an+1^q=p・an^r 型

\(a_{n+1}^q=pa_n^r\) 型の漸化式の解き方について見ていきます。

対数をとることがポイントです。この形の他に \(a_{n+1}\cdot a_n\) のような積が漸化式に含まれるときにも有効な場合があります。

 

 

(例題1)
次の条件で定められる数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。(\(n\)は自然数)
\(a_1=2\), \(a_{n+1}=8a_n^2\)

 

 

\(a_{n+1}=8a_n^2\) の両辺で対数をとることで、指数の部分を前に出すことができます。底は\(8\)に着目して\(2\)や\(8\)にするとよいでしょう。\(2\)とすれば
\(\log_{2}a_{n+1}=\log_28+2\log_2a_n\)
となり、\(\log_{2}a_n=b_n\) とおけば
\(b_{n+1}=2b_n+3\) となり、\(a_{n+1}=pa_n+q\) 型に帰着できます。
あとは対数をとるので、真数条件には気を付けておきます。

(解答)
\(a_1=2>0\), \(a_{n+1}=8a_n^2>0\)  より
すべての自然数\(n\)で \(a_n>0\)

まず\(a_1=2\)で正で、漸化式より \(a_2=8a_1^2>0\)。さらに漸化式より \(a_3=8a_2^2>0\)・・・となりすべての自然数で\(a_n>0\)となるわけです。帰納法の考え方と同じです。

漸化式において底を\(2\)とする対数をとると
\(\log_2a_{n+1}=\log_2(8a_n^2)\)
\(\log_2a_{n+1}=\log_28+\log_2a_n^2\)
\(\log_2a_{n+1}=2\log_2a_n+3\)

\(\log_2a_n=b_n\) とおくと

\(b_1=\log_2a_1=\log_22=1\)
\(b_{n+1}=2b_n+3\)

特性方程式 \(α=2α+3\) より
\(α=-3\) だから

\(b_{n+1}+3=2(b_n+3)\)

よって
\(b_n+3=(b_1+3)2^{n-1}=4\cdot2^{n-1}=2^{n+1}\) より
\(b_n=2^{n+1}-3\)

したがって
\(\log_2a_n=b_n\) より
\(a_n=2^{b_n}\) だから

\(a_n=2^{2^{n+1}-3}\)

 

 

 

(例題2)
\(a_1=4\), \(a_{n+1}=8\sqrt{a_n}\) (\(n=1,2,3,\cdots\))
で定められる数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。

 

 

同様に対数をとります。底は\(2\)でいいでしょう。

(解答)
\(a_1=4>0\), \(a_{n+1}=8\sqrt{a_n}>0\)
より、すべての自然数で\(a_n>0\)

漸化式で底を\(2\)とする対数をとると
\(\log_2a_{n+1}=\log_2(8\sqrt{a_n})\)
\(\log_2a_{n+1}=\log_28+\log_2\sqrt{a_n}\)
\(\log_2a_{n+1}=\displaystyle\frac{1}{2}\log_2{a_n}+3\)

\(\log_2a_n=b_n\) とおくと
\(b_{n+1}=\displaystyle\frac{1}{2}b_n+3\)
\(b_1=\log_2a_1=\log_24=2\)

特性方程式 \(α=\displaystyle\frac{1}{2}α+3\) を解くと
\(α=6\) より

\(b_{n+1}-6=\displaystyle\frac{1}{2}(b_n-6)\) と変形できるから

\(b_n-6=(b_1-6)\cdot(\displaystyle\frac{1}{2})^{n-1}=(-4)\cdot\displaystyle\frac{1}{2^{n-1}}=-\displaystyle\frac{1}{2^{n-3}}\)

よって
\(b_n=-\displaystyle\frac{1}{2^{n-3}}+6\)

\(\log_2a_n=b_n\) より
\(a_n=2^{b_n}\) だから

\(a_n=2^{-\frac{1}{2^{n-3}}+6}\) (\(=2^{-2^{3-n}+6}\))

 

 

 

 

以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見ていただきありがとうございました。
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