常用対数を使った桁数の決定方法について見ていきます。
・桁数の決定(整数部分)
整数部分が3桁の正の数\(M\)は不等式で
\(100≦M<1000\)
を満たします。
\(10^2≦M<10^3\) より、常用対数をとって
\(2≦\log_{10}M<3\)
つまり、常用対数をとってその整数部分が\(2\)のときに、3桁の正の数になります。(ズレがある)
同様に考えると一般的に、整数部分が\(k\)桁の数\(M\)は
\(10^{k-1}≦M<10^{k}\)
で表され、常用対数をとると
\(k-1≦\log_{10}M<k\) (\(k\)桁の数となる不等式)
を満たします。
・桁数の決定(小数首位)
初めて小数第3位に\(0\)でない数が現れる、1より小さい正の数\(M\)は
\(0.001≦M<0.01\)
つまり
\(10^{-3}≦M<10^{-2}\)
で表されるので、常用対数をとると
\(-3≦\log_{10}M<-2\)
を満たします。
\(\log_{10}M=-3+0.3\) となり、こちらは整数部分(の絶対値)がそのまま桁数を決めます。(\(-2.7=2-0.7\) とやってはダメです。小数部分\(\log_{10}a\)は0以上としたからです。前回を参照してください)
同様に考えると一般的に、初めて小数第\(k\)位に\(0\)でない数が現れる、1より小さい正の数\(M\)は
\(10^{-k}≦M<10^{-k+1}\)
で表され、常用対数をとると
\(-k≦\log_{10}M<-k+1\) (小数第\(k\)位に0でない数が現れる不等式)
を満たします。
(例題)
\(\log_{10}2=0.3010\), \(\log_{10}3=0.4771\) とする。
(1)\(3^{80}\)は何桁の数か。
(2)\((\displaystyle\frac{2}{3})^{100}\) は小数で表すと、小数第何位に初めて\(0\)でない数が現れるか。
(解答)
(1)
\(\log_{10}3^{80}=80\log_{10}3=80×0.4771\)
\(=38.168\)
よって
\(38<38.168<39\) より
\(39\)桁 の数
(2)
\(\log_{10}(\displaystyle\frac{2}{3})^{100}\)
\(=100(\log_{10}2-\log_{10}3)\)
\(=100(0.3010-0.4771)\)
\(=-17.61\)
よって
\(-18<-17.61<-17\) より
小数第\(18\)位に現れる。
(参考)
次のように捉えることもできます。(1)を例に挙げると
\(\log_{10}3^{80}=38.168\) より
\(3^{80}=10^{38.168}=10^{0.168}×10^{38}\)
(\(3^{80}\)を\(10\)の累乗で表すという考え方は重要です)
ここで、\(10^{0}<10^{0.168}<10^{1}\) より、\(1<10^{0.168}<10\)
仮に \(10^{0.168}=1.1\) とでもすれば
\(3^{80}=1.1×10^{38}\) となるので、\(39\)桁であることが分かります。
(\(1.1×10^3=1100\) だと4桁なので、上の例だと39桁)
次回は桁数の発展的な問題を扱っていきます。
以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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