等差数列をなす3数

等差数列をなす3数の関係について見ていきます。

基本は3つの数についてですが、4つ以上の場合においても同様の議論になります。

 

・等差数列をなす3数
等差数列をなす3数についての問題の解法については、次の通りです。

(1)3数を \(a,a+d,a+2d\) とおく。 (\(d\)は公差)
(2)3数を \(a-d,a,a+d\) とおく。  (\(d\)は公差)
(3)\(p,q,r\) の順番のとき、\(p+r=2q\)

(どれを利用するかの目安)
(1)は単純なおきかたなので、使える範囲は広いですが、計算が複雑になることが多いです。

(2)は3数の和の条件がある場合には、\(d\)が消えて\(a\)をすぐに求めることが可能です。基本的には奇数個の数列の場合に利用します。

(3)\(q-p=r-q(=公差)\) を変形すると得られます。3数がすでに文字などで置かれている場合に有効です。

 

 

 

(例題1)
等差数列をなす5つの数の和は\(35\)、平方の和は\(285\)である。このような5つの数を求めよ。

 

 

5個で奇数個であり、和の条件があるので中央の項を\(a\)とおいて5数を表します。

(解答)
中央の項を\(a\)、公差を\(d\)とすれば、5つの数は順に
\(a-2d,a-d,a,a+d,a+2d\)
と表せる。

5つの数の和が\(35\)だから
\((a-2d)+(a-d)+a+(a+d)+(a+2d)=35\)
よって
\(5a=35\)
\(a=7\)

平方の和が\(285\)だから
\((7-2d)^2+(7-d)^2+7^2+(7+d)^2+(7+2d)^2=285\)
\(10d^2+245=285\)
よって
\(d=±2\)

\(d=2\)のとき5数は順に
\(3,5,7,9,11\)
\(d=-2\)のときは順番が逆になるだけでなので

5数は \(3,5,7,9,11\)

 

 

 

(例題2)
\(p,1,q\)  (\(p≠q\)) がこの順で等差数列であり、しかも \(p^2,1,q^2\) をうまく並べ替えると等差数列とすることができる。このとき、\(p,q\) を求めよ。

 

 

最初の条件から、\(p+q=2\cdot1\) です。後半の条件については、並び方は全部で\(6!\)通りありますが、同じ公式を使うことで半分に場合分けを減らすことができます。

(解答)
\(p,1,q\) がこの順で等差数列だから
\(p+q=2\)・・・①

また \(p^2,1,q^2\) を並び替えると等差数列になるから

(i)\(p^2,1,q^2\) (\(q^2,1,p^2\)) の順のとき
\(p^2+q^2=2\)・・・②
①を②に代入して
\(p^2+(2-p)^2=2\)
\((p-1)^2=0\)
よって \(p=1\)
①より \(q=1\) となるが、 \(p≠q\) とならないので不適。

(ii)\(1,p^2,q^2\) (\(q^2,p^2,1\)) の順のとき
\(1+q^2=2p^2\)・・・③
①を③に代入して
\(1+(2-p)^2=2p^2\)
\(p^2+4p-5=0\)
\((p+5)(p-1)=0\)

\(p=1\) だと \(q=1\) になるため不適。
\(p=-5\) のとき①より \(q=7\)

(iii)\(1,q^2,p^2\) (\(p^2,q^2,1\)) の順のとき
\(1+p^2=2q^2\)・・・④
①を④に代入して
\(1+(2-q)=2q^2\)
\((q+5)(q-1)=0\)

\(q=1\) だと \(p=1\) になるため不適。
\(q=-5\) のとき①より \(p=7\)

したがって
\((p,q)=(-5,7),(7,-5)\)

 

(ii)と(iii)は\(p,q\)が入れ替わっていて、\(p+q=2\)・・・① は\(p,q\)について対称なので、(ii),(iii)の\(p,q\)はちょうど入れ替わったものになります。

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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