完全数

 

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(例題)
\(k\)を正の整数として、\(2^k-1\) が素数であるとする。
\(a=2^{k-1}(2^k-1)\) のすべての正の約数の和を求めよ。
ただし必要ならば、\(1+2+2^2+・・・+2^{k-1}\)\(=2^{k}-1\) を用いてもよい。

 

素数\(2^k-1\)を\(p\)と置いて見やすくしてみます。
あとは、ただの約数の和を求める問題です。

(解答)
\(p\)を素数として、\(2^k-1=p\) とおくと
\(a=2^{k-1}p\)

よって\(a\)の正の約数の和\(S\)は
\(S=(1+2+2^2+・・・\)\(+2^{k-1})(1+p)\)
\(=(2^{k}-1)(1+p)\)
\(=2^k(2^{k}-1)\)
\(=2×2^{k-1}(2^k-1)\)
\(=\)\(2a\)

 

約数の和がもとの数の2倍です。
このように、正の約数の和が、その数の2倍になっている自然数を完全数といいます。特殊な性質をもった整数があるんだなあくらいの認識でよいです。
例題で、\(k=2\) とすると、\(2^2-1=3\) で素数となり
\(a=2^1(2^2-1)=6\) なので、\(6\)は完全数となります。
実際、\(6\)の正の約数の和は、\(1+2+3+6=12\) で、\(6\)の2倍となっています。

 

他にも\(k=3\) とすると、\(2^3-1=7\) で素数となり、
\(a=2^2(2^3-1)=28\) なので、\(28\)は完全数となります。
\(28\)の正の約数の和は、\(1+2+4+7+14+28=56\) で、\(28\)の2倍となっています。

 

 

ちなみに問題文のただし書きの等式は、等比数列の和(数B)です。
実際には自力で求めることになります。

 

 

 

ここまでは、約数や倍数に関連する問題を主に扱ってきました。
約数や倍数に関係する問題は、因数分解(素因数分解)が問題を解くときの重要な手段です。

 

整数に関する問題を解くうえでは、ポイントとすべきことが3つあります。

 

1つは、因数分解(素因数分解)です。
2つ目は、整数で割ったときの余りに着目することです。
3つ目は、不等式により範囲を絞ることです。

 

次回以降は2つ目のポイントの「余り」について学習していきます。

 

 

 

 

以上になります。 お疲れさまでした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

 

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