円錐と2次曲線の関連性について見ていきます。
(例題)
点 \(A(0,1,3)\) を頂点とする直円錐を考える。\(H(0,0,1)\) とすると直線\(AH\)はこの円錐の回転軸であり、また母線の1つは \(T(0,1,-1)\) を通る。
(1)\(\overrightarrow{AH}\)と\(\overrightarrow{AT}\)のなす角を\(θ\)とするとき、\(\cosθ\) の値を求めよ。
(2)無限に長い直円錐として、この円錐の側面(頂点を含む)の方程式 \(F(x,y,z)=0\) を求めよ。
(3)この直円錐の\(xy\)平面による切り口はどのような図形になるか。
(解答)
(1)
(内積を利用します)
\(\overrightarrow{AH}=(0,-1,-2)\)、\(\overrightarrow{AT}=(0,0,-4)\)
\(\overrightarrow{AH}\cdot\overrightarrow{AT}=|\overrightarrow{AH}||\overrightarrow{AT}|\cosθ\) より
\(0+0+8=\sqrt{1+4}\sqrt{16}\cosθ\)
したがって
\(\cosθ=\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
(2)
円錐の側面上の点を \(X(x,y,z)\) とおくと、\(\overrightarrow{AH}\) と \(\overrightarrow{AX}\) のなす角が\(θ\) なので
\(\overrightarrow{AH}=(0,-1,-2)\)、\(\overrightarrow{AX}=(x,y-1,z-3)\) より、\(X\)が\(A\)となるときも含めて
\(\overrightarrow{AH}\cdot\overrightarrow{AX}=|\overrightarrow{AH}||\overrightarrow{AX}|\cdot\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
\(-(y-1)-2(z-3)=\sqrt{5}\cdot\sqrt{x^2+(y-1)^2+(z-3)^2}\displaystyle\frac{2}{\sqrt{5}}\)
\(-y-2z+7=2\sqrt{x^2+(y-1)^2+(z-3)^2}\)・・・①
右辺は\(0\)以上の値なので、\(-y-2z+7≧0\)・・・②
②のもとで①を2乗して
\((-y-2z+7)^2=4\{x^2+(y-1)^2+(z-3)^2\}\)
整理すると
\(4x^2+3y^2-4yz+6y+4z-9=0\) (ただし \(-y-2z+7≧0\))
(3)
(\(z=0\) とするだけです)
\(xy\)平面の方程式は \(z=0\) だから(2)の結果で\(z=0\)とすると
\(4x^2+3y^2+6y-9=0\) (\(-y+7≧0\))
よって
\(4x^2+3(y+1)^2=12\) (\(y≦7\))
\(\displaystyle\frac{x^2}{3}+\displaystyle\frac{(y+1)^2}{4}=1\)・・・③ (\(y≦7\))
方程式③を満たす実数\(y\)は\(y≦7\)であるから、\(xy\)平面による切り口は楕円③になる。
(参考)
円錐を頂点を通らないような平面で切断するとその切り口は2次曲線となるので、2次曲線は円錐曲線とも呼ばれます。上記例題は楕円になることの例です。
(ア)母線の全てに平面が交わるように切断するとき
(i)平面と底面が平行である場合、切り口は円
(ii)平面と底面が平行でない場合、切り口は楕円
(イ)平面と交わらない母線があるとき
(iii)母線の1つと平面が平行である場合、切り口は放物線
(iv)(iii)以外の場合、切り口は双曲線
平面の傾きに着目すると、放物線となる場合を境目にしてこれより
「緩やかになると楕円、急になると双曲線」
と分類できます。
以上になります。お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。
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