不定積分の計算

具体的な不定積分の計算演習です。

 

(例題)次の不定積分を求めよ。
(1)\(\displaystyle\int(x-2)(1-3x)dx\)
(2)\(\displaystyle\int (x+3)^3dx\)
(3)\(\displaystyle\int(x+2)^3dx-\displaystyle\int(x-2)^3dx\)
(4)\(\displaystyle\int(ax+y)(bx-y)dy\) (\(a,b,x\)は\(y\)に無関係な定数とする)

 

 

(解答)

以下、積分定数を\(C\)とする。

(1)

展開します。
なおそれぞれを積分して、\((\displaystyle\frac{1}{2}x^2-2x)(x-\displaystyle\frac{3}{2}x^2)+C\) とするのは間違いです。

\(\displaystyle\int(x-2)(1-3x)dx\)
\(=\displaystyle\int(-3x^2+7x-2)dx\)
\(=-x^3+\displaystyle\frac{7}{2}x^2-2x+C\)

(2)

累乗の積分を利用すると早いです。

\(\displaystyle\int (x+3)^3dx\)
\(=\displaystyle\frac{1}{4}(x+3)^4+C\)・・・①

(別解:展開してから積分すると)
\(\displaystyle\int (x+3)^3dx\)
\(=\displaystyle\int (x^3+9x^2+27x+27)dx\)
\(=\displaystyle\frac{1}{4}x^4+3x^3+\displaystyle\frac{27}{2}x^2+27x+C\)・・・②

なお①を展開すると
\(\displaystyle\frac{1}{4}x^4+3x^3+\displaystyle\frac{27}{2}x^2+27x+\displaystyle\frac{81}{4}+C\)
となりますが、\(\displaystyle\frac{81}{4}+C→C\) と置き換えると②になります。

 

(3)

それぞれを積分するより、被積分関数どうしを先に計算すると楽です。

\(\displaystyle\int(x+2)^3dx-\displaystyle\int(x-2)^3dx\)
\(=\displaystyle\int\{(x+2)^3-(x-2)^3\}dx\)
\(=\displaystyle\int(12x^2+16)dx\)
\(=4x^3+16x+C\)

 

(4)

微分 \(\displaystyle\frac{dy}{dx}\) は\(x\)について微分するという意味でしたが、これと同様に、\(dx\)\(x\)について積分するという意味です。
同様に \(dy\) は\(y\)について積分するという意味で、他の\(a,b,x\)は定数扱いです。

\((y\)について整理していくと)

\(\displaystyle\int(ax+y)(bx-y)dy\)
\(\displaystyle\int\{-\color{blue}{y^2}+(bx-ax)\color{blue}{y}+abx^2\}dy\)
\(=-\displaystyle\frac{1}{3}y^3+\displaystyle\frac{x(b-a)}{2}y^2+abx^2y+C\)

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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