補集合の利用

 

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求める場合の数を直接求めるよりも、条件に適さない場合の数を考えて全体の場合の数から引いたほうが楽になることがあります。次の問題について考えてみましょう。

 

(例題)
大中小3個のさいころを投げるとき、その目の積が偶数になる場合は何通りあるか。

 

 

目の積が偶数ということは少なくとも1つの目が偶数ということです。
直接求めると、偶数の目が1つ、2つ、3つで場合分けすることになりますが、目の積が偶数でない場合は、全ての目が奇数である場合(1,3,5のみが出る)と簡単に求まるので、これを全体から引いてやると求めたい場合の数が出ます。
(解答)
全ての目の出方は \(6^3\)通り
目の積が奇数になる場合は、\(1,3,5\)のみが出る場合なので、\(3^3\)通り
よって目の積が偶数になる場合の数は
\(6^3-3^3=216-27=\)\(189\)(通り)

 

 

もう1問やってみます。

 

(問題)
大中小3個のさいころを投げるとき、目の積が\(4\)の倍数になる場合は何通りあるか。

 

 

例題と同じように\(4\)の倍数でない場合を考えます。\(4\)の倍数でないということは、「①すべての目が奇数 ②1つの目が\(4\)でない偶数、残り2つの目が奇数」 の場合が考えられます。これらは同時に起こらないので和の法則より足してあげます。あとは全体から引いてやれば求める場合の数が出ます。

(解答)
全ての目の出方は、\(6^3\) 通り

目の積が\(4\)の倍数でないときを考えると

①すべての目が奇数であるときは、\(3^3=27\)通り

②1つ目が\(2,6\)で、残り2つの目が奇数であるときは、
\(2,6\)が出るサイコロが大中小の3パターンあるので
\((2×3^2)×3=54\) 通り

よって、目の積が\(4\)の倍数でないときは、\(27+54=81\) 通り

したがって、目の積が\(4\)の倍数となるのは
\(6^3-81=216-81=\)\(135\)(通り)

 

②では奇数の出るサイコロが大中小の3パターンあることに注意してください。
(大,中,小)=(奇数,偶数,偶数),(偶数,奇数,偶数),(偶数,偶数,奇数) です。
①ですべてのサイコロが奇数の目の場合は
(大,中,小)=(奇数,奇数,奇数) の1パターンしかありません。
ちなみに直接\(4\)の倍数であるときを数え上げると、偶数の個数に着目して
「①3つの目すべて偶数 (\(3^3=27\)通り) ②2つの目が偶数で残り1つは奇数 (\((3^2×3)×3=81\)通り) ③1つの目が偶数(\(4\)が出る)で残り2つが奇数 (\((1×3^2)×3=27\)通り)」と場合分けして、これらは同時には起こらないので足せば答えとなります。

 

 

 

 

 

以上になります。お疲れ様でした。
ここまで見て頂きありがとうございました。

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