an+1=p・an+r^n 型

\(a_{n+1}=pa_n+r^n\) (\(p≠1,\ r≠1\)) 型の漸化式の解き方について見ていきます。

\(p=1\) だとただの階差型、\(r=1\) だと \(a_{n+1}=pa_n+1\) (\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型) になるので除きます。

 

 

(例題1)
次の条件によって定義される数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。
\(a_1=5\), \(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\)

 

 

3つの解法を紹介します。解法1,2 が基本のものとなります。

(解法1)指数部分を定数にする方法
\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\) の両辺を\(3^{n}\) で割る

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{3^{n}}=\displaystyle\frac{2a_n}{3^{n}}+1\)

(1つずれた形にするために、\(a_n\)のほうの\(3^n\)を \(3\cdot3^{n-1}\)と変形して)

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{3^{n}}=\displaystyle\frac{2}{3}\cdot\displaystyle\frac{a_n}{3^{n-1}}+1\)

\(b_n=\displaystyle\frac{a_n}{3^{n-1}}\) とおくと

\(b_1=\displaystyle\frac{a_1}{3^0}=5\)
\(b_{n+1}=\displaystyle\frac{2}{3}b_n+1\)・・・①

特性方程式 \(α=\displaystyle\frac{2}{3}α+1\) より
\(α=3\)

よって①は次のように変形できる。
\(b_{n+1}-3=\displaystyle\frac{2}{3}(b_n-3)\)
ゆえに
\(b_n-3=(b_1-3)\cdot(\displaystyle\frac{2}{3})^{n-1}\)
\(b_n=2\cdot(\displaystyle\frac{2}{3})^{n-1}+3\)

\(b_n=\displaystyle\frac{a_n}{3^{n-1}}\) より

\(a_n=b_n\cdot3^{n-1}\)
\(=\{2\cdot(\displaystyle\frac{2}{3})^{n-1}+3\}\cdot3^{n-1}\)
\(=2^{n}+3^{n}\)

 

(解法2)ダイレクトに1つずれた形(階差型)にする方法

初手は(解法1)に似ています。\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\) の\(a_n\)の係数\(2\)に着目して\(2^{n}\)で割ります。

\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\) の両辺を\(2^{n}\)で割って

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{2^{n}}=\displaystyle\frac{a_{n}}{2^{n-1}}+(\displaystyle\frac{3}{2})^n\)

\(b_n=\displaystyle\frac{a_{n}}{2^{n-1}}\) とおくと

\(b_1=\displaystyle\frac{a_{1}}{2^0}=5\)
\(b_{n+1}=b_n+(\displaystyle\frac{3}{2})^n\) (階差型)

よって \(n≧2\) のとき
\(b_{n}=b_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}(\displaystyle\frac{3}{2})^k\)

\(=5+\displaystyle\frac{\displaystyle\frac{3}{2}\{(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}-1\}}{\displaystyle\frac{3}{2}-1}\)

(分母分子を2倍して)

\(=5+3\{(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}-1\}\)
\(=2+3\cdot(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}\)

\(b_n=\displaystyle\frac{a_{n}}{2^{n-1}}\) より

\(a_n=2^{n-1}b_n\)
\(=2^{n-1}\{2+3\cdot(\displaystyle\frac{3}{2})^{n-1}\}\)
\(=2^{n}+3\cdot3^{n-1}\)
\(=2^n+3^n\)

 

(解法3)1つずれた形(等比型)にする方法

\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\) を
\(a_{n+1}-〇=2(a_n-〇)\) の形に変形することを目指します。\(3^{n}\)の項があるので
\(a_{n+1}-(a\cdot3^{n+1}+b)=2\{a_n-(a\cdot3^{n}+b)\}\)
の形にします。(この問題だと\(b=0\)です)

\(a_{n+1}-a\cdot3^{n+1}=2(a_n-a\cdot3^{n})\) とすると

\(a_{n+1}=2a_n+3a\cdot3^{n}-2a\cdot3^n\)
\(a_{n+1}=2a_n+a\cdot3^{n}\)

\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}\) と比べて
\(a=1\)

よってもとの漸化式は次のように変形できる。
\(a_{n+1}-3^{n+1}=2(a_n-3^{n})\)

\(b_n=a_n-3^{n}\) とおくと

\(b_{n+1}=2b_n\)
\(b_1=a_1-3=2\)

ゆえに
\(b_n=2\cdot2^{n-1}=2^{n}\)

したがって
\(a_n=b_n+3^{n}\)
\(=2^{n}+3^{n}\)

 

 

 

(例題2)
次の条件よって定義される数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。
\(a_1=0\), \(a_{n+1}=2a_n+3^{n}+2n+1\)

 

 

(例題1)の(解法1)のように\(3^{n}\)で割っても指数部分が消えないのでうまくいきません。よって本問は (解法2) or (解法3) で解くことになります。

(解答)(解法3)と同じ方法(1つずらしの等比数列型にする)

\(a_{n+1}-\{a\cdot3^{n+1}+b(n+1)+c\}=2\{a_n-(a\cdot3^{n}+bn+c)\}\)

(\(3^{n+1}=3\cdot3^{n}\) より)

\(a_{n+1}=2a_n+a\cdot3^{n}-bn+(b-c)\)

\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}+2n+1\) と比べると
\(a=1\),  \(-b=2\),  \(b-c=1\)
よって
\(a=1\),  \(b=-2\),  \(c=-3\)

ゆえにもとの漸化式は次のように変形できる。
\(a_{n+1}-\{3^{n+1}-2(n+1)-3\}=2\{a_n-(3^{n}-2n-3)\}\)

ここで
\(b_n=a_n-(3^{n}-2n-3)\) とおくと
\(b_1=a_1-(3-2-3)=2\)
\(b_{n+1}=2b_n\) より

\(b_n=2\cdot2^{n-1}=2^{n}\)

したがって
\(a_{n}=b_n+(3^{n}-2n-3)\)
\(=2^{n}+3^{n}-2n-3\)

 

(別解)(解法2)と同じ方法、ダイレクトに1つ違い(階差数列型)にする方法
\(a_{n+1}=2a_n+3^{n}+2n+1\) の両辺を\(2^{n}\)で割って

\(\displaystyle\frac{a_{n+1}}{2^{n}}=\displaystyle\frac{a_n}{2^{n-1}}+(\displaystyle\frac{3}{2})^n+n\cdot\displaystyle\frac{1}{2^{n-1}}+\displaystyle\frac{1}{2^{n}}\)

\(b_n=\displaystyle\frac{a_n}{2^{n-1}}\) とおくと
\(b_{n+1}=b_n+(\displaystyle\frac{3}{2})^n+n\cdot\displaystyle\frac{1}{2^{n-1}}+\displaystyle\frac{1}{2^{n}}\) (階差型)

よって\(n≧2\)のとき
\(b_n=b_1+\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}\{(\displaystyle\frac{3}{2})^k+k\cdot\displaystyle\frac{1}{2^{k-1}}+\displaystyle\frac{1}{2^{k}}\}\)

(以下略)

シグマの中身について
\((\displaystyle\frac{3}{2})^k,\displaystyle\frac{1}{2^{k}}\) は等比数列、\(k\cdot\displaystyle\frac{1}{2^{k-1}}\)は(等差)×(等比) なので計算できます。

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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