) \(xyz=2\) のとき
① \(x^2+y^2+z^2\)
② \(x^3+y^3+z^3\)
③ \(x^4+y^4+z^4\)
の値を求めよ。

 

①~③は\(x,y,z\)の対称式ですね。基本対称式でそれぞれ表しましょう。
(解答)

(②は →展開の公式 ⑪を移項して利用しています。)

①\(x^2+y^2+z^2\)
\(=(x+y+z)^2-2(xy+yz+zx)\)
\(=0^2-2・(-5)\)
\(=10\)

②\(x^3+y^3+z^3\)
\(=(x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)\)
\(+3xyz\)
\(=0+3・2\)
\(=6\)
③\(x^4+y^4+z^4\)
\(=(x^2+y^2+z^2)^2-2(x^2y^2+y^2z^2+z^2x^z)\)
\(=(x^2+y^2+z^2)\)
\(-2\{(xy+yz+zx)^2-2xyz(x+y+z)\}\)
\(=10^2-2\{(-5)^2-0\}\)
\(=50\)
2文字の時もそうでしたが、値が分かっている式(基本対称式など)を2乗とか3乗して余分な項を引くという変形が基本です。

 

※一般的に文字数n個の対称式は、n個の基本対称式で表すことができます。
n個の基本対称式は、それぞれ次数が 1,2・・・n で、k次の基本対称式はn個の文字からk個を選びその積をそれぞれ足し合わせたものになります。

例えば \(n=4\) 例えば\(x,y,z,w\)の4文字の場合どうなるか考えてみます。
1次~4次までの4個の基本対称式が存在し

(1次)文字を1つ選ぶので,\(x,y,z,w\)の4通り
基本対称式は \(x+y+z+w\) となります。
(2次)文字を2つ選ぶのでその積は,\(xy,xz,xw,yz,yw,zw\)の6通り
基本対称式は \(xy+xz+xw+yz+yw+zw\)
(3次)文字を3つ選ぶのでその積は,\(xyz,xyw,xzw,yzw\)の4通り
基本対称式は \(xyz+xyw+xzw+yzw\)
(4次)文字を4つ選ぶのでその積は,\(xyzw\)の1通り
基本対称式は \(xyzw\)

任意の\(x,y,z,w\)の対称式は、これら4つの基本対称式で表すことができるということです。

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

→高校数学TOP next→不等式の性質  back→対称式と基本対称式①

タイトルとURLをコピーしました