2つ以上の数列の共通する項に関する例題です。
(例題1)
自然数全体の集合\(U\)の部分集合\(P,Q\)を次のように定める。
\(P=\{5n-3|nは自然数\}\) \(Q=\{7n-3|nは自然数\}\)
(1)\(P\)の要素のうち、2桁の自然数は全部で( )個ある。
(2)\(P \cap Q\) の要素を小さい順に \(a_1,a_2,a_3,\cdots,a_n,\cdots\) とするとき、数列\(\{a_n\}\)は初項( )、公差( )の等差数列である。
(3)\(U\)に関する\(Q\)の補集合を\(\overline{Q}\)と表す。\(P \cap \overline{Q}\) の要素を小さい順に \(b_1,b_2,b_3,\cdots,b_{n},\cdots\) とするとき、\(b_{n}\)の値がはじめて\(100\)以上になるのは \(n=\)( ) のときである。
(解答)
(1)
\(10≦5n-3≦99\) を解くと
\(2.6≦n≦20.4\)
よって
\(n=3,4,\cdots,20\) だから個数は
\(20-3+1=\)\(18\)個
(2)
\(5k-3=7l-3\) (1次不定方程式)
を解くことになります。(\(k,l\)と文字を変えたのは、共通項がそれぞれの数列で何番目にあるか違うからです)
\(5k-3=7l-3\) (\(k,l\)は自然数) より
\(5k=7l\)
\(5,7\)は互いに素だから
\(k=7m\) (\(m\)は自然数) とおけて
\(5k-3=35m-3\)
したがって\(\{a_n\}\)の一般項は
\(a_n=35n-3\)
となるから、
初項 \(a_1=\)\(32\) 公差 \(35\)
(3)
\(P \cap Q\) について
(2)より \(a_n=35n-3\) だから
\(a_1=32\), \(a_2=67\), \(a_3=102\), \(a_4=137\), \(\cdots\)
また、\(P\)について
\(5n-3≧100\) より
\(n≧20.6\)
よって\(100\)以上の\(P\)の要素をならべると
\(5×21-3=102(=a_3)\)
\(5×22-3=107\)
ゆえに\(b_n\)の値ではじめて\(100\)以上になるとき、その値は\(107\)。
このとき\(P\)の数列としては\(22\)番目になる。\(22\)番目までで、\(Q\)の要素と同じに値になるのは、\(a_1,a_2,a_3\) の値3つの場合があるので、求める\(n\)は
\(n=22-3\)\(=19\)
(例題2)
\(a_n=3n-2\), \(b_n=4n+1\), \(c_n=7n\) (\(n=1,2,\cdots\)) で定義される3つの数列 \(\{a_n\},\{b_n\},\{c_n\}\) のいずれにも現れる値を小さい順に並べて、新たな数列\(\{d_n\}\) を作る。数列\(\{d_n\}\)の一般項\(d_n\) (\(n=1,2,\cdots\)) を求めよ。
(解答)
\(\{a_n\},\{b_n\}\) について
\(3k-2=4l+1\) (\(k,l\)は自然数) とすると
\(3(k-1)=4l\)
\(3,4\)は互いに素だから
\(4l=3m\) (\(m\)は自然数) とおけて
\(4l+1=\)\(12m+1\)
つぎに \(\{c_{n}\}\) と \(12n+1\) (\(n\)は自然数) で表される数列について
\(7p=12q+1\) (\(p,q\)は自然数) とすると
\(7p-12q=1\)・・・①
\(p=-5\), \(q=-3\) は①を満たすので
\(7\cdot(-5)-12\cdot(-3)=1\)・・・②
①-②より
\(7(p+5)-12(q+3)=0\)
\(7(p+5)=12(q+3)\)
\(7,12\)は互いに素だから
\(p+5=12r\) (\(r\)は自然数) とおけて
\(7p=7(12r-5)=\)\(84r-35\)
したがって
\(d_n=84n-35\)
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
next→等差数列の和の最大値 back→倍数の和