空間ベクトルと平行

空間ベクトルの平行条件について見ていきます。

平面ベクトルの時と同じで、\(\vec{a}=k\vec{b}\) です。

 

・空間ベクトルの平行

ベクトル平行1

\(\vec{0}\)でない2つのベクトル \(\vec{a},\vec{b}\)の向きが同じか、反対向きであるとき、\(\vec{a}\)と\(\vec{b}\)は平行であるといいます。

よってベクトルの実数倍の定義からベクトルの平行条件は次の通りです。

(ベクトルの平行)
\(\vec{a}≠\vec{0}\), \(\vec{b}≠\vec{0}\) のとき
\(\vec{a}/\!/\vec{b}\) \(⇔\) \(\vec{a}=k\vec{b}\) となる実数\(k\)が存在する

ベクトル平行3

また異なる2点\(A,B\)に対して、点\(P\)が直線\(AB\)上にある(\(A,B,P\)が1直線上にある)条件は、\(\overrightarrow{AB}/\!/\overrightarrow{AP}\) または \(\overrightarrow{AP}=\vec{0}\) となるので

(3点が一直線上にある条件)
点\(P\)が直線\(AB\)上にある \(⇔\) \(\overrightarrow{AP}=k\overrightarrow{AB}\) となる実数\(k\)が存在する

なお、\(k\)の値に対応した点\(P\)の位置は次の通りです。

ベクトル平行4

 

 

 

(例題1)
\(A(1,2,4)\), \(B(2,5,6)\), \(C(x,y,10)\) の3点が同一直線上にあるとき、\(x\)と\(y\)の値を求めよ。

 

 

(解答)

空間ベクトル平行 例題1

\(k\)を実数として
\(\overrightarrow{AC}=k\overrightarrow{AB}\)
\((x-1,y-2,6)=k(1,3,2)\)

各成分を比較して
\(x-1=k\)・・・①
\(y-2=3k\)・・・②
\(6=2k\)・・・③

③より\(k=3\)
①②より
\(x=4\), \(y=11\)

 

 

 

(例題2)
4点 \(A(1,-2,-3)\), \(B(2,1,1)\), \(C(-1,-3,2)\), \(D(3,-4,-1)\) がある。線分\(AB,AC,AD\)を3辺にもつ平衡六面体の他の頂点の座標を求めよ。

 

 

 

座標なので、原点\(O\)を始点とするベクトルを考えます。(終点に関するベクトルがそのまま座標になります)

(解答)

空間ベクトル平行 例題2

図のように残りの頂点を\(E,F,G,H\)とする。

\(\overrightarrow{AB}=(1,3,4)\)
\(\overrightarrow{AC}=(-2,-1,5)\)
\(\overrightarrow{AD}=(2,-2,2)\)
より

\(\overrightarrow{OE}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AB}+\overrightarrow{AC}\)
\(=(1,-2,-3)+(1,3,4)+(-2,-1,5)\)
\(=(0,0,6)\)

\(\overrightarrow{OF}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AC}+\overrightarrow{AD}\)
\(=(1,-2,-3)+(-2,-1,5)+(2,-2,2)\)
\(=(1,-5,4)\)

\(\overrightarrow{OG}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AB}+\overrightarrow{AD}\)
\(=(1,-2,-3)+(1,3,4)+(2,-2,2)\)
\(=(4,-1,3)\)

\(\overrightarrow{OH}=\overrightarrow{OA}+\overrightarrow{AB}+\overrightarrow{AC}+\overrightarrow{AD}\)
\(=(1,-2,-3)+(1,3,4)+(-2,-1,5)+(2,-2,2)\)
\(=(2,-2,8)\)

したがって他の頂点の座標は
\((0,0,6)\), \((1,-5,4)\), \((4,-1,3)\), \((2,-2,8)\)

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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